自分は仕事ができない人間なんだ……
そう内心で自虐し、諦め、鬱屈としたサラリーマン生活を送っている人に向けてちょっと記事を書いてみます。
「仕事ができない人間」というのは、世界の一流企業にも下町の居酒屋にも一定数は必ずいて、彼らがなぜ仕事ができないのかという本質は、一流企業の無能社員も居酒屋の無能アルバイトも基本的に同じです。
そう、「無能」。
仕事ができない人間は誰しもが、自分は無能つまり「才能がない」のだと意識的に思っています。
結論から言ってしまうと、仕事ができない人がなぜ仕事できないのかって、自分には「才能がない」と思っているからです。「才能」という概念に対して根本的な思い違いをしているからです。
この記事では、「才能がない/仕事ができない」と思い込んでいるサラリーマンに共通の特徴、そして至ってシンプルな対処法を語っていきたいと思います。
その上でまず、仕事できない無能サラリーマンは、上記で記した「根本的な思い違い」に気づく必要があります。
それは、
才能は「ある」とか「ない」とかの概念じゃない。
ということです。
「そもそも才能とは何か?」という抽象的な問いについて、下記で深く掘り下げていきたいと思います。
仕事ができる人とできない人の違いは非常にシンプル
まず、結論となる答えから言ってしまいますね。
「仕事ができる人」と「仕事ができない人」の違い、その本質は至ってシンプルで、
自分の得意なこと(仕事)をしているか否か。
突き詰めれば、たったこれだけの違いです。
「好きなこと」ではなく「得意なこと」。ここが重要です。
仕事ができる人/できない人
- 仕事が非常にできる人間は当然、自分が得意なことを仕事にしている人。
- 仕事をまぁ普通にこなす人間は、自分が得意なことを仕事にできていない人。
- 仕事ができない人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人。
本当に、突き詰めればたったこれだけの違いなんです。
さて、ここで「才能」という非常にやっかいな概念が立ちはだかります。この「才能」について多くの人が正しく把握できていません。
アスリートを見れば「才能とは、資質の偏り(パラメータ)」だと分かる
「自分は仕事ができない」と思い込んでいる人のほとんどは、「仕事ができる才能がないから(つまり無能だから)」と思っているはずです。
私はのろまだから。才能がないから。だから仕方ない。
でも違います。
「才能」っていうのは、あるとかないとかではなく、資質の「偏り」に過ぎません。
要するにパラメータです。
自分の持つ才能が、どの分野にどの程度偏っているか?
0か100かみたいな二元論ではないんです。
「才能」がもっとも大きく影響するスポーツの世界を見れば分かりやすいです。
私は水泳が好きなのですが、水泳という競技は、種目や距離によって才能のパラメータが非常に偏るスポーツです。なので、全く無名だった選手が種目(=仕事場)を変えただけで一気に花開くケースというのが多いんです。
2015年の世界水泳で200m平泳ぎ金メダルを取った渡辺香生子さんという選手がいます。平泳ぎでメダルを量産している選手なのですが、子供のころは自由形・バタフライ・背泳ぎをやってた選手なんですね。
でも中学生の頃、ある大会前に肩を痛めてしまい、仕方なく肩への負担が少ない平泳ぎで試合に出たところ予想外に優勝してしまいました。ここで初めて平泳ぎの資質が突出していることに気づき、平泳ぎに「仕事場」を変えてからは急激に成長して一気に世界トップ選手の仲間入りです。
もう一人、東京五輪期待のエースとして池江璃花子さんがいます。50m〜100mの自由形とバタフライで金メダルが期待される選手です。
そんな池江選手は以前に、畑違いの種目である800m自由形の国内試合に出場していたのですが、ダントツのビリで泳いでいて驚いたことがあります。
池江選手は短距離スプリンターの資質が突出しているので、自由形50m〜100mの「仕事場」では五輪金メダルを争う選手なのに、同じ自由形でも800mの「仕事場」では国内選手にも歯が立たないわけです。
もし池江選手が、自分がスプリンターの資質に長けていることを知らずに、なんとなくで800m自由形の仕事場にいたとしたら、全く無名の選手で終わったでしょう。
同じ水泳という仕事(競技)の中でも、より細分化された仕事(種目)によって、ある仕事場ではスター選手になり、ある仕事場では無名の選手になってしまうわけです。
- 自分の才能(資質のパラメータ)を知っているか?
- パラメータが突出したジャンル(得意なこと)で仕事をしているか?
仕事ができる/できないの違いは、突き詰めればこの2点だけです。
仕事ができない・才能がないサラリーマンは「得意なこと」を知ること
ここまでの説明でもう分かると思いますが、仕事ができない人が取るべきたった一つの対処法ってすごくシンプルです。
自分の得意な(才能が偏っている)場所で仕事すること。
引きこもり気質でゲームおたくのA君がいたとしましょう。
営業マンとして「元気よく積極的にコミュニケーションを取っていく」という仕事場では、A君が”できない人間”で、チャラチャラしてノリと口だけが達者のB君が”できる人間”として評価されます。
ですがもし2人が「ゲーム」という仕事場に移れたとしたら、途端にA君が”できる人間”になり、B君が”できない人間”になるわけです。
人間性はそのまま、評価は逆転です。
つまり、これが非常に大事なことなのですが、「仕事ができる・できない」なんて言うのは、あなたが今いる小さな小さな組織の枠組みの中の話でしかありません。
あなたができないのは、あくまで「その仕事」の話なんです。「その会社での仕事」だけ。「その職場のメンバーとする仕事」ができないだけなのです。
なのに、たったそれだけのことなのに、仕事ができない(と思い込んでいる)人というのは、さも自分が社会の全ての仕事に向いていないかのように錯覚しています。有能か無能かの二元論に終始します。
だから気づかない。だから諦めている。だから動こうとしない。
ただ「場所」を移ればいいだけの話なのに。
なんて言うと、絶対にこんな反論が上がってきます。
「そんなことは分かってるんだよ! だけど、自分が何に向いているのか、自分にどんな才能があるのか分からないんだよ」
これはまさに正論。その通り。ほとんどの人は、自分の資質や才能がどこに向いているのかを分かっていません。
多くの人にとって「好きなこと」と「得意なこと」は違います。
仕事ができる人間になりたいなら、「好きなこと」ではなく「得意なこと」を見極めてそこで仕事することです。つまり、自分の資質や才能を見極めることが必要不可欠になるのです。
で、どうやって自分の才能(パラメータ)を知るの? というと、オーソドックスに才能診断を受けてみるのが最も効果的です。
自分の資質・得意なことを知る「才能診断テスト」とは?
才能診断というと、一種の心理テストのようなものです。用意された質問事項に直感的に答えていき、その結果からあなたに秘めたポテンシャル(資質・才能)をパラメータで測定するという感じです。
就活の際に受ける人が多いですが、才能診断をしたことない人も多いですよね。
私は結構こういう心理テスト系が好きで、無料から有料のガチなやつまで5種類くらいテストを受けたことがあります。参考までにその中で最もクオリティが高かった診断テストを2つほど紹介します。
ちなみに、どちらのテストもほぼ同じ結果がでたので、自分的にはかなり信憑性を感じています。
【無料】グッドポイント診断(リクナビNEXT)
無料でありながら最も本格的な才能テストがこちら「
リクナビNEXTのグッドポイント診断
リクナビNEXTに会員登録すれば、誰でも受けることが可能です。
会員登録
リクナビNEXT
30分程度かけてガッツリ質問に答えていく形式なのですが、診断結果は実に8568通りものパターンに分かれており、ほぼ自分だけの最適な答えを受け取ることができます。
公式HP
リクナビNEXTのグッドポイント診断
メールアドレスを入力すると本登録用のメールが送られてくるので、メール記載のURLから氏名や年齢などを入力すれば即完了です。
早速、才能診断テストを受けてみましょう。
質問項目はだいたいこんな感じで、次々出てくる項目に直感で答えます。
問題は全3部から構成されており、
- 第一部93問
- 第2部126問
- 第3部74問
全293問
かなりガッツリとした診断になっています。所要時間は30分〜40分くらいでしょうか。ながら作業ではなく、しっかり腰を据えて行った方がいいです。
そしてテストが終わると、あなたが最も強く持つ資質・才能が5つ導き出されます。
各項目についても丁寧な解説がついてくるので、しっかりと読んで自分の資質・才能がどこに向いているのかを考えてみてください。
自分のパラメータがわかれば、自分が「どこなら仕事ができるのか/才能が発揮できるのか」がわかるはずです。
【有料】さあ、才能(じぶん)に目覚めよう(書籍)
続いてこちら。
こちら「才能」を徹底的に追求している自己啓発本で、出版は2001年とちょっと古いのですが、サラリーマンを中心に大ベストセラーを記録している不朽の名作です。
この本の中に、心理テストが収録されています。
本自体の内容はかなり濃密で読み応えのある分厚さなのですが、 もの凄くざっくり要約するとこの本が伝えたメッセージは以下の一文に集約されます。
『人にはそれぞれ適正な資質(才能)があり、それは一生変わりません』
大事なのは、「資質(才能)は一生変わらない」という部分です。
人の資質というのは10代のうちに脳内回路で形成され、一度完成した回路はその後に変化することはないという根拠のもと、
自分の唯一無二の才能を知り、その才能が最も活かせることを仕事にしなければならない。
という主張をしています。私が上記で言ってきたこととほぼ同じです。
本書では「ストレングス・ファインダー」なる、自分の秘めた才能を「5つの資質」に特定できる本格的なプロファイリングテストが用意されており、本書に記載されたアクセスキー(パスワード)を診断テスト用ウェブサイトのログインIDとして使用できる形式になっています。
ストレングスファインダーもこんな感じで、グッドポイント診断とほぼ同じです。ただ問題数がさらに多くて全問答えるのに1時間以上かかるので十分な時間を取りましょう。
で、全問に答えると、全34種類に分別された資質から、自分に最も備わっている資質を5つ導き出してくれます。
資質の項目がちょっと抽象的ですが、詳しくは本書に書かれています。
ただ、この本の才能診断はいくつかややデメリットがありまして……。
注意ポイント
- 必ず「新品」を購入する必要がある
- 分厚い本なので全部読むのがかなり大変
- 診断テストに1時間以上かかる
まず、診断テストを受けるには必ず新品を購入する必要があります。本書に記載されたアクセスキー(診断テストを受けるパスワード)は1冊ごとに違い、一度使われたアクセスキーは二度と使えません。
つまり中古本を買うと、その本のアクセスキーはすでに元の所有者によって使われている可能性が極めて高く、診断テストを受けられません。Amazonで中古を買っても無意味です。新品だと1800円くらいした気がするので、それなりの出費になります。
あと、本自体はかなり分厚い海外本なので、読書に慣れていない人なら多分ほとんどの方が最後まで読めません(笑)。まぁテストだけ受ければいいという人もいるかもしれませんが……。
「得意なこと」を仕事にすべく、才能を活かせる場所へ転職する
才能診断で「自分の才能はどこに偏っているのか?」「どんなことに向いているのか?」が分かったら、なるべく早めに仕事場を移しましょう。苦手なところで成長もなく消耗している時間がもったいない。
業種ごと変える、あるいは同業でも性質の違う会社へ変える、もしくは人によっては思い切って独立した方が力を発揮しやすい人もいるでしょう。最近は起業のハードルもかなり下がりましたからね。
とはいえ、大多数の人が「仕事ができる人間」になる効率的な道はやっぱり転職です。
ちなみに筆者の私は2回の転職経験後に、やはり一番向いているのは独立だと判断して起業しましたが、まぁ多くの方にとって最も現実的なのは「会社を変えること」です。
転職活動の進め方ですが、基本的には以下の通りです。
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で気になる求人をピックアップする - その求人を持って、次は転職エージェントに相談に行く
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そしたら、今度はその求人を持って転職エージェントに相談に行きます。手ぶらで相談に行くよりも、予め意中の求人を持っていた方が話が早く進みますし、エージェント担当者もあなたのビジョンを汲み取りやすいです。
あとは、エージェント担当者と協力して話を進めていけばOK。
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エージェントの注意点としては、担当者の相性に左右されることです。転職コンサルは個人対個人の商売なので、どの会社に登録するかよりも、どの担当者に当たるかのアタリハズレが影響デカいです。
なので、最初は3〜5社程度に登録しておき、担当者に話を聞いてみて最もフィーリングの合った2〜3社に絞り込んでいくのが良いです。
ひとまず、下記の大手3社に登録しておけば日系企業は大体カバーできるはずです。
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あとは、IT業界を狙うならITに強い「
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転職エージェントについて初めての人は下記記事なども参考にしてください。
まとめ
「仕事ができる人」と「仕事ができない人」の違いは、突き詰めれば”自分の得意な仕事をしているかどうか”の違いでしかありません。
自分には才能がない。自分は仕事ができないサラリーマンだ。そう嘆く人は、自分の才能が向いていないことをわざわざ仕事にしている人であり、そしてそのことにすら気づいていません。
対処法は至って簡単です。
自分のパラメータがどこに突出しているのか、つまり自分の才能が何かを知り、その才能に最適な場所で仕事をすることです。
問題はあなたに才能があるかないかではなく、才能と仕事がミスマッチしていないかどうかです。
才能は誰にでもあるものなので、それがどこに偏っているのかをまず知り、そして才能とマッチする仕事場を探しましょう。