築古の中古物件を購入するときは、基本的には多かれ少なかれリフォームが必要になるので、購入時にリフォーム費用を計算に入れておくことが重要になります。
そうでないと、いざ物件購入してからリフォーム業者に見てもらったら想像以上にリフォーム費用が必要で、結局リフォーム代の読みをミスったせいで想定していた利回りを大きく下回ってしまった……なんて失敗に繋がってしまうからです。
しかしそう言われても、不動産投資を始めたばかりの初心者は当然困ります。
だって、リフォーム費用がどの程度かかりそうかなんて初心者がパッと内見しただけで想定できるわけないんですから。
となると、、
購入前、内見の段階でリフォーム業者にきてもらって見積もりを取ることできるの!?
と考えますよね。
私も初物件を探していたときに、リフォームの見積もりをどうすればいいのか非常に悩みました。
結局ですが、結論から言ってしまうと、
”リフォームの見積もりをいつ取るかはケースバイケース”
となります。不動産業者やリフォーム業者によって対応がまちまちなんですよね。
以下で初心者向けに詳しく説明していきます。
リフォーム見積もりは物件購入後が基本!購入すらしていない物件の見積もりは、売主・リフォーム業者に敬遠されやすい
まず結論ですが、基本的にはリフォーム業者に見積もりをしてもらうのは物件を購入した後になります。
ただ、一応、不動産屋さんに「リフォーム業者を呼んで内見して見積もりとっていいですか?」とチラッと聞いてみるといいです。
物件購入前だとまだ自分の「所有物」ではなく、あくまで他人(売主さん)の所有物です。他人の所有物に対して勝手にリフォームの見積もりを取るって普通に考えるとちょっとズレてますよね。
物件の売主さんからしても、どこの誰かも分からない・購入するかも分からない人に勝手にリフォーム業者を呼ばれて品定めされるのは印象的に嫌う人が多いです。
なので、不動産屋さんに「リフォーム業者を呼んで内見してもいいですか?」と聞くと、「いやぁ……売主さんが嫌がるのでやめたほうがいいかもですね」と柔らかく断れることが多々あります。
また、まだ購入前の物件だとリフォーム業者の方から見積もりを断られるケースもあります。
見積もりは基本現地(物件)に来てもらって行うため、リフォーム業者も時間と人員がかかります。それでリフォーム発注に至らなかったら業者側は完全に無駄足になるわけで、まだ買ってすらいない・買うかも分からない物件の見積もりなんて行きたくないのは当然です。
内見でリフォーム業者呼んでOKのケースもあるので、一応不動産屋に聞いてみる
とはいえ、購入前にリフォーム見積もりを取ってはいけないというルールがあるわけではないです。不動産屋さんによっては「全然いいですよ」と言ってくれるところもあります。
そのへん緩い不動産屋だと「キーボックスに鍵入れておくんで、自分でリフォーム業者呼んでやってください」なんて言われたこともあります(笑)。
リフォーム業者にも、自分から「まだ購入してない物件なんですが」と言わなければ、多くは変に疑われることもなく見積もりに来てもらうことができるでしょう。
このように、購入前の段階でリフォーム業者を呼んで見積もりできるケースもあるので、一度不動産屋さんに相談してみると良いかと思います。購入前により正確なリフォーム費用が分かるのであれば、絶対にその方がいいですからね。
ただしその場合、不動産屋・リフォーム業者のなるべく負担にならないように、
- 「リフォーム予算さえ合えば購入する」くらい確度の高い物件に限ること
- 複数業者で相見積もりするなら、なるべく1日で全業者呼んで完結させること
といったことを心がけるのがマナーでしょう。
「ちょっと気になる」くらいの物件でわざわざリフォーム業者呼んで見積もり取るようじゃ、それに合わせて内見スケジュールを入れる不動産屋も、わざわざ足を運んで来てもらうリフォーム業者もたまったもんじゃないです。
どうしても購入前に見積もりしたいなら、「あとはリフォーム費用さえ大きく外れなければ間違いなく買う!」くらい確度の高い物件に限るようにしましょう。
またリフォームの見積もりは相見積もりが必須ですが、複数の業者に見てもらう場合もなるべく1日で終わらせるようにして、鍵を手配する不動産屋さんの負担にならないようにすること。見積もりは30分〜1時間くらいで終わるので、13時からA社/14時からB社のように時間をズラして予約すればOKです。
みんな購入時のリフォーム費用の算定はどうしてるの?
購入前にリフォーム費用の見積もりができないとなると、みんな一体どのようにリフォーム費用を想定して購入の判断をしているのか?
私も初物件の購入の際に色々と調べてみたところ、大体以下のパターンでした。
1:見ただけで経験則からおおよそのリフォーム費用を想定する(ベテラン大家)
すでに大家として経験を積んでいる人であれば、物件をザッと内見しただけで「リフォームが必要な箇所」そして「リフォームにかかる費用」がざっくりと想像できるようになります。
築古物件のリフォーム箇所というのは大体似たような箇所になるので、築古持ってる投資家なら過去のリフォーム歴からざっくりと費用感はわかるものです。
ただ、これは何度か物件購入とリフォームを経験して身に付く知識でありスキルなので、これから初物件を買うような初心者には無理な芸当ですね。
2:不動産投資家のYouTubeやブログでリフォーム相場を把握する
最近はYouTubeやブログで情報発信する投資家が増えたので、「築古戸建 リフォーム」などで検索すれば戸建のリフォームビフォアアフターがいくらでも出てきます。
私もそうした動画を見て、どの程度のリフォームをしたらどのくらい費用がかかるのか? といった相場感がざっくりとですが把握しました。
ただ、リフォーム相場というのは地域やエリアによっても変わるし、業者によっても平気で2倍くらい違ってくることがザラです。例えばクロスの単価を比べても、量産クロス1㎡850円くらいの業者もあれば、1㎡1700円で出してくる業者もいます。
また、その時の経済情勢によっても建材費・材料費が世界的に高騰していて、リフォーム費用が跳ね上がっていたりします。
なので他人のリフォーム事例はあくまで参考程度にしかならないことは知っておきましょう。
- 田舎の方が安い/大都市に近づくほど高い(例えば埼玉・千葉などは、東京に近づくほど相場が高くなりやすい)
- 大手業者ほど高く/小規模業者(家族経営や個人親方の大工)の方が安い
という傾向があります。
3:写真や動画で簡易的な見積もりをしてくれるリフォーム業者を探す
内見したときにリフォームしたい箇所の写真や動画をスマホで撮影しておき、リフォーム業者に動画や写真を送ってざっくりとした見積もりを出してもらうという大家さんもいます。
現地での見積もりに比べると精度が落ちる点は仕方ないですが、それでも購入前にざっくりとでもリフォーム費用のイメージがつくのは大助かりですよね。
ただ、これは付き合いのある業者さんがいての場合のことが多いです。
私もネットで検索したリフォーム業者に何社か写真や動画での見積もりを頼んでみましたが、やはり現地で直接みないと……という感じで断られてしまいました。
組織的にやってる中〜大きめなリフォーム業者だと難しそうな印象でしたが、フリーでやってる大工さんや一人親方なんかだとこうしたお願いにも融通を効かせてくれるかもしれません。
4:最初の内見で付き合いのあるリフォーム業者さんを連れて行く
すでに付き合いのあるリフォーム業者さんがいる大家さんは、物件の内見にいくときに最初からリフォーム業者さんと一緒に行くという人もいます。ただ、これはそれなりの付き合いと信頼関係がないと難しそうですが…。
友達だったり交友関係の中にリフォーム業界の人がいれば、交通費とご飯でも奢ってついて来てもらえるんですけどね。私には残念ながらそのような知人は一人もおりません。
リフォームは経験を積んで相場感を育てていくもの
付き合いのある業者さんがいる人は色々と融通を効かせてもらうこともありますが、やはり基本的には購入前のリフォーム費用の想定は自分の頭で行わないといけません。
それにはどうしても経験則が必要になるので、初めての物件でリフォーム費用の読みが想定と外れることは避けられないと私は思っています。何事も最初から完璧に上手くいくことなんてなく、最初は失敗がつきものですからね。
私はリフォーム相場を知るために、初めての物件で4社のリフォーム業者に見積もりを出してもらいました。
4社の見積書をじっくり見比べてみると、大体クロスは安いといくら/高いといくら、キッチン交換はいくら、畳の表替えはいくらくらい……といった感じで、おおよその相場感が分かってきます。
1社くらい大手リフォーム業社にも見積もってもらうと、大手がどれだけ高いかも実感できます
こうして最初の物件でリフォームを経験すれば、次の物件からは大体のリフォーム費用が自分の頭でもイメージできるようになってきます。そんなに正確ではなくても、「3LDKで水回りはそのまま使えそうだから、100万円あれば余裕だろう」といったくらいのイメージです。
なので、最初の物件は多少リフォーム費用で外すのは仕方ないと割り切って、経験を積むための必要コストだと思った方がいいかと思います。
リフォームの見積もりどうすんだってアレコレ考えて結局全然物件が買えない……なんて足が止まっちゃうのが一番最悪なので。