人口減少に伴い、労働人口もますます東京一極化が進んでいる日本ですが、じつは東京から地方への転職を考えている人も結構多いのをご存知でしょうか?
転職サイト「 doda(デューダ) 」の調査によると、東京在住の20〜30代で「地方への転職に興味がある」と答えた人が実に約40%もいることが判明。
東京出身の20代男性に関しては半数の50%が地方への転職に興味ありと回答。こうしてみると、女性より男性の方が地方への転職意欲が高いことがわかります。
おそらく、純粋に男性の方が都心で働くサラリーマンの数が多いからでしょう。
そう……つまり……
東京で疲弊しているんです、みんな。
深刻な東京疲れ。地方へ行って穏やかに過ごしたい……。
というわけでこの記事では、東京から地方への転職事情について書いていきます。
もう疲れた……。若者が東京から地方への転職を考える理由。
同情のdodaの調査から「地方への転職に興味がある理由」のTOP10は以下の通り。
– | 地方転職に興味がある理由 | % |
1位 | 生活費が安いから | 60.2% |
2位 | 満員電車が少ない | 39.8% |
3位 | 自然豊かな土地で暮らせそう | 39.2% |
4位 | 子育てがしやすい | 30.4% |
5位 | 都会に疲れた | 28.2% |
6位 | 職場の近くに住み、ワークライフバランスが取りやすい | 23.6% |
7位 | 働きたい企業・有名な企業があるから | 18.8% |
8位 | 実家や家族、地元の友人がいるから | 13.3% |
9位 | 地方活性に関わる仕事がしたい | 10.4% |
10位 | 介護のため | 1.3% |
どうでしょうか、心当たりのありまくる東京のビジネスパーソンは多いのではないでしょうか?
かくいう私も東京育ちで20代はずっと都心でリーマンやっていた身ですが、1位と2位は共感しまくりです。このツートップだけピックアップさせてください。
1位:東京は物価が高すぎてもはや満足に暮らしていけない
正直、もう年収300万円未満で東京で普通な暮らしをするのって結構キツいです。つねにお金の心配をしながら切り詰めて生活すればまぁ生きていけますが、貯金や贅沢はできません。
まず物価がどんどん上がっています。コンビニとか見れば分かりますよね。お弁当とか、価格を変えずに量をどんどん減らしています。ステルス値上げと言われたりしますが、実質的なインフレです(物価高)。
当時年収300万以下で家賃6万のアパート(23区内)に住んでいた私から言わせれば、安月給の人はもうコンビニで気軽に買い物できないです。コンビニとか高すぎ、少しでも安いスーパーとかに行く。食うのも高いし、遊ぶのもイチイチ高い。映画館の料金もどんどん上がっています。
一番問題なのは、物価がこれだけ上がっているのに給料が上がっていないことです。
普通、物価が上がれば給料の額もその分上がります。しかし現状の日本は、物価が上がっているのに逆に賃金は上がらないかむしろ下がっています。この現象を経済用語で「スタグフレーション」と言い、国民としては一番ツラいやつです。
国内のインフレ(物価高)は今後もどんどん進むので、給料が横ばいであっても国民は(物価が上がる分だけ)どんどん貧困になっていくわけです。
派遣社員やフリーターといった非正規も増えていますし、今回の調査結果をみても、東京での暮らしがジリ貧になっている人が急増していることは間違いありません。
そうなると、物価が圧倒的に安い地方に活路を見いだすのは必然というわけです。
満員電車が嫌すぎてストレスがもう限界!
私は現在サラリーマンを辞めて独立したのですが、なんでリーマン辞めたかって「満員電車が嫌すぎる」という要因が50%はあった(いや80%くらいかも)。
個人的に一番ツラかったのが東急田園都市線。毎日が地獄だった。混雑率ランキングだと大体7位〜8位くらいにいつもランクインしてます。
(逆に、個人的に一番マシだったのは井の頭線。渋谷勤務の人は井の頭線沿線をおすすめします)
満員電車のツラさについては説明不要でしょう。私は独立した今でこそガチレベルの満員電車は年に数回当たってしまう程度ですが、乗るたびに「マジで会社員辞めて良かった……もうこんなのに毎日乗る人生なんてありえん…!!」と脳内でつぶやいています。
地方でゆるりと会社員+副業した方が豊かになれる可能性も大きいのでは?
地方に転職すると相場として年収レベルは落ちますが、そのぶん物価も下がるので、年収は落ちても東京にいる時より余裕のある暮らしができたりします。
もし私が地方へ転職するとしたら、まず年収を下げてでもホワイトな企業に転職し、職場の近く(できればチャリ圏内)の家に引っ越します。そして、会社員+副業で年収を上げる道を目指すでしょう。
もう多くの人が気づいていると思いますが、人口減少でシュリンクしていく今後の日本経済において、会社員の給料だけで豊かに暮らしていくことは無理ゲーになってきました。いよいよ政府が会社員の「副業解禁」を推奨しているのがその証拠です。
東京で会社員をしていると家と職場を往復するだけで精一杯みたいな多忙生活になりがちですが、地方であればワークライフバランスが取りやすいです。職場近くに住むことで通勤時間を減らし、満員電車に乗らなくていいのも大きなその要因。
時間に余裕ができれば、マイペースに無理のない範囲で副業を始めることも簡単です。
今の時代は、ネットさえあれば在宅でできる副業が数多くあります。会社員の副業については下記記事で詳しく書いた通り、「クラウドワークス
クラウドソーシングならネット上であらゆる仕事を個人で請け負うことができますし、WEBライターの仕事であれば比較的誰でもこなせる仕事が多いです。
作業時間さえ確保できれば、月10万円程度は副収入として稼ぐことも全然難しくありません。本業の収入に副収入が加われば、東京での生活よりはるかに豊かでゆとりのある暮らしができるでしょう。
東京から地方へ転職する場合の転職活動の流れ
東京から地方への転職となると、転職活動は距離の分だけハードワークになります。そこで、地方への転職活動の大まかな流れとポイントをおさらいしておきましょう。
STEP1:在職中に転職エージェントに相談しにいく
まず最も重要なことですが、転職活動は必ず在職中から始めましょう。
本業と転職活動を並行するのは時間的にも労力的にも大変ですが(しかも東京⇔地方ならなおさら)、それでも現職を捨てないでおくことで、いざ転職活動がうまくいかないときの後ろ盾があるのは精神的にもかなり大きいです。
これが現職を退職してから転職活動を始めてしまうと、良い転職先が見つからなかったり、やっぱり転職を辞めたくなった時に後戻りできなくなる上に、転職先がなかなか決まらない焦りから妥協の転職に終わりやすくなるという絶大なリスクがあります。そのリスクについては下記記事でも詳しく書きました。
まずは、在職中に転職エージェントに相談に行きましょう。大手の総合型エージェント(
リクルートエージェント
転職エージェントは面接日の調整などもしてくれる(地方転職では超重要!)ので必ず利用しましょう。
地方転職でおすすめのエージェントについては後述で紹介します。
STEP2:面接日をエージェントに調整してもらう
転職エージェントで求人を見つけたら応募→選考というのは普通の流れ。地方への転職で壁になるのは面接です。どの程度の地方かにもよりますが、まぁ気軽に出向ける距離ではないでしょう。
なので、面接の日程調整は必ず転職エージェントに企業との交渉をお願いしましょう。そのための仲介エージェントなので。
一番良いのは、本業が休みの日に面接を入れてもらうことです。
ですが、平気で平日昼間とかに面接組まれることもあります。その場合、東京で日中仕事をしていたら当然不可能です。1社2社くらいなら有給やら早退やら使えばいいですが、何度も使えるワザではありません。
そうした場合は、交渉次第で面接を土日に組んでくれる企業もあります。が、必ずとは言えません。
電車や新幹線で数時間程度の距離であれば、平日仕事終わりの夜の時間帯で調整してもらうよう転職エージェントに伝えておきましょう。
STEP3:内定をもらったら職場に退職の意向を伝える・同時に新居探し・引っ越し
転職活動がうまくいって意中の企業から内定がもらえたら、今の会社に辞表の意思を伝えます。この際に、内定先には、引き継ぎなど諸々の処理で入社まで1ヶ月程度の期間をいただくことを事前に交渉しておきます。
この1ヶ月程度の間に、今の会社とはケリをつけます。
いきなり辞めるといったら揉めるケースも多々あります。一応、法律上は2週間前までに辞意を伝えればOKとなっていますが、会社によっては一ヶ月前でも難色を示したり「常識がない」とキレらることも……。
とはいえ、1ヶ月前であれば常識の範囲内ですし、会社に拒否権はないので、そこは覚悟を決めて辞めるしかないです。
そして、この1ヶ月の間に転職先での新居探しも行います。内見などで現地に出向く必要があるので中々のハードワークになるでしょう。
また、賃貸物件は予約キープは基本できない(契約を決めたら入居まで2週間くらいしか待ってくれない)ので、東京の自宅を引き払う前に新居での家賃が発生することもあります。当然ながら日割り計算になるので1ヶ月分丸ごとではないですが、こればかりは仕方ありません。
退職の意向も伝え、新居も決まったら、引き継ぎ業務や引っ越しを片付けたのち、地方での新生活がスタートです。
東京から地方への転職で利用したい転職エージェント
地方への転職は、東京に比べるとかなり情報が少ないです。なので、コネやリファラル採用以外では転職エージェントを活用するのが必須になるでしょう。
転職エージェントとは、専門の転職コンサルタントが付いて案件紹介から相手企業との交渉までを全て仲介してくれるサービス。前述した通り、転職エージェントは面接日の調整や給料交渉など、相手企業との調整を代理してくれるので地方転職では必要不可欠になります。
転職者側は無料で利用できるので思う存分にお世話になりましょう。
転職エージェントは大きく分けると、あらゆる業界・職種の案件を取り扱う「総合型」と、特定の業界や職種に特化した「専門型」の2種類に分かれます。
まずは求人数の多い総合型のエージェントをいくつか登録しておき、気になる求人があればその領域の専門型エージェントにも話を聞きにいく……というスタンスでOK。
総合型エージェントは大手であれば全国展開しているので、以下の大手エージェントは利用しておきましょう。
利用すべき転職エージェント
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リクナビNEXT
/ リクルートエージェント (業界最大手)
転職サービスの最大手で求人数が圧倒的に多い。総合型エージェントとして最初に必ず登録しておくべき2つ。リクナビNEXTで案件を探して、リクルートエージェントに相談に持っておくのが○ -
パソナキャリア
全国展開している大手転職エージェント。「IT・通信系」「メーカー」「医療・福祉医療」「営業」といった分野に専門特化したキャリアアドバイザーを置いている。
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doda(デューダ)
CMでもお馴染みの大手転職エージェント。全国の求人をカバーしており、揃えている求人数は国内最大級。転職コラムや市場調査データといったコンテンツも充実しており、転職の際に役に立つ情報を多く持っている。
転職エージェントは相性の良い優秀な担当者に出会えるかが最も重要です。必ず複数のエージェントに話を聞きにいき、相性の良いと思ったところを残していくようにしましょう(相性が悪いと思ったら切ってよし)。
続いて専門型エージェントですが、とりわけIT業界については専門型エージェントが非常に多いです。IT転職を視野に入れるなら専門型エージェントの利用も必須になります。以下を参考にしてください。
IT転職で利用すべきサービス
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WORKPORT(ワークポート)
(IT総合)
IT専門エージェントとして10年以上の歴史がある大手。未経験もOK。ITの中でもエンジニアから企画、営業まで総合職種に幅広い求人あり。非公開求人も多い。現在はITのみでなく総合型に拡大。
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レバテックキャリア
(エンジニア向け)
男性エンジニア・クリエイター向けの特化型エージェント。業務経験ありの人向け。男性エンジニアの転職率が非常に高い。非公開求人多い。
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GEEKLY(ギークリー)
(ソーシャルゲーム)
IT・WEBやソーシャルゲーム業界に強い特化型エージェント。エンジニア・クリエイターの割合多め。非公開求人も多い。ゲーム業界を視野に入れるなら登録必須。
もちろん、これら専門型エージェントも転職者は無料で利用できます。
実際に転職まで至らなくても、話を聞いたり相談しにいくだけでも有効活用できるので、より条件の良い転職成功のために使えるものは惜しみなく使いましょう。