30代で未経験職種への転職成功が厳しい理由。業種と職種の違いは大きい。

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30歳を超えてから未経験の職種に転職したいと考えている人には、予め厳しいと言っておかざるを得ません。

一般的に30代を超えてからの転職は、20代で築いたキャリアの延長線上にしかありません。なので、未経験の職種にジョブチェンジしたいなら20代のうちに、というのが転職マーケットの定説です。

可能性ゼロというわけではないものの、未経験職種への転職では給与レベルを含む大幅なキャリアダウンは免れないでしょう。

また一部混同されがちですが、未経験の職種ではなく「業種」への転職であれば比較的成功率は高くなります。

「職種と業種って何が違うの?」

そんな基本的な点から、未経験職種への成功率を1%でも上げる方法まで詳しく書いていきます。

目次

職種と業種の違いって? 同じ未経験でも転職成功率は全然違う

「仕事の種類」と「業界の種類」

まず、「職種」と「業種」をごっちゃにしている人が多いので、ここを最初にはっきりさせておきます。

職種と業種の違いは下記の通り。

メモ

「職種」……営業、事務、経理、プログラマなど仕事の種類

「業種」……IT業界、医療業界、不動産業界など業界の種類

「未経験”職種”への転職」というと例えば、営業からCMディレクター、プログラマーから人事コンサルタントなど、職種ごとジョブチェンジすること。

「未経験”業種”への転職」といえば、不動産の営業からメディカル業界の営業へなど、職種はそのまま業界を移動すること。

職種チェンジと業種チェンジでは転職の成功確率も大きく変わってきます。

同じ未経験でも、未経験「職種」への転職が圧倒的に難しい!

少し古いデータですが、転職支援サービス「 doda(デューダ) 」の調査で「経験不問求人(未経験OK)の割合」を見てみると、

  • 青が「業種」経験不問の求人数
  • 緑が「職種」経験不問の求人数

見ての通り、「職種」経験不問の場合は求人数からして圧倒的に少ないです。

続いて、実際の転職割合がこちら。

https://doda.jp/guide/saiyo/004.html

未経験「業種」への転職割合が50%を超えているのに対して、未経験「職種」への転職割合は30%前後とやはり厳しい数字。

30%前後でも高いように思えますが、この調査では年代別の区分がないので30%の中には未経験有利な20代の若者が多く含まれていることが予想されます。30代以上に限定すると半分以下に下がるのではないでしょうか。

というわけで、未経験「職種」への転職はなかなかハードである(とはいえ可能性はゼロではない)ということが分かりました。

まずは以上が現実です。

30代以上の未経験職種への転職が厳しい理由

そもそも、なぜ30代を超えると未経験ではなかなか受け付けてもらえないのか? 20代でも30代でも同じ人間なのに、なぜ年齢だけで弾かれてしまうのか?

理不尽にも思えるかもしれませんが、きちんと合理的な理由があります。

30代は給与ベースが高くつく。即戦力以外は欲しくない。

最大の理由は、30代以上の人材は給料(人件費)が高くつくからです。

日本企業はまだまだ年功序列が残っているので、どこの会社でも概ね20代より30代、30代より40代の方が給料が高くなるよう給与テーブルが設計されています。

つまり、30代の社員には中堅レベルの給料を払う必要があるため、企業として即戦力になってくれないと困ります。安くない給料を受けながら「未経験なんでゼロか勉強します」では話になりません。それなら給料がまだ安い20代の人材を採用するのは当たり前ですよね。

  • 年収350万のコストがかかる未経験30代 ✖
  • 年収300万のコストで済む未経験20代 ○

「20代と同じ給料でも良いから!」と交渉可能なのか?

30代社員は給料が高くつくから……という理由なら、20代社員と同じ給料でいいと交渉すればいいと思った人もいるでしょう。

「(30台基準の)年収350万なんて要りません。20代未経験の場合と同じ年収280万円で良いのでお願いします!」

結論から言うと、この交渉もそう上手くいきません。

なぜなら、昇給モデルケースの「例外」を認めると既存社員とのバランスが崩れてしまうからです。基本的に年功序列ベースを敷いている中に例外を入れてしまうと秩序が乱れるので、企業側はこれを嫌います。

そしてもう一つ。

最初こそ「給料は20代水準で低くていい」と直談判して入社しても、仕事を覚えて慣れてくると一変して給料に対して不満を言いだす人が非常に多いのも事実です。「仕事覚えたんだから年齢に見合った給与水準に戻してくれていいんじゃないか?」と。

こうなるとかなり厄介です。年功序列で言えば昇給速度は同じなので、20代水準でスタートすれば昇給スピードも周囲の20代社員と同じなのは当たり前。でも人間だから、慣れてくるとこれが「年下と同じ待遇」に我慢できなくなってくるのです。

年下と同じ待遇に不満を抱き出した人は、次第に会社そのものに不満を持ち始めます。仕事にも不満を言い出し、手を抜き始め、周囲の社員にも悪影響を与え始める……。という負のスパイラル。

なので企業側からすれば、こうした「後々やっかいになるリスク」を抱えかねない30代未経験よりも、やっぱり20代未経験を取った方が無難で安心だよねという意思決定になります。

それでも、30代で未経験職種への転職を成功させる方法

それでも、どうにかして今の職種からジョブチェンジしたい場合はどうするべきか?

1%でも転職成功率を上げる方法を考えましょう。

前職の経験やスキルを活かせる未経験職種を狙う

最も有力な方法は、前職のスキルを活かせる異職種を狙う方法です。

例えば先に出した未経験職種への転職割合データでは30%前後が異職種への転職でしたが、この内情も、

  • 店頭販売員 → 営業
  • 技術職 → 技術営業

といったような、前職の経験やスキルが何かしら活かせる異職種へのジョブチェンジが大半です。

前職で培ったものが、次へどう活かせるのかというアピールができるのであれば、異職種でも転職成功の確率は高まります。

未経験転職の割合が多い狙い目の職種をターゲットにする

先の doda(デューダ) の調査から、未経験転職の割合が多い職種をみてみると下記の通り。

https://doda.jp/guide/saiyo/004.html

未経験で狙い目の職種TOP3

  1. 事務・アシスタント
  2. 専門職
  3. 販売・サービス系

未経験では厳しい職種TOP3

  1. IT技術
  2. クリエイティブ
  3. 電気・機械技術

狙い目の職種を見てみると、事務系や販売系は分かりやすいです。言い方わるいですが「最低限は誰でもできる系」の職種ですね。

2位の専門職はいわゆるコンサルタント系です。営業や企画を極めた人がコンサルになったり、マーケティングを極めた人がコンサルになったりなど。

一方で厳しいのは、やはり専門技術を要する職種です。これは想像に難しくないでしょう。新卒なら1から教育できますが、中途採用では教育コストがかけられないので厳しいです。

もし未経験職種への転職を狙うなら、こうしたデータもぜひ参考にしておきましょう。

またもっとマクロな視点で時代の流れを見て、今後伸びていく業界を狙うのが賢い戦略です。

とくにAIやコンピュータの劇的進化により今から10年〜20年で既存産業の勢力図は大きく変わります。多くの仕事が衰退し、代わりに多くの新しい仕事が生まれるのは間違いありません。

現にオックスフォードの研究では、今後10年〜20年の間に47%の仕事が機械に奪われ、今の子供たちの65%は大学卒業後に今は存在していない職業に就くと言われています。

その辺りのことは下記記事に詳しく書いていますので、業界選びの参考にしてください。間違っても今後ロボットに代行される業種にはいかないように……。

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プロの転職エージェントに必ず相談しよう

リクルートエージェント

公式HP リクルートエージェント

いずれにせよ、未経験での転職を検討する際には転職エージェントのコンサルタントに相談してみましょう。自分の頭でムリ・厳しいと決めつけてしまうのも勿体無いです。

転職エージェント使った経験がある人は分かると思いますが、自分が想像もしていなかった業界や会社を紹介されることがかなりあります。それは転職のプロが自分のキャリアをみて「イケる」と思って紹介しているわけで、自分が想定していたより自分の可能性はずっと広いことを気付かされます。

エージェントは色々ありますが、ひとまず下記の大手3社を登録しておけば日系企業はほぼカバーできると思うので、複数の担当者に相談して意見を聞いてみるのが先決ですね。

再就職で使うべき転職サイト/エージェント

まとめ

以上のように、30代を超えてからの未経験業種への転職は厳しい傾向にあります。できるなら、大きなキャリアチェンジは20代のうちに済ませるのが鉄則です。

それでも、どうしても未経験の職種に挑戦したいなら、ひとまず転職エージェントに相談してみてください。経験不問の求人をできるだけピックアップしてもらって、どんな職種なら前職のスキルや経験が活かせるのか考えてみましょう。

データが示すように、可能性は決してゼロではありませんから。

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【おまけ診断テスト】自分の「才能」に気づいていますか?

仕事ができるビジネスマンと出来ないビジネスマンの差は、意外と「自分の才能・資質を知っているかどうか」だけの差だったりします。

仕事ができる人ほど「自分が得意なこと」を仕事にし、仕事ができない人ほど「自分が好きなこと」を仕事にしようとします。

仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。

仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。

仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人

「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。

世界最高のサッカー選手であるリオネル・メッシは、FW(フォワード)というゴール前20m四方のエリア内でのみ世界最高の選手でいられます。彼は誰よりもディフェンスをしません。なぜか? その仕事場以外では平凡な選手だからです。

つまり「仕事ができる人間」とは、「得意な場所で、得意な仕事をしている人」なのです。

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