フリーター歴が長いと正社員就職で不利になる?元採用担当の正直な答え

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フリーター歴が長いと就職では不利になる

まず結論を言ってしまうと、一般論として「フリーター歴が長いと就職に不利」ということは言える。

なぜなら多くの会社において、フリーター歴が長い人をわざわざ採用するメリットがないからだ。

フリーターと一口に言ってもピンキリがある。正社員を退職して一時的な期間フリーターだった人もいれば、正社員歴ゼロでバイト以外したことがないという生涯フリーターもいる。

両者を比較すると、とんでもない美人でもない限り生涯フリーターをあえて採用する理由がないのである。

私は採用担当の仕事をしていた経験がある。中小企業だったのでフリーターの応募もさほど珍しくない数があった。そんなわけでこの辺の事情には少なからず詳しいので、私の主観で正直なところを書きたいと思う

フリーター歴が長いと書類審査の段階で見向きされない

まず一般論として書いていこう。

「フリーター歴が長い」と言っても具体的に何年ならアウト? という話なので、私の経験上のイメージ基準を設定するとすれば、

  • 20代後半以上
  • フリーター歴5年以上

この2つが揃ってしまうと苦しいラインと言える。基本的に書類審査で落とされることがほとんどになる。

なぜか?

繰り返しなるが、シンプルに上記条件に当てはまるフリーター歴が長い人を採用するメリットがないからである。むしろ、デメリットの方が大きい。

まず何よりコストが高くつく

何も経験がないゼロの状態から教育するコストがかかるし、フリーター歴が長いと年齢もそれなりなので給料だって若い人材に比べて高くなる。日本社会は未だに年功序列の仕組みが根付いているので、年下より年上の方が給料は高くつくのだ。

それなら、もっと若くて人件費の安く済むフリーターを採用した方がいいし、あるいは正社員経験があって最低限の社会人スキルが抜け落ちていない(フリーター歴の浅い)人を採用した方がいいという結論になる。

年齢で言えば、まだ20代前半の若者フリーターであれば若さだけで採用してくれる企業は腐るほどある。あるいは20代後半以上でも、正社員経験があってブランク3年(この記事でいうフリーター歴)くらいであれば、ブランク期間のみで問答無用のペケにされることはないだろう。

ちなみに……

フリーターの正社員就職は30歳以上になると問答無用で極端に難しくなる。

フリーターが許されるのは29歳以下まで」という理由については下記記事に詳しく書いた。

参考記事「フリーターは何歳まで許されるのか?」に対する答え

……とまぁ、ここまではあくまで一般論の話である。

就職面接なんて「印象」が全てである

実際には、フリーター歴が長くても正社員就職に成功する人はごまんといる。では、落ちる人と通る人の違いは何か、突き詰めていえば「印象が全て」である。

私は経験者として声を大にして言えるが、採用面接のたかだか數十分でその人の能力を推し量ることなんてまず不可能だ。結局、採用不採用の決め手なんて面接官が心に抱いた印象が全て。正直めちゃくちゃ漠然としたものなのである。

例えば、同じ「正社員経験ゼロ」でも、コンビニバイトだけやってきた人間と、引退したアスリートとでは印象も採用結果もまるで違ってくる。この例は極端だが。

では例えば、ずっとバイトしながら舞台役者を続けてきた人ならどうだろうか?

もし私が面接担当であれば、もしかするとSNSやYouTubeでチラッと名前を検索して動画を探してみるかもしれない。そこで堂々と舞台で役者を演じる姿を見せられたら「営業で使えるかもなぁ」と感じるかもしれない。

実際に、元役者や元お笑い芸人が夢を諦めたあとに企業の営業マンになるケースは珍しくない。それは、「役者や芸人やってた人なら体力もあるだろうし、トークもできそうので営業に立たせても問題ないかも」という”なんとなくの印象”があるからである。

こうした「何かしらの印象」を残せる人であれば就職では強い

長いフリーター歴の中で何をしていたか? そこに語れるストーリーがあるかが重要だ。

ただ何も考えずコンビニバイトをしてきた人と、バイトをしながら何かしら夢や目標に一生懸命取り組んできた人とでは、同じフリーター歴の中でも「語れるストーリー」が全然違う。

当然、語れるストーリーを持っている人の方が面接官に何かしらの印象を与えやすいので就職では有利に働きやすいだろう。

職歴なしでフリーター歴が長い場合はどう就職活動すればいい?

目的もなくフリーター歴を重ねてしまった場合、就職活動で不利になりやすいのは否めない。しかし、それでも正社員になりたいという気持ちを諦める必要はない。可能性がゼロなんてことは絶対ないので、できる限りの就活をする以外に道はない。

では、具体的にどう就活すればいいか?

1. フリーター就職に強い転職エージェントを片っ端から利用する

まず、転職エージェントに片っ端から登録する。

転職エージェントというのは、プロの転職コンサルタントが就活のあらゆる面をサポートしてくれるサービスだ。求職者は無料で利用することができる。

エージェントがしてくれること

  • 就職の相談
  • 求人案件の紹介
  • 履歴書の書き方指導
  • 面接の指導(模擬面接)
  • 企業との給料交渉・スケジュール調整

転職エージェントというと「 リクルートエージェント 」や「 doda(デューダ) 」が有名だが、これらはどちらかというと正社員転職がメインなので、ここでは置いておく。

フリーターなら、フリーター就職に強い専門の転職エージェントがあるので必ずそっちを利用すること。

公式HP ハタラクティブ

フリーター就職で最大手の「 ハタラクティブ 」なんかは、利用者の半数以上が”社会人経験なし”のフリーターだが、1000件以上の求人数を誇り、就職内定率は80%を超えている。

他にもフリーター就職に強い転職エージェントは下記の通り。どれも無料で登録できるので、これらは全て利用しよう。

20代フリーターが利用すべき転職サイト

もっと詳しく20代フリーターの正社員就職で利用すべき転職サイト・転職エージェントまとめ

登録したら、まずは就職相談に行く。自分の現状のスペックで、どんな求人案件が紹介してもらえるのかチェックしよう。まずはそこからスタートである。

おそらく、特別な経歴もなくフリーター歴が長いだけだと紹介される案件も限られてくる。なので、3〜4社は相談にいってなるべく多くの話を聞き、多くの求人をチェックすること(1社のみだと1件とかしか紹介してもらえなかったり、最悪は紹介できる案件がなかったりもするからだ)。

履歴書の書き方や、面接で何を話せばいいか分からないなどフリーターにありがちな悩みも、転職エージェントの担当者が指導・添削などしてくれるので、プロに相談しながら作戦を立てればOKだ。

就職で狙うべき会社・業界のポイントは”たった一つ”

圧倒的な人手不足

の業界・会社だ。

スキルも経験もなくフリーター歴だけ長い人間が、それでも求められるとしたら「人手不足」以外の理由はそうそうない。

例を挙げると、代表的なのは介護職IT業界だろう。

どんどん進む超高齢化社会に向けて、介護職員の人手不足は深刻どころじゃない危機的状況に陥っている。もはや体力のある若手なら無条件で欲しいくらいではないだろうか。

お察しの通り、介護職は「やりたくない仕事」の筆頭である。しかし、そこしか希望がないならしょうがない。一度、介護職の正社員になって職歴をつけてから、正社員転職で別業界へというキャリアを目指すのが現実的ではないだろうか。

もちろん、介護以外にも可能性がある業界・会社はあるだろう。その辺りも転職エージェントとよく相談して色々な求人そして可能性を探ってみるのが良い。

 

また、IT業界も人材不足が深刻化している。これは時代が総IT化へ激動しているためだ。

転職の狙い目|今後衰退する職業・伸びる業界」という記事でも書いたが、人口減少により経済の縮小が懸念される日本においても、需要が減るどころか増え続けるのがIT人材である。

上記は産業別の就業者数だが、多くの産業が人口減しているのにIT業界(情報・サービス業)だけが逆行して増えているのが分かる。

とはいえ、IT業界はとくに技術職だと専門性が高いのでスキル・経験ゼロのフリーターが就職するのは難しい。可能性としては営業だったりヘルプデスクだったり事務といった職務になるだろう。

IT転職については下記記事で詳しく書いたので、IT業界に興味があれば参考にしてほしい。

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