日経平均株価とは、東証一部に上場している2000以上の銘柄から代表225銘柄を選出して算出している平均株価です。当然ながら、225銘柄の値動きによって日経平均も動くので、株式市場が開いている午前9時〜午後15時の間で値動きすることになります。
でも、夜間に「日経落ちたー!上がったー!」といった投資家の騒ぎを聞くことありますよね。そこで初心者は、
「え、日経平均って夜間も動くの?」
と疑問に思ったはずです。
今回の記事では、その辺のことについて基本的な知識をまとめていこうと思います。
まず先に結論言うと、日経平均株価自体は夜間に動いていません。夜間に動いているのは「日経平均先物(正式名称:日経225先物)」という商品です。
日経平均先物については世界でほぼ24時間取引されているので、夜間や明け方なんかに「日経上がった!下がった!」と騒ぐのは、日経平均先物のことを言っています。
なので、夜間に日経平均を取引したい場合は「日経平均先物」を取引するか、あるいは先物と似た商品である「日経平均CFD」もほぼ24時間取引できます。
日経平均を夜間も取引するなら
- 日経平均先物(中級〜上級者向け)
- 日経平均CFD(初心者にもおすすめ)
もっと詳しくは下記で書いていきます。
夜間に動いている(取引されている)「日経平均先物」について解説!
日経平均先物(日経225先物)とは?
前述した通り、夜間に動いている日経平均は、正確には「日経平均先物」という商品です。
「日経平均先物(正式名称は日経225先物)」は簡単に言うと、日経平均株価と連動するように設計された金融商品です。いわば日経平均の疑似商品ですね。
そもそも「日経平均」とは225銘柄の平均値(指数)のことなので、日経平均という株があるわけではありません。でも、日経平均は日本の景気そのものを表す指数なので、その指数の上げ下げに投資したい。225銘柄の株を全て均等に購入すれば実質的に「日経平均を買った」ことになりますが、面倒すぎですよね。
そんなニーズから、シンプルに日経平均株価と同じ値動きをする商品として「日経平均先物」があるわけです。
ただし、先物取引というのは「差金決済取引」といって、現物(商品そのもの)を売買するわけではなく、商品の値動きに賭けるだけのゲーム(取引)です。日経平均先物を買ったからといって225銘柄の株式を手にするわけではなく、あくまで日経先物の値動きとの差額分を儲けたり損したりするだけの取引です。
夜間も取引可能!日経平均先物の取引時間
「日経平均先物」という金融商品は、世界の以下3つの証券取引所で扱われています。取引可能な時間は、各取引所の業務時間によって違います。
証券取引所 | 取引時間 |
大阪証券取引所(大証) | 8:45〜15:15 16:30〜翌5:30 |
シカゴ商業取引所(CME) | (日本時間) 8:00〜6:15 |
シンガポール証券取引所(SGX) | (日本時間) 8:45〜15:30 16:30〜20:00 |
こうしてみると、日経平均先物は世界でほぼ24時間取引されていることが分かります。
先物価格が株価に先行する?日経先物が日経平均株価に与える影響
「日経平均先物は、日経平均株価の動きに先行する」とよく言われます。つまり、夜間も動く日経先物が先に上がったり下がったりと動き、それを受けて後から実際の日経平均株価が(先物価格を)追ってくるという意味です。
理屈は単純で、先物は夜間も動いているので夜間に出てきたニュースや世界情勢に敏感に反応するからです。現物の株価は夜は取引されないので、夜に大ニュースが来ても動くのは翌朝です。なので遅れて先物についていく展開になりやすいのです。
また先物取引は取引高が大きい(取引倍率が日経平均の100倍〜1000倍)ので、大口投資家や機関投資家の縄張りです。なので市場を動かす大口の動向も、まず先物市場に現れやすくなります。
そうした意味で、日経先物は株価の先行指標になるのです。先物取引をしない人でも、日経平均先物の動きは注目しておく必要があります。
先物価格と株価がほぼ一致するのはなぜ?
「日経平均先物」と「日経平均株価」は厳密には別物ですが、価格は常に”ほぼ”一致して動いています。数百円の差は出ますが、ほぼ同じ動きをするようになっています。
例えば、現物(日経平均株価)が動かない夜間に大ニュースが来て、日経平均先物が先行して大きく動いたとします。その時点で現物と先物に大きく乖離が生まれても、翌朝に株式市場が開いて現物が動くようになれば両者の乖離は縮まるように動き、再びほぼ同じ価格に戻ります。
これは、市場で「裁定取引」が働くからです。
先物が現物から乖離して上がった場合は、「先物を売って、現物株を買う」という投資家が必ず出てくるし、先物が現物より大きく下がった場合は「現物株を売って、先物を買う」という投資家が必ず出て来ます。
「日経先物と日経現物は同じ値動きに収束するもの」なので、瞬間的に両者に大きく価格差が生まれたら高い方を売って、安い方を買えば儲かるわけですね。こうした一時的なズレを利用するのが裁定取引です。
このように、市場では一時的に価格のズレや歪みが生まれても、裁定取引によって即座にズレは修正されるので、日経平均先物と日経平均株価はほぼ一致するように動くわけです。
日経平均先物は初心者には向かない「大人向け」の取引
夜間も日経平均を取引できるメリットを持つ日経平均先物ですが、先物市場は「大口の戦場」と化しているので、正直に言うと投資初心者にはあまりおすすめしません。
まず、日経平均先物は取引量がデカすぎます。
日経平均先物には「日経225先物(ラージ)」と「日経225先物mini」という2つの商品があるのですが、日経平均株価2万円とするとラージは1枚で2000万円相当、miniは1枚で200万円相当を動かすことになります。
日経225先物(ラージ) | 日経225mini | |
取引倍率 (日経平均2万円なら) |
1000倍 (1枚で2000万円) |
100倍 (1枚で200万円) |
最小証拠金 | 70万〜90万円 | 7万〜9万円 |
呼値(価格の刻み) | 10 | 5 |
レバレッジ | 最大20倍〜30倍 | 最大20倍〜30倍 |
必要な最低証拠金は、その時々の日経平均株価によって変動します
取引倍率というのは、対象指数(この場合は日経平均株価)の何倍価格で取引するかという設定です。通常の日経225先物(ラージ)は1000倍、miniでも100倍に設定されています。
つまり、先物ラージを1枚持つと「日経平均株(2万円)を1000株持っている状態」と同じ、miniなら1枚持つと「日経平均株を100株持っている状態」と同じです。
日経平均が2万円なら、先物ラージなら1枚ポジションを持つのに最低必要証拠金は70万ほど、1枚持つだけで2000万円相当を動かすことになるので、レバレッジ最大20〜30倍で取引が可能です。
個人投資家ならせめて日経先物mini一択ですが、それでも1枚持つだけで200万を動かすことになるので、投資初心者にはハードルが高いですよね……。
- 最初はもう少し少額から投資を始めたい……
- 数百万をいきなり動かすのは怖い……
という初心者の人は、次で紹介する「日経平均CFD」を取引するのがおすすめです。
夜間も取引可能!より少額から始めやすい日経平均CFDを取引しよう
日経平均CFDとは?
日経平均先物と似た商品で、「日経平均CFD」という商品があります。
日経平均CFDも、先物と同じく「日経平均株価と同じ値動きをするように設計された金融商品」です。現物株をやりとりするわけではなく、あくまで日経平均の上下に賭けて差額を稼ぐ差金決済取引の一つですね。
先物はどちらかいうと大口投資家や機関投資家が御用達のプロ向けの商品ですが、CFDはより少額から投資できるので個人投資家向きです。私も日経平均のトレードは先物ではなくCFDを使っています。
CFDは夜間も含めほぼ24時間取引できるので、日経を平均を夜間にも取引したいならCFDはおすすめです。
日経平均CFDと日経平均先物の違い
日経平均CFDは先物と性質は似ていますが、CFDが大きく違う点としては、
- より少額から始められる(日経平均なら2万円程度から)
- レバレッジが10倍(先物よりレバレッジリスクが低い)
- ほぼ24時間取引できる
- 取引も直感的に分かりやすく、初心者も始めやすい
といった点ですね。
日経平均CFD | 日経225先物mini | |
最低証拠金 | 約2万円 | 7〜9万円 |
レバレッジ | 10倍 | 最大20〜30倍 |
取引期限 | なし | 限月あり |
取引時間 | 8時30分〜翌7時 | 9時〜15時15分 16時30分〜翌5時30分 |
(平日のみ。土日は除きます)
日経平均CFDは朝8:30分〜翌朝7:00までと、ほぼ24時間取引が可能です。先物取引のような日中と夜間の間に休憩も入りませんし、ほぼノンストップで取引できるのがメリットですね。
また、CFDはレバレッジ10倍、最低証拠金は2万円程度から始められます(日経平均2万円の場合)。初期投資2万円入れて20万円分を動かすイメージなので、先物取引よりハードルが低く初心者にも始めやすいと思います。
私も日経平均はCFDを使ってますが、始めて挑戦したときも非常にやりやすかったです。
とくに私が使っている「GMOクリック証券CFD(CFD取引では業界1位)」は取引アプリが非常に使いやすいので、すんなり始められます。
GMOクリック証券CFDのアプリ(iClick CFD)の画面。
注文方法や決済方法も直感的に分かりやすいインターフェースなので、CFD取引といえばGMOクリック証券CFDの一択ですね。CFDトレードしている人は大体ココ使ってると思います。
CFD取引は当然ながら「買い」でも「売り」でも入れるので、下げ相場になっても利益を出すことができます。ほぼ24時間取引できますし、日経平均をトレードしたい人ならCFDを使うのがおすすめですよ。
まとめ
日経平均株価自体は株式市場が開いている朝9時〜15時にしか動きませんが、実質的に日経平均として取引されている「日経平均先物」が夜間も動いているので、結局はほぼ24時間値動きしていることになります。
夜間の急騰や急落にも対応したいのであれば、「日経平均先物」か「日経平均CFD」を使いましょう。どちらかと言えば日経平均CFDの方が少額からハードル低く始められるので、初心者ならCFDから日経トレードデビューしてみるといいですね。
証券会社については、CFD取引であればGMOクリック証券CFDの一択でいいです。
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