藤田晋(ふじた すすむ)/1973年5月16日生まれ
photo by : http://goethe.nikkei.co.jp/
多くの芸能人にも愛用されている『アメーバブログ』をはじめとしたアメーバ事業で名を馳せ、インターネット広告業界では時価総額3600億円と、まさに一人勝ち状態にある株式会社サイバーエージェント。
20代、30代の若い社員が中心となった活気ある企業イメージのほか、
女性社員が可愛いとか、 女性社員が可愛いとか、 女性社員が可愛いとか
事業内容以外の側面でも語られることの多い、学生に人気のベンチャー企業です。(実際はもう立派な大企業ですね)
今回紹介する創業者で現社長の藤田晋さんは、26歳でサイバーエージェントを東証マザースに上場させ、当時史上最年少の上場記録を打ち立てた凄腕の経営者であり、 2004年に、女優の奥菜恵さんと結婚された(2005年に離婚し、現在は元秘書と再婚した)ことでもよく知られています。
大学卒業後、24歳という若さで起業に至った藤田さんのヒストリーをまとめてみました。
不真面目で、留年もした大学生活
会社員の両親のもと、ごく普通の家庭に生まれた藤田さん。 青山学院大学経営学部に進学した大学生活では、「将来は起業するぞ!」なんて高い志もなく、至って普通の大学生として自堕落な生活をしていました。
麻雀が大好きで、授業もきちんと出るタイプではなく、留年も経験しています。
そんな怠惰な学生生活を送っていた大学2年生次の藤田さんの人生を変えた決定的な経験は、フロムエーのバイト雑誌で見つけた広告代理店でのアルバイトでした。
『オックスプランニング』というその会社は、リクルートから独立した30代前半の社長が切り盛りしていて、藤田さんはそこで飛び込み営業などの自転車操業を経験します。
そんな会社でバイトを続けるなかで、自分と10歳程度しか年の変わらない人が社長業をしている姿を間近で見ているうちに、藤田さんは「俺にもできるんじゃないか?」と、始めて社長業・起業というものを意識したそうです。
藤田さんは代理店でのアルバイトを2年半続け、「バイトの合間に授業に出る」という生活を続けていたほど、仕事に夢中になっていました。
インテリジェンスに就職後、たった1年で独立起業することに
留年を含め5年かけて大学を卒業した藤田さんは、総合人材サービスを手がける人材派遣会社インテリジェンスに入社しました。 (第一志望はTSUTAYAを手がけるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)でしたが、あっさり一次で落ちたそうです)
大学時代のアルバイト経験から、将来は起業すると決めていた藤田さんは、就職面接の段階で「将来は起業します」と宣言していました。
その当時、インテリジェンスという会社には藤田さんのような独立思考の野望を持った人が多く、「将来は起業する」と誰もが口々に語っていましたが、 のちのち、実際に起業した人は一人もいなかったそうです。
どの世界でもそうですが、「将来は起業する」と言っている人間の95%は結局起業しません。 そんな人達を見て、自分は絶対に口だけにはならないぞ、と藤田さんは堅く決心したそうです。
「1年間は本当に1日も休まなかった。土日も出勤し、毎日始発で出勤していた」
インテリジェンスでは人材採用の営業を担当していた藤田さん。 相当仕事にハマっていたようで、独立に至るまでの1年間、本当に1日も休むこと無く、土日も必ず出勤し、なんと毎日始発で会社に通っていました。
それは会社がブラックだとか上司が厳しかったとかいう問題ではなく、 「毎月の売上目標を達成するのが楽しくて仕方なかった」という藤田さんの異常なまでのワーカホリックによるものでした。
その結果、当然藤田さんの営業成績はトップであり、入社1年目からすでに一目置かれる存在になっていました。
大学時代バイトしていた会社の専務と共同起業することに!?
そんなバリバリの営業マンであった藤田さんのもとに、ある時、共同起業の話が浮上します。 きっかけは、藤田さんが大学時代にアルバイトをしていた『オックスプランニング』の専務でした。
実は当時オックスプランニングの会社内で内紛が起こったらしく、役員が会社を追い出されてしまったのだそうです。
その話を聞きつけた藤田さんは、バイト時代に最も仲の良かった専務に対して、何と自ら「なら一緒に起業しませんか?」と共同起業の話を持ちかけたのです。
専務もこれに同意し、専務を社長に、藤田さんを役員として二人は会社を立ち上げることを決めました。 しかし、問題はその後に起こりました。
インテリジェンス宇野社長の助言で、事態は一変してしまう
専務との起業を決めた藤田さんは、インテリジェンスを退職したいという旨を創業社長である宇野康秀さんに相談しに行きました。 すると宇野社長は、起業することは良い事だとしながらも、一つだけ藤田さんに条件をつけたのです。
それは、 「専務と組むのは辞めて、お前が社長をやれ」 というものでした。
さらに宇野社長は、藤田さんが一人でやるというのなら出資もしてやるという破格の条件を提示します。
この打診を受けて藤田さんはこう思いました。 (あ。ぶっちゃけ、こっちの方がいいな・・・) それもそのはずです。今日までイチ新入社員だった自分が、いきなり「社長」の肩書きになるのですから。
一年でも早くキャリアップしたいと上昇志向の強かった藤田さんにとって、「社長をやれ」という宇野社長の助言は捨てられるものではありません。
しかし、問題は専務です。 だって、藤田さん自ら「一緒にやりましょう!」と申し出たのに、 「あの話やっぱやめます。オレ、一人で起業するんで。宇野社長から出資もしてもらえるし」 と、手のひらクルッッとしてやったわけですから。
当然、専務からは裏切り者と呼ばれたそうですが(現在では仲直りしたそうですが)、藤田さんは自分自身の将来のために、自らが社長となって起業する道を選びました。
しかしこの時点では、自分が社長として起業するという事以外は何一つ決まっておらず、 「誰とやるのか」も「何をやるのか」も、まったくの白紙の状態だったと言います。
営業代行会社として、サイバーエージェントが誕生
とにかく起業すると決意した藤田さんは1年でインテリジェンスを退職し、一番仕事が出来なかったという同期の仲間(現・サイバーエージェント副社長の日高氏)とアルバイト1名をとりあえず呼び寄せて、宇野社長からの1000万の出資金をもとに、1998年に3人でサイバーエージェントを起業しました。
肝心の事業内容については、まず「インターネットを使う」ということ決めました。
当時はインターネットというだけでみんな拒絶反応を起こすほど一般的には浸透しておらず、「だからこそ将来的に伸びる!」とその可能性を信じたからでした。
こうしてサイバーエージェントが始めたのは、インターネットの「営業代行業」でした。 当時の藤田さんたちは営業の経験しかなかったことと、プログラマーなどの技術者たちは良い作品を作れても自分たちで世に広める手段を持っていなかったという背景がありました。
代理店事業は本当は絶対やりたくなかった・・・
営業代理店としてスタートしたサイバーエージェントでしたが、 藤田さんは内心では、営業代行や代理店事業というものはどうしてもやりたくなかったそうです。
というのも、 藤田さんは大学時代の広告代理店のアルバイト経験を通して、 「自社で商品を持たないことの辛さ」を敏感に感じ取っていたのです。
他人の商品を扱うということは、相手によって取り扱いを打ち切られたり制限されたりというリスクも伴うし、自然と発言力も弱くなってしまう。
だからどうにかして自社の商品、ネット広告で言うなら「自社のメディア」を持たないといけない、と藤田さんは考えていました。 そして半年間は、営業代行を続けながら、どうにか自社のメディアを持てないか、と模索する日々が続きました。
ホリエモンが開発した「サイバークリック」で大当たりし、営業代行を脱出する
そんなサイバーエージェントの救世主となったのが、ホリエモンこと堀江貴文氏が当時率いていた『オンザエッジ』(ライブドアの前身)でした。
当時バリュークリック社(現メディアイノベーション)で広告代理店業をしていたサイバーエージェントは、バリュークリックが好調なことから、クリック保証型バナー広告「サイバークリック」というサービスを開始しました。
そして、この「サイバークリック」の開発を手がけたのが、堀江貴文さんでした。
当時のサイバーエージェントは技術力を持っていなかったので、売上をシェアするという条件のもとに堀江さんのオンザエッジが開発することになりました。
それ以来、藤田さんと堀江さんは二人三脚で会社を大きくしてきた盟友となっているようです。
結果的にこのサイバークリックが大当たりし、サイバーエージェントは営業代行事業を全て辞めることとなりました。
そして2003年の3月、サイバーエージェントは東証マザーズに上場を果たし、当時26歳での上場は史上最年少の記録となりました。
会社のロゴにも! ついに自社メディアの「アメーバブログ」が誕生
サイバークリックが大当たりしたサイバーエージェントですが、株式上場に伴い会社の規模が急拡大し、すぐに売上が追いつかなくなってしまいました。
そこでサイバーエージェントは、再び広告代理業を再開せざるを得なくなりました。
今でこそネット広告代理店として不動の地位を築いたサイバーエージェントですが、藤田さんの正直な気持ちとしては乗り気ではなく、やはり「自社のメディアを持つ事」が一番の関心ごとでした。
さて、そんな時代のIT業界では、YahooJapanの台頭により『ポータルサイト』というコンセプトが目立っていましたが、それ以外にはめぼしいメディアがなかなか見つかっていませんでした。
そんな停滞状態に兆しが差したのは、2004年にアメリカからWEB2.0という潮流が日本に流れてきたときです。
その潮流の中で生まれていたのが、ブログやSNSです。
最初は藤田さんもブログなどはずっとやっておらず、どちらかというとこういうものを軽んじていたそうですが、盟友の堀江貴文さんが書いていたブログが面白くて、段々とブログというものが気になりだしたそうです。
「渋谷ではたらく社長のブログ」が大量のアクセスを集めて、ブログに目覚める
堀江さんのブログが面白いことを受けて、遅れながらもようやく自分のブログを立ち上げた藤田さん。
最初は「東京で働く社長のブログ」というタイトルで、自分だとバレないように書いていましたが、それではなかなかアクセスが集まりにくいことから、 「渋谷ではたらく社長のブログ」とタイトルを変更し、徐々に自分だと分かるようにしていったそうです。
するとブログが大きなアクセスを集めるようになり、藤田さんはブログというメディアの持つ可能性を身に染みて痛感しました。
「これはヤバい! これをサイバーエージェントの主力事業に持っていこう!」 と決心し、競合から半年遅れでしたが、サイバーエージェントはアメーバを自社のロゴにするほどの覚悟を持って、「アメーバブログ」を開発しました。
このアメーバに関しても、すんなり上手くいくことはなく、開始から5年間で累積赤字が60億円にまで膨らんでいましたが、 2009年にようやく黒字化し、アメーバ事業は1年間で100億以上の利益を出す主力事業へと成長を果たしています。
現在ではソーシャルゲームや『755』などのアプリも手がける
アメーバ事業で急成長を果たしたサイバーエージェント。 今ではソーシャルゲームやアプリなども数多くてがけ、その事業内容は非常に多岐に渡ります。
最近だと20億円をかけたと言われる新世代トークアプリの『755(ナナゴーゴー)』はCMでもバンバン宣伝投下されていましたが、どうも爆発的なヒットの予兆はいまだなさそうで・・・。
この『755』アプリは堀江さんとタッグを組んで開発されており、755というネーミングの由来は、刑務所時代の堀江さんの収監番号(755番)から取られています。
まとめ
以上、少し長くなってしまいましたが、藤田さんの経歴とサイバーエージェントの成り立ちをまとめてみました。
気になる「サイバーエージェント、女性社員が可愛すぎる問題」については、 『サイバーエージェント 女性社員』と検索エンジンに打ち込んで、ご自身の目でご確認頂ければと思います。
【おまけ診断テスト】自分の「才能」に気づいていますか?
仕事ができるビジネスマンと出来ないビジネスマンの差は、意外と「自分の才能・資質を知っているかどうか」だけの差だったりします。
仕事ができる人ほど「自分が得意なこと」を仕事にし、仕事ができない人ほど「自分が好きなこと」を仕事にしようとします。
仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。
仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。
仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人。
「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。
世界最高のサッカー選手であるリオネル・メッシは、FW(フォワード)というゴール前20m四方のエリア内でのみ世界最高の選手でいられます。彼は誰よりもディフェンスをしません。なぜか? その仕事場以外では平凡な選手だからです。
つまり「仕事ができる人間」とは、「得意な場所で、得意な仕事をしている人」なのです。
あなたは、自分の才能がどこに向いているのか把握していますか? 本当はドリブルやシュートが得意なのに、なぜかディフェンスポジションで仕事をしているせいで「仕事ができない人間」になっていませんか?
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