フリーターの平均貯金額は50万〜80万円しかない!?
格差社会がどんどん広がる中、やはり苦しい状況に追い込まれているフリーターの貯金事情について今回は記事を書いていきたい。
フリーターの平均年収は約150万と言われている。ただ、近年はアルバイトの最低時給が上がっており、東京では時給1000円が割と当たり前になっているため、最近のフリーターは年収200万以上稼いでいる人も増えていると思う。
さて、そんなフリーターは実際にどれくらい貯金できているのだろうか? まずは一般的な統計データを見てみよう。
色々な調査結果があるが、フリーターの平均貯金額は概ね50万円〜80万円という結果が出ている。
フリーターの7割近くは貯金50万円以下!
上記の就活情報誌anの調査結果だと、「平均額」こそ83万円だが、全体の67.4%は貯金50万円以下という衝撃的な結果が出ている。
貯金額の割合
- 50万円以下(67.4%)
- 50〜99万円(9.5%)
- 100万〜149万(8.0%)
※20〜34歳が対象
フリーターの7割近くは貯金額が50万円もないと言う。しかも、それは20代でも30代でもさほどは変わらない。30〜34歳でも貯金50万円以下が60%となっている。
(※フリーターの定義が「34歳以下」なので、フリーター調査も34歳までしか対象にしていない)
中には400万円など高額な人も少数いるせいで平均が押し上げられているが、そういう人は会社員を辞めてフリーターになったタイプで、貯金は会社員時代に貯めたものだろう。
一般的な平均貯金額は?
参考までに、一般的な平均貯金額も世代ごとにまとめみる。
平均値 | 中央値 | |
20代 | 183万円 | 30万円 |
30代 | 415万円 | 130万円 |
40代 | 614万円 | 300万円 |
50代 | 1124万円 | 408万円 |
参考金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査』
こうした貯金額を見るときは、「平均値」よりも「中央値」の方が実態に近い。平均値というのは、一部の高所得者(金持ち)の数字によって全体が大きく引き上げられてしまうからだ。
(フリーター限定の場合は飛び抜けた高所得者はいないと思うので、平均でも中央でもそんなに変わらない気がする……)
中央値を見ると、20代のうちはフリーターも一般水準もそう変わらない。50万円も貯金できていない人が多い。20代のうちは正社員組もまだそこまで給料が上がらないため、フリーターの収入水準と大きな差がでないからだ。
だが、30代になると差が開きはじめる。30代になると一般的にも中央値で100〜150万円の貯金額になるため、30代からフリーターとの差が2倍以上に広がっていく。
フリーターは30歳からが悲惨……というのは下記記事にもキツめに書いた通りである。
貯蓄なしのフリーターが5人に1人!(21%)
さらにライフネット生命の調査では、貯蓄なしと答えているフリーターが全体の21.3%。実にフリーターの5人に1人が貯金ゼロ(ほぼ0)の状態であるという。
貯蓄なしの割合に関しても、実は20代に関してはフリーターのみならず一般的にも貯蓄なしは結構多い。
会社員でも一部の優良企業を除けば20代の年収なんて似たり寄ったりだし、会社員は飲み会や接待・付き合いなどフリーターに比べて支出が多くなりがちなので、稼いでいても、稼いだそばから出て行ってしまうのである。
とはいえ、正社員なら基本的に年次とともに給料が上がるので、30代にもなればまともな貯蓄が自然とできてくる。フリーターとの決定的な差はそこで、フリーターは20代だろうと30代だろうと40代だろうと平均年収はさほど変わらない。年次に関係なく、働いた時間分でしか給料が増減しないからである。
そのため、貯金できないフリーターは今の生活スタイルを変えない限り、いくら年を重ねても貯金が増えることはない。
では、どうやってフリーターが貯金を増やせるようになるか?
ノーリスクでできる対策として、いくつか挙げてみよう。
まずは貯金100万円を目指す!フリーターが貯金を増やす方法
……とその前に。
個人的な考えだが、貯金が100万以下の人は、まず貯金100万円を目標に設定しよう。
なぜ100万円かというと、フリーターの収入でも十分に到達できる額だし、1つ桁がかわることで大きな達成感を感じることができるからである。
私もそうだったが、100万円という数字は一つの節目だ。実際に銀行通帳で7桁の数字を見れば達成感が湧いてくるし、何よりお金を貯めることが楽しみにすらなる。
生まれてから持ったことがない100万単位のお金は、明確にお金の意識を変えてくれる。そして断言するが、お金を持つことで自信や余裕が生まれるようになるのだ。
お金のパワーは偉大だ。ある程度のお金を持てば、あらゆる不安は和らげることができる。
ということで、以下の方法を参考にまずは死に物狂いで100万円の貯金を作ろう。
【方法1】アルバイトの掛け持ち(深夜勤の比重多め)
時給の兼ね合いはあれど、フリーターの収入というのは「月に何時間働いたか?」が全てだ。そのため収入を増やす最も基本的な方法は、最大限に勤務時間をとることである。
方法として、バイトの掛け持ちが最も効果が大きい。
昼と夜、あるいは昼→夜→深夜など、それぞれの時間帯で働けるバイトを複数確保しておく。とくに深夜勤は22時から時給25%UPするので、稼ぐことを最優先するなら深夜勤のバイトは外せない。
コンビニ、警備、朝までの居酒屋、24時間のファミレスなどが王道だろうか。私は昔、朝5時までの居酒屋でバイト経験があるが、深夜は客足も少なくて暇なので「生活スタイル的に問題ない」「暇に耐えられる」という耐性をもっていればおすすめである。
また、バイトを掛け持つことは、なるべく勤務日数を多く取ることでも重要だ。バイトにもよるが、アルバイトが余っている職場は、週5や週6でシフト希望を出しても削られることが多い。そのため、2つくらいバイトを掛け持てば、2箇所で週5〜週6勤務を埋められるようになる。
無論、なるべく時給が高いバイトが好ましいのは言うまでもない。学生が多いおしゃれなカフェや、主婦層が多いスーパーやショップなどは人気ゆえに時給低めなので、お金は貯めづらい。
もちろん高額バイトほど高額な理由(デメリット)があるので、時給とデメリットとの兼ね合いを見つつ、首都圏なら最低でも時給1000円以上のバイトに絞りたいところだ。
【方法2】貯金するなら実家住まいは必須!
「実家住まい」を恥ずかしく感じるフリーターも多いが、お金を貯めるのに実家住まいはめちゃくちゃ大きいアドバンテージだ。ある程度まとまったお金を手にするまでは、恥を捨ててでも実家住まいを貫くべきだ。
仮に東京で一人暮らしすると、ワンルーム/バストイレ一緒の築20年アパートでも月4〜5万くらいは家賃がかかる。もし実家住まいにして、その月5万円が丸々貯金にできるなら、100万円の貯金なんか1年半でほどで貯めることができる。それほど、家賃というのは最大の固定出費なのである。
「もし気になる異性といい感じになった時のことを考えると、一人暮らしの方が……」
なんて考えがよぎる気持ちもわかるが、まずはお金である。お金優先だ。
【方法3】実家を出たいならシェアハウスという選択
どうしても実家を出たい! という場合は、シェアハウスを検討してみよう。他人と共同生活する代わりに、一人でアパートを借りるよりは家賃コストをかなり抑えることができる。
ただ、シェアハウスは人によっては絶対無理だと聞く。私は経験がないが、絶対無理なタイプである。
人気テレビ番組「テラスハウス」の影響で、キラキラした青春的なイメージを持ってシェアハウスに入った友人(フリーター)が前にいたが、結局半年もせずに退去した。聞くと、住み始めこそみんなで共有リビングでテレビ見たりゲームしたりお酒飲んだりしてワイワイと楽しいのだが、それも最初だけだという。
例えば、共同生活者のトイレの使い方や掃除の仕方、騒音や生活スタイルなど小さい常識のズレが段々耐えられなくなるらしい。
バックパッカーや旅人的な気質の人なら全然気にならないらしいのだが、実家暮らしや一人暮らししか経験がない温室育ちの人には、シェアハウスは難易度高めである。
【方法4】住み込みバイトをする(リゾートバイトや工場など)
もう一つ、実家を出て独立してやっていく方法として、住み込みのバイトをするという手がある。代表的なもので言えば、工場(期間工)やリゾートバイトだ。
期間工の場合は寮に住み込みで働き、リゾートバイトも施設に住み込んで短期集中で働く。これらは一定期間でまとまったお金が手に入る上に、住み込みかつ食事付きが基本なので一度やるとガッツリ貯めることができる。
まれにフリーターで世界中を旅してるような人がいるが、あのようなバックパッカー系も、期間工やリゾートバイトなど期間バイトでガッツリ稼ぎ、そのお金で放浪、お金が尽きたら帰国してまたガッツリ短期バイト……みたいなサイクルでやりくりしているのが基本だ。
- 給料も高い
- 住み込みで家賃不要
- 食事も付いてくる
とあって、短期でガッツリ貯蓄したいなら一番向いている方法かと思う。ただしデメリットとしては、毎回新しいメンツと仕事するため、それなりの社交性が必要になること。普通のバイトだったら一度バイトメンバーと関係が築ければあとはぬるま湯だが、短期バイト系はその点が人見知りにはネックかもしれない。
【方法5】一人暮らしの場合、必ず賄い(まかない)付きの飲食店でバイトする
もし一人暮らしが譲れないのであれば、賄い(まかない)が付く飲食店でのバイトをしよう。一人暮らしフリーターにとって、家賃の次にイタい出費が食費だ。これを賄いで可能な限り節約する。
私が大学時代(一人暮らし)にバーや居酒屋でバイトしていたのも、ひとえに賄い目当てである。昼にカフェ、夜に居酒屋でバイトすれば、昼飯も夜飯もまかないが食べられるので食費なんてほとんどかからないだろう。
バイトによってはまかないが無料ではなく、多少の小銭が発生するが、それでも普通に一食たべるよりは安く済むはずだ。
フルで働くなら、まかない分で月1万〜1.5万円くらいの節約はできるのではないだろうか。
それでもフリーターの年収(収入)には限界がある
以上、フリーターが少しでも効率的に貯金する方法を書いてきたが、とはいえ、とはいえである。1日が24時間である以上、勤務時間で決まるフリーターの収入には限界がある。どれだけ頑張っても、何年働こうと、時給1000円のバイトで年収500万にはならないだろう。
そこにはやはり、フリーターという雇用形態である以上「超えられない壁」が存在する。そして、この壁を超えられない以上、フリーターは生涯を通して「お金に困らない生活」をするということは非常に困難になってくることは下記記事に書いている。
現フリーターがこの収入の壁を超えて、正社員のような年収500万以上を稼ぐには、大きく2つしか方法はない。
- 副業(起業)を始める
- 正社員になる
これだけだ。
1. 副業(起業)を始める
まず一つは、アルバイト以外にも自分でビジネスを始めることだ。起業と言ってもいいが、もっと易しく言えば「副業」というヤツだ。
近年はインターネットが発達したおかげで、ネットを使って個人がスモールビジネスを始めることが非常に簡単になっている。代表的なものをあげると、
代表的な副業
- クラウドソーシング
- ネット転売・せどり
- 動画投稿・Youtuber
- ブログ・アフィリエイト
他にも「副業 おすすめ」なんかで検索すれば個人でもできる副業が数十個は見つかるだろう。
無論、こうした自営業で生計を立てられるのはほんの一握りだ。ただ、月に数万円程度の収入の足しといったお小遣いレベルであればハードルはそう高くない。例えばクラウドソーシングなら作業量がものを言うので、本気で取り組めば月10万円以上の収入を得るのは難しくないだろう。
「一生バイト・フリーターで生きていけるか?」の記事で書いたが、フリーター収入だけで生涯生きていくのはなかなか無理ゲーだ。なので、副業で補うというのは一つ有効な選択肢ではある。
フリーターの副業については下記記事でもう少し詳しく書いているので参考に。
2. 正社員になる
元も子もないのだが、やはり可能ならば正社員になるのが一番確実である。
最近はテレビなどのメディアで「安月給で長時間労働を強いられるブラック正社員」みたいな、”ごくごく一部の最下層の正社員”にスポットを当てた特集などが放送されるせいで、一部のフリーター勢は「これなら正社員もフリーターも変わらなくね?」とか勘違いしている人も見受けられる。
しかしそれは、メディアがスポットを当てたほんの一部の例にすぎず、世の中のほとんどの正社員はフリーターより断然収入は多いし、休日数も多いし、ブラックでもない普通の会社で働いているのが現実だ。
少なくても収入面や安定面で、正社員よりフリーターを選ぶメリットはないということは下記記事で書いた。
フリーターが正社員就職できる会社なんてブラックしかない……と思いがちだが、全然そんなことはないし、仮に最初の就職先が微妙でも、一度正社員になっておけば次に正社員→正社員の転職ができるようになり、未来の可能性が格段に広がるのでいくらでもキャリアアップが狙えるようになる。
……が問題なのは、フリーターから正社員就職するなら20代のうちに、という点である。フリーターで30歳を超えると正社員就職のハードルは段違いに上がるのだ。
というのも、フリーターにはフリーター専門の転職エージェントがある。フリーターから正社員就職を狙うなら転職エージェントを使うのが最も確実で成功率が高いのだが……、
公式HP ハタラクティブ
例えばフリーター特化で有名なエージェント「 ハタラクティブ 」。利用者のほとんどがフリーターであり、8割以上が就職成功している最大手のエージェントだ。
しかし支援対象は18歳〜29歳までのフリーターが支援対象なのである。つまり、30歳以上のフリーターは基本NGなのだ。
まだ20代のフリーターなら転職エージェントを利用して正社員になる道は無限にあるが、30歳を超えてしまったフリーターはハローワークなどに頼るしかなく、なかなか厳しい戦いを強いられるのが難点だ。
20代フリーターが利用すべき転職サイト
- 社会人経験なし・未経験に強い「ハタラクティブ 」
- リクルートグループ運営の「就職Shop」
- 39歳以下まで利用できる「JAIC(ジェイック)」
- 国内最大の転職サイト「リクナビNEXT」
まとめ
その月の生活を維持するのがやっとなフリーターが多い中で、貯金を貯めていくというのは難しいことなのは間違いない。ただ、今回挙げたような方法で月1万〜2万を工面するのは「やる気」次第だ。あとはチリも積もれば山となるである。
繰り返し主張するが、お金の力は偉大である。ある程度まとまったお金を持てば、それが大きな余裕となり、小さい悩みやストレスから解放してくれるからだ。
毎月、月末になると銀行残高がすり減っていくのを見て、今後の不安やストレスに襲われるフリーターは多いだろう。そうした悩みも、ある程度の貯金を持っておけば幾分も和らげることができる。お金があれば、資格を取ろうとか、学校に通おうとか、海外で就職先を探してみようとか、取れる選択肢も格段に広がってくる。
そうした意味でも、やはりまずは「貯金100万円」を目指して意識改革してみてはどうだろうか。