サラリーマンと自営業はどっちが良い? 比較しても意味がない理由。

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昔に比べて今の時代、個人がどんどん活躍しやすくなっているのは間違いありません。ITサービスの進化によって個人でも小資本で始められるビジネスは飛躍的に増え、クラウドソーシングなどを使えば個人でも容易に仕事を受注できるようになりました。

個人=つまり自営業・フリーランスでバリバリ働いてガツガツ稼ぐ人にスポットライトがあたる一方で、組織の中でのサラリーマンの働き方はというと、ブラック企業にサビ残問題・過労死など年々鬱屈としたキーワードが並び、疲れ果てている人が増えています。

毎朝決められた時間に満員電車に乗って出社し、上司の言いなりになって仕事をし、お客様から叱られ、夜遅くまで残業し、また満員電車で家に帰る……。

「社畜」と揶揄されるようなサラリーマン生活をしている人からすれば、一見すると「自由に働いて、自由に稼ぐ」ように映る自営業やフリーランスに憧れる人もいるでしょう。すでに独立を考えている人もいるかもしれません。

「サラリーマン vs フリーランス」

果てしてどちらが良いのでしょうか?

……という議論は至る所で見られますが、先に私の意見を言わせてもらうと、

考えるべきはそこじゃないだろう。

ですね。本当に。

目次

「サラリーマン派」と「フリーランス派」の主張を比較してみる

サラリーマンと自営業、私はどちらの立場も一応理解しています。

私は現在こそ独立していますが、サラリーマン時代も会社の外で副業をしたり別業種の仕事を請け負ったりと給与所得以外の収入を得ていました。

また知り合いには、学生時代から起業して有名起業家になった人、有名企業に就職したが1年で辞めてフリーランスになった人、誰もが羨む高学歴をもち誰もが羨む上場企業に就職したにも関わらず毎日不満しか言っていない(でも辞めない)人など、色々な立場、様々な価値観を持った人がいます。

彼らには、それぞれの理由があり、哲学があります。

ここでよくある「サラリーマン推奨派の主張」と「自営業フリーランス推奨派の主張」を比較してみます。

サラリーマン派の主張

サラリーマン派の主張

社会的信用がある。自営業フリーランスではローンも組めないし、クレジットカードもまともに作れないではないか。

身分が安定している。病気や怪我をしても会社が助けてくれる。自営業フリーランスはそういった保障がない。

自営業フリーランスは税金の申告や帳簿の管理が大変。会社員は細かい会計管理が必要ない。

毎日会社にさえ行けば給料が貰える。自営業フリーランスは仕事を貰わないと文字通り死んでしまう。

こういった現実的で堅実な主張が多く見られるように思います。確かにどれも一理ありますね。

自営業・フリーランス派の主張

自営業フリーランス派の主張

大手企業がどんどん傾いていく中で、終身雇用をアテにして会社員生活をすることにメリットがない。倒産したらどうするのか?

会社で成果を出しても評価されない。フリーランスなら、成果を出せば勝手に評価とお金が付いてくる。実力さえあれば収入は青天井で伸びる。

自由に好きな場所で仕事ができる。オフィスに缶詰になり、人間関係のストレスと付き合いながら仕事をするのは生産性の無駄遣いだ。

厚生年金を払うのが無駄。それ以外の様々な雑費も、フリーランスなら経費として申告して削減できる。

だいたいこういったところですよね。これも一理あります。

どちらが良いか? なんて答えはない

上記のような論争を見ていて私が感じるのは、どちらも言っていることに間違いはないということです。かと言ってどちらも正解でもありません

つまり、答えなんてないんです。

サラリーマンと自営業のどっちが良いかを比較したり議論するのは不毛そのもの。なぜなら会社員を選ぼうがフリーランスを選ぼうが、本人が納得できなければ意味がないからです。

周りから見ると、

  • 「あの人、独立してから苦労してるな」
  • 「なんであんなに良い会社辞めたんだろう」
  • 「あそこまで実力があれば、フリーでもやっていけそうなのに」

などなど、色々と思うことがあるかもしれません。実際思います。しかし、それはあくまで第三者の視点であって、本人の視点ではありません。

もっと言うと、こうです。

自分の人生を決めていいのは自分だけ

自分の人生です。他人や世間の風潮に自分の人生を決める権利はありません。それがたとえ親友であったとしても、恋人であったとしても、肉親であったとしても、です。

この記事を読んでいる人の中には、「会社を辞めて独立しようとしたら周りに止められた」という経験を持っている人もいるでしょう。

または逆に、「独立したけど上手く行かないため、会社員に戻ることを勧められた」という人もいるかもしれません。

そういったアドバイスをくれる人たちの存在は、確かに貴重です。彼らも良かれと思ってアドバイスしてくれているのでしょう。しかし、彼らはあくまで他人であり、自分の人生を決定する人間ではありません。最悪の場合、アドバイスの背景には自分の利己的な利害関係があったりします。

他人に自分の人生を決めさせてはいけません。

自分の人生は自分で決めるものであり、他人の意見は参考程度に留めておくべきなのです。

会社員にしろフリーにしろ、周りから見てハードな人生を送っていたとしても、本人さえ納得していればそれで良い。私はそう思います。

なぜそう思うのか、次項でもう少し詳しく説明します。

平均寿命から逆算する「人生の残り時間」

やや話が迂回しますが、「自分の寿命」について考えてみたことはあるでしょうか?

若い人であれば、全く実感が沸かないことでしょう。あと何十年もある遠い未来の話ですしね。

厚生労働省が平成26年に発表した統計「平成26年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命(0歳の平均余命)は伸び続け、男性は80.5歳、女性は86.8歳となっています。

データは当然平均寿命ですので上下はあると思いますが、ここでは統計ベースに考えてみましょう。

この統計は「平成26年の0歳児の平均余命」という少しややこしい統計ですので、今20歳の人、30歳の人であれば、実際の平均寿命はこれより下回るでしょう。

ということでまず

  • 男性の方は「70歳」から自分の年齢を、
  • 女性の方は「75歳」から自分の年齢を、

それぞれ引き算してみてください。

「まだたくさんある」と思いますか? 
「もうあまりない」と思いますか?

 

では続いて、10年後の自分の年齢でもう一度計算してみてください。

「まだたくさんある」と思えますか? 「もうあまりない」と思えますか?

繰り返していくと、何となく実感できるのではないでしょうか。

残された時間は、決して無限ではありません。

10年後の自分に訊いてみるべきこと

人は死ぬとき、「何かを出来て良かった」という幸福感よりも、「何かが出来なくて残念だった」という後悔の念のほうが大きいといいます。

ここで少し考えてみましょう。

今すでに、後悔していることはありますか?

きっとあるはずです。今まで生きてきて、後悔なしの人生を歩んできたなんてあり得ないはずです。

その後悔とは、「あの時告白しておけばよかった」といった青春時代のほろ苦い思い出かもしれませんし、

「もっと勉強しておけばよかった」
「あの会社にしておけばよかった」
「転職しなければよかった」

といった人生の選択に関するものかもしれません。

では、10年後の自分に聞いてみましょう。

「10年後のあなたは今、後悔していることはありますか?」

もしそう訊かれた時、10年後の自分は「いや、あまりないな」と答えられる自信があるのなら、あなたは今の人生設計に基づいて生活を続けるべきです。

逆に、その自信がないのであれば、人生について考えなおす機会が訪れているのかもしれません。

「サラリーマンか自営業か」は手段であって目的ではない

会社員

だいぶ論理が飛躍しましたが、私が言いたいのは、

「結局のところ、サラリーマンをやろうが、フリーランスをやろうが、それは人生において何かを得るための手段・方法であり、目的ではない

ということです。

サラリーマンもフリーランスも、「仕事のやり方」にしか過ぎません。しかし、社会人として生きている以上は、人生の中心に仕事を置くことはほぼ間違いないですし、仕事を通して得るものは人生に大きな影響を与えます。

その「人生において大事なもの」を得やすい方法が、サラリーマンなのかフリーランスなのか……それは人によって異なります。向き不向きというものがあります。

ですから、サラリーマンをやって何かを得るのも、フリーランスをやって何かを得るのも、それは個人の自由であり、効果は個人によって差があるとしか言いようがないのです。一般論に無理やり当てはめて白黒をつけるようなものではありません。

「サラリーマンをやるべきかフリーランスになるべきか」といった議論は、強引にたとえるならば「東京から大阪まで行くのに新幹線を使うべきか飛行機を使うべきか」といった方法論に関する議論でしかありません。

それで?

「大阪に行って何をするのか?」
「行く過程でどういう体験をしたいのか?」
「そもそも行く必要はあるのか?」

といった、本質的な議論が抜けているように思えてならないのです。

本当に大切で考えなければならないのは、周りの言ったことを鵜呑みにするのではなく、自分の寿命を逆算し、死ぬ間際になって後悔しないであろう、未来の自分が納得のできる人生を選ぶことだと私は思います。

まとめ

サラリーマンか自営業・フリーランスか。

それは自分の人生設計手法の一部であり、自分で決めるべき事柄です。周りが決めることではありません。自分の都合で、独断によって決めることなのです。

自営業でフリーに活躍した方が爆発的に稼げるようになる人もいるし、堅実にサラリーマンをしていた方が幸せな生活を送れる人もいます。

大切なのは「最適解は人によって違う」ということであり、他者のアドバイスや、ましてや一般論を参考にしたりして意思決定するのは危険です。

まずは自分の望む目的地を決めましょう。
そして、そこへ辿り着くにはどんな手段(会社員なのか自営業なのか)で向かうのが最適なのかを逆算すること。それは周囲や世間ではなく、自分との対話から決めることです。

 

【おまけ診断テスト】自分の「才能」に気づいていますか?

仕事ができるビジネスマンと出来ないビジネスマンの差は、意外と「自分の才能・資質を知っているかどうか」だけの差だったりします。

仕事ができる人ほど「自分が得意なこと」を仕事にし、仕事ができない人ほど「自分が好きなこと」を仕事にしようとします。

仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。

仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。

仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人

「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。

世界最高のサッカー選手であるリオネル・メッシは、FW(フォワード)というゴール前20m四方のエリア内でのみ世界最高の選手でいられます。彼は誰よりもディフェンスをしません。なぜか? その仕事場以外では平凡な選手だからです。

つまり「仕事ができる人間」とは、「得意な場所で、得意な仕事をしている人」なのです。

あなたは、自分の才能がどこに向いているのか把握していますか? 本当はドリブルやシュートが得意なのに、なぜかディフェンスポジションで仕事をしているせいで「仕事ができない人間」になっていませんか?

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