【どっちが儲かる?】不動産投資が株式より優れているメリット・デメリットって何?

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不動産投資を始めていろいろな不動産投資家さんを見ていると、想像以上に不動産以外の株式など金融投資には疎い人が多いことを感じています。

不動産投資家の中には株式投資をほとんどやったことない人も多いし、あるいは過去に株から入ったけどボロ負けしたので不動産に移ってきたという人も少なくありません。不動産は好きだけど株とかそっちはからっきし…という人の多さに驚きました。

私は逆に、株式畑から不動産畑に入ってきた口です。株式などペーパーアセットに入れていた資金を、リスク分散の目的で不動産にも分散しておこうと思って不動産投資を始めることにしました。

その際に、

不動産投資が株式投資より優れている点(メリット)、あるいは劣っている点(デメリット)はなんだろうか? どっちがより儲かるんだろうか?

ということを色々と調べて考えてました。

株式投資クラスタで数億円、数十億円の資産を持っている投資家には、「不動産はやらない」と言う人は少なくありません。逆に不動産投資家で数十億円規模を運用している人には「最速で資産を築くなら不動産」と主張する人もいます。

投資するなら不動産か株式か、どっちがおすすめなのか?

両方を経験した私の考えを下記で書いていこうと思います。

目次

株式投資と不動産投資のメリット・デメリット簡単まとめ

深い話をする前に、ざっとイメージしやすいように私の考える株式投資と不動産投資のメリット・デメリットをまとめておきます。

  株式投資 不動産投資
期待利回り 5%前後 4〜20%
メリット
  • 保有に手間・コストがかからない
  • 誰でも少額から始められる
  • レバレッジが効く
  • 値動きストレスがない
  • 実績を積めば好条件で投資が可能
デメリット
  • 資産増加スピードは緩やか
  • 情報の非対称性がない(インデックス投資)
  • 値動きストレスがある
  • 保有維持に手間・コストがかかる
  • 情報の非対称性が強い
  • 始めるのに種銭・属性が必要

細かいメリットデメリットは多々あるも、私が一番デカい要素だと思う部分を記載しています。

では、これらをなんとなく頭に入れつつ、下記で深掘りしていきます。

 

株式投資と不動産投資、より利回り(リターン)が高いのはどちらか?

まずは一番大事な収益性について。

投資の収益性は「利回り」で語られることが多いです。年間で投資金額の何%くらいの儲けが出るかって話ですね。

まずは単純に、株式投資と不動産投資の一般的な利回りを比べてみましょう。

もちろん株式も不動産も、100%確実に動く相場なんてものはないので、あくまで期待利回り(平均利回り)であることはあしからず。

株式投資の平均的な期待利回りは年5%程度

まず株式投資についてですが、デイトレーダーや専業投資家みたいなイメージは排除してください。あれはいわばポーカーのプロみたいなもので、ギャンブルとは言わないまでも投資ではなく投機(賭け事)のプロです。

ここで考える株式投資は、あくまで経済の成長に資産を乗せる長期投資であり、近年最もポピュラーなのは「インデックス投資」というものです。

一般個人が数十年という長期スパンで最も資産を増やせるのはインデックス投資(積立投資)であると、数学的にも統計的にも証明されています。なので個別株への投資もここでは考えません。株式投資=インデックス投資として語ります。

ほりっく
インデックス投資は、簡単にいえば「市場全体(の指数)」に投資することです。個別の会社に投資するのではなく、日本経済全体、アメリカ経済全体、世界経済全体など、経済全体へ投資するイメージです。

詳しいことはここでは語りませんので、インデックス投資を知らない人は別で調べてみてください

インデックス投資にも色々な銘柄がありますが、最も人気があるのが「全米株式インデックス」と「全世界株式インデックス」です。つまりアメリカ経済全体に投資するものと、世界経済全体に投資するものです。

 

この全米株式や全世界株式インデックスの直近10年くらいの平均利回りが7%くらいです。

ただこの10年はかなり好景気かつ金融緩和というボーナスタイムだったこともあり、それを考慮するとインデックス投資の平均的な期待利回りは5%程度とみている人が多いですね。

なので株式投資に資産を投じる場合は、おおよそ年間5%前後のリターン(利回り)が期待できると仮定しておきます。

 

不動産投資の利回りは手法により様々

では、不動産投資の利回りはどうでしょうか。

これが難しいところで、不動産というのは「この世に同じものが二つとない資産」なので、当然ながら利回りは物件ごとに全然違います。

一棟ものなのか区分なのか戸建なのか、新築なのか中古なのか、都心なのか地方なのか……あらゆる要素によって利回りが変動します。

地方の中古物件であれば利回り20%以上の物件を見つけることもできますが、都心の築浅物件なんかは利回り3〜4%なんてものもザラにあります。

私が扱っているような埼玉・千葉といった首都圏郊外エリアだと、耐用年数オーバーの築古戸建でも市街化区域なら利回り10%〜12%くらいが割と普通です(2021年現在は物件価格が高騰している影響が大きい)。

地方で古くなるほど利回りも高くなるので、私が築古戸建なんかを購入するときは利回り12%を一つの基準(表面利回り)として持っています。

もっと都心寄りだったり築浅物件を手掛ける人は利回り8%もあれば万々歳というケースもあるし、もっと全然地方だったりボロボロ物件を扱う人は利回り20%は最低欲しいというケースもあります。

 

とはいえ、「物件による」で終わったら元も子もないので、仮に埼玉とか千葉あたりで中古アパートを利回り10%で運用する場合というのを考えてみましょう。

株式投資の平均期待利回りが5%なら、中古アパートを10%で運用できれば不動産投資のほうがおすすめなのか?

と問われれば、残念ながらそう単純な話ではありません。

もし本当にそうであれば、みんなインデックス投資なんかやめて中古アパート投資を始めるはずです。

不動産投資のデメリット|なぜ株式投資家は不動産投資をしないのか?

運用資産が億を超える株式投資家の中には、不動産投資はやらない宣言をしている人も多くいます。私の肌感覚では、株で資産を築いた人はほとんど全資産を金融資産で運用し続け、不動産には手を出さない人がほとんどな気がします。

(医者やエリートリーマンなど本業で資産を築いている人は、株や不動産など多角的に手を出している人が多い)

では、株を主戦場にしている人たちから見て、不動産投資のデメリットはなんなのか?

不動産投資の3つのデメリット

  • 保有維持に手間・コストがかかる
  • 情報の非対称性が強い
  • 始めるのに種銭・属性が必要

冒頭でもまとめたとおり、不動産投資はこの3つのデメリットが大きいです。

それぞれ説明します。

1. 物件を保有維持するのに多大な手間・労力・コストがかかる

株式投資であれば、株や投資信託の手間やコストはほぼかかりません。スマホでポチッとすれば買えますし、積立投資にしても一度設定してしまえば、あとは何十年だろうとほぼノータッチで自動的に積み立ててくれます。

それと違い不動産はそうはいきません。土地や建物といった現物資産を保有するので、当然ながら維持管理するのに労力と手間がかかるし、固定資産税や修繕費用といったコストが保有する限りかかってきます。

まず購入するのだって、時間と労力を使って何度も何度も物件に足を運んで選定する必要がありますしね。

 

この「圧倒的な面倒くささ」が、不動産投資が株式投資に大きく劣る一つの要素です。

 

物件の管理には管理会社を使ったり、修繕やリフォームにはリフォーム業者を使ったりと、あらゆる場面で専門業者に外注すれば負担は減らせますが、それでも各業者を探したり手配したりといった対人コミュニケーションの労力は必ず発生します。

もう「色んな人と関わらないといけない」だけで、不動産より株式の方がいいという人も多いでしょう。

ほりっく
人とあまり関わりたくないタイプの人は、絶対に不動産投資はおすすめしません

さらに利回り10%を超えるような築古物件だと、購入してから様々な修繕コストがかかってきます。

雨漏りだとか配管から水漏れとかエアコンが動かないとか……こうした修繕は購入時点で正確に予測するのは不可能なので、運営を始めてから予想外のコストが様々降りかかってきて当初の想定利回りが実現不可能になった…なんて事態は日常茶飯事です(私です)。

このように、とにかく手間と労力とコストがかかってくるのが不動産投資です。

もはや不動産投資は「投資」ではなく「事業」であると主張する人が多いのも、このためです。

 

2. 不動産投資は情報の非対称性が強い

株式投資家が不動産投資を嫌う大きな理由に「情報の非対称性」があります。

情報の非対称性とは、買う側(我々)と売る側(業者)の持っている情報が平等ではないといった意味で、つまり買う側が十分な情報を持って判断しにくいということです。

 

簡単にいうと、”不動産投資は圧倒的に業者に騙されやすい”ということですね。

 

不動産業者が持っている情報の全てを、買い手側のど素人の我々が知ることはできません。業者が嘘を言うことはないまでも、都合の悪い情報をあえて言わなかったりすることは日常茶飯事です。

株式投資であれば、全ての上場企業は売上・利益・資産・負債といった企業内の数字を嘘偽りなく公開することが義務付けられています。なので買い手側は企業のサイト(IR情報)などを見れば誰でも平等に情報を取得して判断することができます。

しかし、不動産ではこれができません。登記簿の情報くらいは取得できますが、その裏にある情報は不動産屋の営業マンに聞くしかないわけで、不動産業者のさじ加減で我々買い手が手にできる情報はいくらでも操作できます。

なので不動産の世界では、業者が自分の数字を上げるために投資家にゴミ物件を売りつけるといった詐欺的な行為が多発しています。これも不動産は情報の非対称性が強くて、情報の真偽が判断できない買い手側が圧倒的に不利な構造にあるためです。

 

ほりっく
こうした手間や労力といったコスト、そしてゴミを掴まされるかもしれないリスクを背負うくらいなら、多少期待リターンが低かろうが圧倒的に手軽に運用できる株式投資(インデックス投資)の方がいいという主張は、

実際に不動産やってる私からしてもめちゃくちゃ分かります

 

3. 不動産投資は種銭や属性がいる

また、不動産投資は株式投資のように誰でも少額から始められるわけではありません。

築古戸建を現金買いで始めるにしても300万〜500万程度の種銭は必要になりますし、融資を使って物件購入するならそれなりの属性(職業・年収など)が必要になります。

とくに(次で言いますが)不動産投資の最大の強みを活かすなら融資が絶対不可欠になるので、そもそも銀行がお金貸してくれるような属性がないと不動産投資をする旨みは少なくなります。

例えば専業の株式投資家とか、いくらそれなりに資産持ってても銀行からは無職扱いされるので(言い過ぎ)、融資が使えずに不動産投資の旨みが少なくなりがちです。

逆に資産は庶民的でも公務員や士業・大企業サラリーマンは銀行評価が高くて融資がつきやすいので、株式投資よりもむしろ銀行から大金借りて不動産投資やった方が旨みがあったりします。

なので医者のような属性も最強で稼ぎもいい人たちは、属性をフルに活かして不動産投資やってる人多いですね。

 

不動産投資の最大のメリットは融資を受けてレバレッジ投資できること

ここまでの話を聞くと、

 

「時間も手間も労力もかけて、騙されるリスクも背負って、それで利回りが株よりたかが数%高いくらいじゃ、不動産投資なんて割りに合わなくない?」

 

って思ってる人が多いと思います。私もずっとそう思ってました。

そして色々と調べた結果、不動産投資が株式投資に最も大きな強み・メリットとは、

 

”他人の金(銀行融資)”で、”レバレッジをかけて”投資できる

 

という1点に尽きると結論づけています。

「他人」からお金を借りて、「他人」のお金で返済できる商売

例えば、資産が300万円の人が株式投資で年間10%で運用できたとしたら30万円の利益が生まれますよね。

これが不動産投資だと、仮に300万円を頭金にして銀行融資を受け、3000万円の中古アパートを購入して利回り10%で運用できた場合、いきなり300万円の利益が得られます(もちろん、そこから返済など費用はかかりますが)

つまり同程度の利回りだとしても、融資を受けて手持ちの数倍の資金量を運用できる不動産投資は、それだけ資産の増加に拍車をかけることが可能になります。

あるいは、もしフルローンで融資が受けられた場合、

他人(銀行)からお金を借りて家を買い、他人(入居者)のお金で返済し続ける。

借金はいずれゼロになりますが、建物や土地の価値はゼロにはなりません。その残った価値が丸々自分のものになる。

(しかも返済中も家賃-返済額の収益が入り続ける)

それこそが不動産投資の醍醐味というわけですね。

 

もちろんレバレッジをかけて投資をする場合、もし失敗したときは損失もその分拡大します。

ただ不動産投資は株式投資の短期トレードやFXのようなゼロやマイナスになるような失敗はしづらく(土地建物という現物があるので)、手堅い投資です。何百年という歴史があり、再現性が確立されているというのは不動産投資の強みなので。

実績を積めばさらに好条件で投資できるチートゲーム

もう一つ不動産投資の大きなメリットを加えると、

実績を積めば詰むほど好条件で投資できるチートゲームになるということです。

例えば、何億〜何十億という資産を動かすメガ大家ほど、銀行からの扱いも高待遇になって低金利・長期間で多額の融資が可能になっていきます。

さらに実績の多い投資家ほど、好条件の物件情報が早く回ってくるのも世の常。美味しい物件情報は常に上流の投資家たちの間で回されるもので、末端には降りてきません。

このように、不動産投資というのは実績のある投資家ほど別次元の好待遇っぷりでゲームに参加できる仕組みです。

株式投資であれば、億トレーダーだから割引価格で株を購入できるなんてことはありません。プロも初心者も同じマーケットで同じように売買するので平等です。情報だって先に仕入れればインサイダー取引として逮捕されます。

しかし不動産投資は、インサイダーありまくりの、取引面での優遇(主に融資)ありまくりです。

実績を積めば積むほどチートになっていくので、不動産投資である程度の規模になった投資家は、株のような金融投資よりも不動産投資で突き抜ける方が多いです。だってチートだから。

 

【まとめ】融資を活用してこそ不動産投資の旨みがある

というわけで結論として、やはり株式投資ではなく不動産投資を選ぶメリットというのは、融資を活用して投資ができるという点に尽きる私の中では明確に結論づけています。

株式投資では融資してもらえないですからね。投資と名のつくもので銀行がお金を貸してくれるのは不動産だけではないでしょうか。

その意味で言うと、あくまで私個人の意見ですが、現金買いのみで不動産投資を行うのはメリットが薄いと感じています。仮に現金で築古戸建買って表面利回り12%で運用したとして、手間や労力や将来的な修繕コストなど様々なリスクを考えると、その現金をインデックス投資でノータッチで利回り5〜7%くらいの複利運用をした方が手軽・気軽でいい気がします。

ちなみに私はまさに不動産投資デビューで現金で利回り10〜12%くらいの築古戸建を購入しましたが、現金買いした理由は、いきなり融資を受けるのは難しかったからですね。まずは現金買いして不動産の運営実績を作って、融資を受けられるようにしようという作戦でした。

やはり不動産投資はレバレッジを使ってこそ旨みがある。現金オンリーなら株式投資でいいかな、と私は考えています。

 

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