フリーターが正社員就職をしようとするとき、パソコン知識のなさを不安に思う人が多い。
最近の10代〜20代はスマホネイティブ世代なので、そもそもパソコンを使わない人も急増しているそうだ。そのためパソコンの基本的な操作や、Excel/Wordといったお馴染みのソフトも使えない。
なので就活に際して、パソコンの知識を覚えておこうとか、パソコンの資格を取っておいた方が就活に有利なんじゃないかと考えているフリーターに向けて記事を書きたい。
まず、元採用担当だった私の意見を最初に言っておくと、
ほとんどの人はパソコン知識とか別になくていい。
パソコン知識なんて習得してる時間があれば、1年でも半年でも若いうちに就活しておけ
というのが私の基本的なスタンスである。
とはいえ、一言に「パソコン知識」と言っても幅広い。
ファイルやフォルダの作成といった基本操作から、Excel/Word/パワポといったオフィスソフトの操作、ホームページの作成や、もっと専門的になるとプログラミングまで入ってくる。
また、目指す企業がIT業界なのかそれ以外か、職種はエンジニアなのかそれ以外か、でも話は変わってくる。
その辺りを細分化して、下記でもう少し詳しく書いていきたい。
【最初に】フリーターの正社員就職で一番評価されるポイントとは……
最初に、フリーター就活で一番大事なことを先に言っておきたい。
フリーターを正社員採用するときに一番評価されるポイントは、パソコンの知識でも資格の有無でもない。
ずばり、若さである。ここが一番大事。
繰り返すが、パソコン知識や中途半端な資格を取るのに時間をかけるくらいなら、半年でも1年でも若いうちに就活すべきなのである。
とくに、20代という黄金時代は1年1年に大きな価値がある。1歳でも若い方が就活では有利なのだ。
正直な話をしよう。大体のケースにおいて、フリーターを正社員採用する時点でハナから「スキル」なんて期待していない。本当にスキルを持つ優秀な人材が欲しいなら、他社から正社員転職で採用するからだ。わざわざフリーターを採用する理由がない。
ではフリーターを正社員採用する狙い目は何かというと、安い人件費で雇える正社員が欲しいのである(それか、正社員転職では誰も来てくれないほどのブ○ック企業か…)。
フリーターからの就職なら一番下の安いポジションで採用できるし、若ければ若い方が年功序列的に安い給料で雇える。それに、若い新入社員の方が既存の社員たちとも摩擦を起こさず打ち解けやすい理由もある
だから一番下っ端になる社員は、なるべく若い方が職場が円滑になるのである
業務上で必要になる最低限のPCスキルなんて、1ヶ月も教育すれば叩き込める。もともとPC知識のある28歳フリーターを採用するより、PCスキルがなくても25歳を採用して1ヶ月で基礎を叩き込んでしまった方が人件費(給料)の安い兵隊ができあがるので企業には好都合なのだ。
つまりそれほど、フリーターで正社員採用されるには”若さ”こそが最大の武器なのである。
実情として、フリーター就職専門の転職エージェントの「
ハタラクティブ
参考
公式HP
ハタラクティブ
利用者のほとんどが20代かつ、半数近くが正社員経験なし。それでも1000件を超える未経験OK求人を揃えているフリーター専門エージェントの最大手。
他のフリーター専門エージェントもほとんどが「29歳以下限定」だ。この意味を考えてみると、転職エージェントの支援を持ってしても30歳以上のフリーターを就職させるのは難しい(=ビジネス的に割りに合わない)ということだろう。
それほど、フリーター就職には年齢の壁が立ちふさがるのである。
参考30歳フリーターの悲惨な末路。20代でなぜバイト人生を続けてしまうのか?
ということを踏まえた上で、本題であるPC知識の評価基準について書いていく
【IT業界以外】一般的な企業なら就活時にパソコン知識の有無など関係ない
まずITを専門としない一般的な企業の場合。とはいっても、今の時代は仕事でパソコンを使わない企業はないので、業務上は最低限パソコンを扱えることは必須だ。
その上での話である。
正直、フリーターを採用するのに「パソコン知識があるかないか」で合否の判断が分かれることなんてそうない。
繰り返すが、フリーターを採用する時点で「スキル云々」にそこまで期待していないし、業務上で必要なスキルがあれば採用してから短期間で叩き込めばいいだけの話なので。
仮にパソコン知識をいっぱい勉強して「私、ITパスポート(※)持ってるんです!」と言ったところで、「それは凄いね!採用!」なんてまずならない。「あらそう」程度で終わるだろう。
ある程度勉強すれば誰でも取れるような「メジャーな資格」ほど、持っている人も多いので価値は低い。
とはいえ、仮にPCの基本操作ができるか問われた際に、「パソコンは苦手です。ExcelもWordもまったく使えません!」なんてバカ正直に言う必要はない。そこは「はい。できます!」と言っておいていい。
嘘をつけという意味ではなく、「できる!」と宣言しちゃってから実際に覚えればいいのである。
その場で抜き打ちテストがあるわけじゃあるまいし、面接では「できる」と言っておいて、受かったら入社までに必死こいて覚えればいい。元採用担当していた私が言うので間違いないです(笑)。
PCの基本操作はもちろん、WordやExcelも基本操作はテキトーに本を買って1週間も触れば大体こなせるようになる。少なくとも、就活する前の準備として時間をかけるようなものではない。
※ITパスポートとは?
ITパスポートとは「情報処理技術者試験」のうち最も簡単な資格。
IT系の資格ではかなりメジャーで応募者が累計80万人くらいいるのだが、メジャーで持っている人が多い資格なだけに正直そこまで就活で武器になるわけではない(少なくとも私はそう思っている)。
公式HPITパスポート試験
IT業界の場合、WEBでの制作物があると評価される可能性もある(が、ほとんどない)
IT企業への就活だと、「WEBサイトを運営しています」とか「月間○○万PVのブログを運営しています」といったWEBでの具体的な制作物が出せると、多少は評価される可能性がある。
とはいえ、ただ「アメブロをやってる」とか「ホームページを持ってる」くらいだと毛ほどの評価にもならない。「WordPress(※)を使ったブログを運営しており、月10万PVあります」くらいが言えれば、それなりにWEBの知識があることが伝わるので面接官的には好印象になる。
※ WordPress(ワードプレス)は、WEBサイトやブログが作れる専用ソフト。プログラミング不要で誰でも使えることで人気。いまや世界中のWEBサイトの30%がWordPressで作られている。
ただし、こう聞いて「よっしゃ!就活の準備としてWordPressでブログサイト作れるようになろう!」と勉強を始めるのも非効率的なのでおすすめしない。
まず「WordPressでブログ(WEBサイト)が作れる」こと自体にはさほど価値がない。最低限のカタチとしてブログサイトを立ち上げるだけなら、今や素人でも2〜3日もあればできるからだ。
それでも一昔前なら「WordPressでサイト作ってます」と言えば希少価値があったが、副業時代になった現在はWordPressでブログを持つ人が爆増してしまったため、もはやWordPressが多少触れるくらいでは稀少性が薄まってしまったのである。
また、「月10万PV」くらいの実績が出せれば、ある程度はWEB集客のスキルや知識があると評価できるが、月10万PVのブログを作るとなると中々のセンスと時間が必要になる。1年で達成できたら素質があるレベルだろう。
アメブロの統計によると、8割のブログは月1000PV以下とのこと。月10万PVがどれくらいハードル高いかわかる。
つまり結論をまとめると、IT企業の就活であっても「WordPressでサイトやブログが作れます」くらいのアピールはそこまで評価されないと思っていい。WordPressでサイトを立ち上げるなんて初心者でも2〜3日でできるようになるし、ブロガーが増えてWordPressを触っている人なんて今どき珍しくともなんともないからだ。
もちろん、アピール自体はタダなのでサイト運営やブログ運営の経験があれば積極的にアピールして良いと思う。ここで言いたいのは、「就活前の準備としてサイト制作の勉強をするのは無駄(とは言わないけど非効率)」ということである。
そんなことに時間を使うなら、1年でも1ヶ月でも若いうちに就活をスタートさせた方がいい。
プログラマー(エンジニア)就職が希望ならプログラミングスキルは必要
プログラマーとして就職したい場合は、さすがに「プログラミングが全くできません」では厳しい。
よく「未経験可」という募集要項に期待を持つ人がいるが、それは「(業務経験は)未経験でも可」であって、「プログラミング未経験可」の意味ではないので注意しよう。
プログラマーの求人に応募したい場合は、独学なりスクールに通うなりして最低限のプログラミングスキルは身につけた上で、アプリなりWEBサービスなり何かしらの制作物を持っておいた方が良いのは言うまでもない。
ちなみにこちらの記事「【就職も有利】フリーターがスキル付けるならプログラミング一択!独学学習サイトからスクールまで紹介する」で詳しく書いた通り、私はフリーターが何かスキルを身につけるならプログラミングを一番おすすめしている。
理由としては以下の通り。
プログラミングがおすすめな理由
- 一見難しそうだが、基本は小・中学生でも学んでいるレベル
- IT業界は人手不足 & 成長市場なので習得すれば食いっぱぐれない
- 自分でサービスを作って起業もしやすい。そして当たればデカい(サービス売却で億単位の大金を手にできる)
まぁとにかくこれからのIT時代、プログラミングができれば食いっぱぐれることはない。IT業界はどこも圧倒的人手不足なので優秀なエンジニアなら引く手数多だし、プログラミングができれば独立・起業もしやすい。
上記の記事でも紹介したが、個人がたった4時間で作ったWEBサービスが、わずか1ヶ月後に企業に数億円で売却成功したなんて話もある。一発のアタリで億万長者になれる可能性があるなんて夢のある世界だ。
プログラミングは独学で勉強するのもいいが、中々の時間と根気がいる。挫折する人の方が圧倒的に多い。
「フリーター就職は若さが大事」という意味でも、有料のプログラミングスクールに通って短期集中で習得してしまった方が時短はできるだろう。免許合宿のようなものである。
「Tech Academy (テックアカデミー)
その他、フリーターのプログラミング習得におすすめの学習サイトなども下記記事で紹介しているので、プログラマーを目指す人はぜひ参考にして欲しい。
まとめ
最後にまとめると、プログラマーでもない限り、フリーター就職に際して時間をかけてパソコン知識を身につける必要なんてない。
WordやExcelも含め、一般業務で使うレベルの操作知識なんて1週間も勉強すれば詰め込めるので、面接ではとりあえず「できる」と言っておいて後から必死に詰め込めばいいのである。もしくは就活と同時進行で勉強しておけばOKだ。
就活前の準備としてパソコンスキルを勉強しようなんて時間の無駄でしかない。そんな誰でも身につけられるスキルなら「できます」と言ったところで毛ほどの評価もされないし、その時間のぶん少しでも若いうちに就活をスタートさせた方がはるかに有利だ。
自己PRや履歴書の書き方なんかについては転職エージェントで添削してもらえるので、キャリアコンサルに見てもらってアドバイスを貰うことを忘れずに。
※転職エージェント(転職支援会社)は、フリーター就職専門にしているエージェントが複数あるので、必ずそちらを利用すること。代表的なエージェントは下記の通り。どこも無料で利用できる。
20代フリーターが利用すべき転職サイト
- 社会人経験なし・未経験に強い「ハタラクティブ
」 - リクルートグループ運営の「就職Shop」
- 39歳以下まで利用できる「JAIC(ジェイック)
」 - 国内最大の転職サイト「リクナビNEXT」