「第二新卒」とは比較的最近出てきたワードで明確な定義がなされているわけではありませんが、一般的には以下のような属性の人たちを指します。
- 新卒入社から3年程度
- 年齢24歳〜27歳あたりまで
企業によって定義の幅に若干差がありますが、概ね「社会人を2、3年経験している25歳前後の若手ビジネスマン」のことだと思っておきましょう。
そしてこの第二新卒という属性は、転職マーケットにおいては非常に需要が高く、最も転職に有利なボーナス時期と言っていいです。
サラリーマンとして大きなキャリアチェンジやキャリアアップを目指すなら、この時期が正念場。自身の望むキャリアについて真剣に考えておくべき大事な時期です。
今回は「第二新卒の就活・転職」をテーマに、
- なぜ第二新卒はメリットがあるのか?
- 一般的な転職や新卒就活とは何が違うのか?
- 第二新卒がキャリアアップを狙う最大最後のチャンスであるワケ
といった点をまとめて書いていこうと思います。
第二新卒のメリット|なぜ転職において有利なのか?
25歳〜28歳は企業が最も欲しがる人材層であり、第二新卒は業界問わず「引くあまた」な存在です。
企業がこれほど第二新卒を欲しがるのは主に下記の理由からです。
- 社会人の基本マナーやスキルは習得済みで教育コストが不要
- 一企業の風土や文化に染まりきっていない柔軟性がある
- 新卒採用で取りこぼした優秀な若手を確保したい
第二新卒は企業にとってコスパが良い買い物
第二新卒の人材は企業にとって非常にコスパが良いです。社会人を2、3年経験していれば最低限社会人としての素養は備えているので教育コストが必要がなく、まだ一企業の風土に染まりきっていないので何色にも染められる柔軟性も残っている。そして20代半ばであれば給料(人件費)も安い。
まさに企業からすれば第二新卒はお買い得な人材にあたるわけです。新卒で取り損ねた優秀な若手人材をここで確保しようという数多の企業が、このセグメントの人材を狙っています。
これが社会人1年目未満とかになると、まだ社会人としての基本(ホウ・レン・ソウ的な)すら危うい人がうじゃうじゃいますし、逆に30歳にもなるととその人の仕事スタイルや価値観的なものに最初の企業の色が濃く反映されてしまっているので、新しい社風に馴染みにくくなってきます。
良くも悪くも、その人のビジネススタイルが確立されるのは社会人3〜5年目くらいなので、企業側としてはこの時期に優秀な人材を採用して自社色に染めてしまいたいという意向があります。
入社1年未満での短期退職はNG。理想は3年働いてから
第二新卒の定義で「入社3年以内」と言われることもありますが、入社1年未満の退職はアウトです。1年も満たずに辞めてしまうと大体どこも本人の資質を疑います。
「自分で選んだ道を1年も続けられないヤツ」のレッテルを貼られるので、むしろ印象悪くなり転職に不利になるのは間違いありません。
第二新卒でもっとも好印象なのは最初のところで3年働いた人ですね。このゾーンが最も歓迎されます。2年以上働いた人もまぁまぁ。
- 3年働いて転職がベスト。
- 2〜3年の間ではなるべく長く働いてからがベター。
- 1年未満で転職は最悪。
もし、新卒入社して1年未満〜2年ですでに辞めたいと考えている人は下記記事をお読みください。
第二新卒の転職と、一般転職や新卒就活との採用基準の違いは?
第二新卒と一般転職(アラサー以上)の違い
一般的に採用において、新卒採用は「ポテンシャル採用」、中途採用(つまり転職)は「即戦力採用」とされています。
意味は文字どおりですが、新卒のポテンシャル採用では「何ができるか」よりも、「どういう人間か(資質や適正)」や「どんなビジョンを持ってるか(意気込みや志向性)といった将来的なポテンシャル・整調性を基準に採用するのに対し、
アラサー以降の中途採用、つまり転職においては即戦力が前提となるので、「何ができるか」「何をしてきたか」といった現在のパラメータが評価基準になり、とくに30代半ば以降になれば「マネジメント経験」が必ずと言っていいほど問われます。つまり部下を持って仕事をしてきたかどうかです。
- 新卒就活:ポテンシャル(将来成長性)が評価基準
- 一般転職:即戦力性(実績やスキル)が評価基準
では、第二新卒の採用基準はどうなのかというと、実績も加味されつつポテンシャルの評価比重が高いです。
20代半ばであればマネジメント経験はほぼ問われませんし、所詮は社会人2・3年程度のペーペーなのでさしたる実績がないのも当たり前です。それよりも新卒時のような「姿勢」や「ビジョン」の方に比重が置かれます。
平たく言えば「何をしていきたいのか」というビジョンが明確かどうかといった点は重要です。ポテンシャル採用とはいえもう学生ではないので、志望動機として自身が仕事を通して実現したい「WILL」は明確に伝えられなければなりません。
あとは何色にも染まっていない柔軟性も見られますね。風土の違うやり方に対応できるか、新しい上司のアドバイスを素直に聞けるか、といった具合です。
第二新卒と新卒の就活の違い
ポテンシャル比重多めということで新卒採用に近い評価基準ではありますが、新卒と同じ気分でいると失敗します。第二新卒と新卒の明確な違いは、社会人としての基礎スキルを身につけているかどうかです。
社会人スキルというと明確な定義はないですが、基本的なホウレンソウやビジネスマナー、そしてデータ入力や資料作りのための最低限のWord・Excelの使い方など、研修期間や1年目で習うようなことです。
企業側からすれば、まだまだピチピチの若手社会人でありながら基礎研修などの教育コストが要らないからこそ、第二新卒がお買い得なのです。
なので、ビジネスマナーや最低限のビジネススキルは持っている前提です。もしWord・Excelに不安がある人などは、あらかじめ勉強を進めておいた方が確実に良いですね。
まとめると第二新卒における転職の特徴はこんな感じ▼▼
【第二新卒転職の特徴】
- マネジメント経験やスキルよりも、柔軟性やポテンシャルを重視される
- しかし新卒就活とは違い、基本的な社会人スキルは備えている前提
第二新卒はキャリアを大幅に飛躍させる最大最後のチャンス
転職で年収アップを狙える最大のチャンス!
20代半ば〜後半での転職は、全年代の中で最も年収アップが成功しやすいとされています。転職支援サービス doda(デューダ) の資料によると、転職で年収アップした年代別データがこちら。
ご覧の通り27歳〜29歳で年収アップした人の割合はピーク達し、30歳を超えてくると一気に下がっていくのがわかります。
続いて、具体的な平均年収アップ額と上昇率については下記グラフの通り。
アップ額については年上になるほどベースになる年収額が高いので額は大きくなりますが、重要なアップ率についてはやはり25歳〜29歳をピークにどんどん下がっていきます。
このデータが示すように、転職によって年収アップを成功させたい/できるだけ年収アップ率を高めたいのであれば、20代後半の第二新卒が最大のチャンスであることがわかります。
転職で年収アップ・キャリアアップを狙うならこのボーナス時期を見逃す手はありません。
大幅なキャリアチェンジをする最後のチャンス!
サラリーマン人生を前提とした場合、30代を超えてからの未経験職種への転職はかなり厳しくなります。30代以降の転職は基本的に20代で築いたキャリアの延長にしかありません。
3年以内の短期退職はバツが付くことを考えると、20代半ばでの第二新卒転職は、大幅なキャリアチェンジが可能な最大のチャンスであり、同時に「最後のチャンス」だと言えます。(※もちろん、あくまで一般論)
新卒時なら「自分のやりたいことが分からないどうしよう」なんて皆んなの悩みですが、社会人2〜3年も経験すれば仕事に対する価値観や考えも人それぞれ確立してくるので、自身の望むキャリアパスは明確にしておくべき。
新卒でとりあえず選んだ道がちょっと違うと思ったら、ここで大きくキャリアチェンジをしておきましょう。
「やりがいのある仕事」を求めた年収ダウン転職も28歳くらいまで
先述の通り、30歳以降の転職では基本的に年収アップは厳しくなります。30代になって一度キャリアダウン(年収ダウン)で転職してしまうとその後の再起はハードルが高いです。
大企業から中小企業へはいつでも行けるけど、その逆は難しいということですね。
年収ダウンでも転職しようとする人は、仕事に「やりがい」を求めて転職する人が多いです。「年収は多少下がっても良いからやりがいのある仕事に転職したい」というパターン。
これはこれで良い価値観ですが、それなりの企業からそれ以下の中小零細への転職、すなわち年収を大きく下げるような転職は、20代半ばのうちに済ませるのがベストです。
20代の若さであれば年収ダウンで未経験ジャンルに移っても、その後に業界大手へのキャリアアップを目指すことは十分可能です。しかし30代にもなるとこれが難しく、ステップアップを前提でまずは中小に入ったのに結局それ以上いけずに頭打ち……みたいな悲惨なことに。。
人生におけるプライオリティで「仕事のやりがい」を最も高くおくのは20代〜30歳くらいが多いですが、30代も半ばを過ぎて家庭を持つようになると、人生における優先順位は一転して仕事よりも「家族」や「子供」が上にくるケースが多いです。
30歳では「やりがい」を最優先して年収ダウンの転職をした。その後に家庭を持ち子供も生まれ、仕事のやりがいより「家族の生活」が最優先になった頃には年収は頭打ち……。
家族を養うために色々切り詰めながら、「こんなことなら年収ダウンの転職しなきゃよかった……」と後悔するのはもはやテンプレートです。
仕事にやりがいを求めるのはOK。
「好きな仕事で生きていく」を求めるのもOKです。
ただし、サラリーマン人生を歩むつもりならそれを言うのは20代まで。理想のレールはできれば第二新卒のうちに見極め、乗り換えやすい時期にしっかり乗り換えておきましょう。
第二新卒が使うべき転職エージェント
最後に第二新卒での転職で利用しておくべき転職エージェントについても紹介しておきます。
第二新卒だと初めての転職活動になる人も多いかと思いますが、転職エージェントは必ず利用しておきましょう。簡単に説明しておくと、無料で以下のような転職サポートをしてくれます。
- 転職に関する相談対応
- 求人案件の紹介や推薦
- 書類の書き方や面接の指導(擬似面接など)
- 給与交渉や企業とのスケジュール調整など
あなたの転職活動に優秀なコンサルタントが付いてくれると思えばOKです。
転職エージェントは採用企業側から報酬をもらう仕組みなので、求職者側は完全無料で利用することができます。これを使わない手はありません。
まずは在職中に一度無料相談に行ってみて、お試しで転職活動をしてみましょう。企業側とのスケジュール調整もエージェントが代行してくれるので、在職中でも活動しやすいです。もし良さげな転職先が見つからなければ辞めればいいので、動いてみて損はありません。
ひとまず最初は業界最大手の リクルートエージェント に登録しておけば問題ありません。まずは無料相談して話を聞いてみましょう。
転職エージェントについてもっと詳しくは下記記事を参考に。
まとめ
第二新卒は業界問わず、外資も含めてどの企業も欲しがる人材ゾーンです。この時期のチャンスを掴めば、飛躍的なキャリアアップや大幅なキャリアチェンジも可能でしょう。
新卒就活のように野望や野心といった「やる気」の全面アピールのみで臨んでしまう人が結構多いのですが、あくまで「第二新卒」は地に足つけた社会人として最低限の素養は求められます。
社会人の立ち位置は決して忘れずに、貴重な第二新卒の転職を成功に導きましょう。
【おまけ診断テスト】自分の「才能」に気づいていますか?
仕事ができるビジネスマンと出来ないビジネスマンの差は、意外と「自分の才能・資質を知っているかどうか」だけの差だったりします。
仕事ができる人ほど「自分が得意なこと」を仕事にし、仕事ができない人ほど「自分が好きなこと」を仕事にしようとします。
仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。
仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。
仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人。
「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。
世界最高のサッカー選手であるリオネル・メッシは、FW(フォワード)というゴール前20m四方のエリア内でのみ世界最高の選手でいられます。彼は誰よりもディフェンスをしません。なぜか? その仕事場以外では平凡な選手だからです。
つまり「仕事ができる人間」とは、「得意な場所で、得意な仕事をしている人」なのです。
あなたは、自分の才能がどこに向いているのか把握していますか? 本当はドリブルやシュートが得意なのに、なぜかディフェンスポジションで仕事をしているせいで「仕事ができない人間」になっていませんか?
自分の得意な場所(才能や資質)を探すには、才能診断テストを受けてみるのが確実です。
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