中古物件の不動産投資をする上で、必ず必要になってくるのがリフォームです。とくに私のような築古戸建を扱う人であればリフォーム代をいかに抑えるかが利回りに大きく影響してくるため、1万円でもリフォーム代を安くすることに全力を注ぎます。
そこでぜひ活用したいのが、プロパンガス屋さんの協力です。
初心者の方だと「リフォームなのにガス屋?」と思うかもしれませんが、実はプロパンガス屋さんは、給湯器や洗面化粧台やエアコン、場合によってはキッチンやトイレなど色々な設備を無償で提供してくれる神様のような存在なんです。
仮にリフォーム屋さんで給湯器・洗面化粧台・エアコンを新調しようと思ったら、20万円とかかかっちゃいますよね。これがプロパンガス屋さんに無料でもらえるのだから、リフォーム代が相当節約できます。
ただ、全くノーリスクで無償提供してもらえるのかというと、そんなうまい話は当然ながらありません。
各種設備を無償で提供してもらえる代わりに、それなりのデメリットを背負うことにもなります。
下記で詳しく説明していきます!
【メリット】なぜプロパンガス屋は各種設備を無償で提供してくれるのか?
プロパンガス屋がエアコンや給湯器を無償でくれるなんて怪しすぎる・・・何か裏があるはず・・・?
と疑問を持つのは当然なので、まずはその辺から簡単に説明しておきます。
無償提供は契約が条件。プロパンガス業界は競争が厳しく、契約を取るためのサービス
まず、無償提供といってもプロパンガス屋さんとガス契約することが条件です。すでに別のガス屋と契約している場合は、ガス会社を変更する契約でもかまいません。
さらに契約といっても長期契約が条件となります。契約期間は10年だったり13年だったりガス屋さんごとに違います。
つまりプロパンガス屋さんは新規の長期契約を取るために、給湯器やらエアコンやら色々な設備を無償提供してくれるわけですね。
なぜそこまでするのかというと、プロパンガス業界というのは自由競争(料金など自分たちで決められる)のためライバル他社との競争がかなり激しいという事情があります。
なので「もし契約してくれたら各種設備を無償提供しますよ」という売り文句で、数々の大家さんや不動産所有者と契約を結ぼうとするわけですね。
無償提供された設備代は、入居者のガス代に上乗せされるから
無償提供などと言いつつ、実はプロパンガス屋さんが身銭を切って大家さんに提供してくれるわけではありません。
提供してもらう各種設備の代金は、その後その物件に入居する入居者さんの毎月のガス代に上乗せされるかたちになります。
つまり、大家が「無料」でもらえる設備の負担は、実は入居者さんが背負うことになります。この点がよーく考えなければいけないデメリットです。
プロパンガス屋に設備を無償提供してもらうデメリットは、ガス代が跳ね上がること
プロパンガスというのは、都市ガスに比べてガス料金が高いというデメリットがあります。そこに大家が色々な設備を無償で提供して貰えばもらうほど、入居者のガス料金はどんどん上がっていきます。
私はずっと東京に住んでいるので都市ガス生活なのですが、月々のガス代といえば2000円とかそこらのイメージが染みついています。
ですが例えば、プロパンガス屋さんにエアコン・給湯器・洗面化粧台あたりを無償提供してもらうと、その費用は入居者のプロパンガス料金に上乗せされ、月々1万円を超えるガス料金になったりします。
プロパンガスを嫌う入居者は多い
当然ですが、ガス代が月1万円なんて言われたら入居者が「ふざけんな高すぎっ!!」となるのは当然です。せっかく家賃6万円のお得な物件に住んだのに、プロパンガスのせいで月1万円負担とか言われたら家賃安い意味なくなりますからね。
私がお世話になっているプロパンガス屋さんに直接聞いた話ですが、やはりプロパンガスに対する入居者の拒絶反応は相当強いそうです。家を探す段階でプロパンガスの物件は除外する人も多いのだとか・・・。
そうなると、入居付けで決まりにくくなる可能性というのがまず一つ。
そして入居しても、毎月のガス代が高すぎることに嫌気がさして出て行ってしまう人も多いとのこと。
長期目線で見ると逆に損する可能性も・・・?
例えばプロパンガス屋さんに合計20万円相当の設備を無償提供してもらうとしましょう。20万円もリフォーム代が削減できたら大きいので大家さんは喜んでお願いするでしょう。
しかしその結果、入居者さんのガス料金が跳ね上がって、それに嫌気がさした入居者が数ヶ月で出ていってしまったら?
次の入居者探しのためのコストが発生しますよね。
ハウスクリーニング代もかかるし、次の入居者募集の手間、不動産会社への手数料、そして仮に次の入居者が入るのに3ヶ月かかったとしたら、3ヶ月分の家賃(もし出て行かれなければ入ってきたはずの家賃)をロスしたことになります。
仮に家賃6万円の物件であれば、これだけで20万円を超えるロス(費用)が発生するでしょう。
そう考えると、リフォーム代を20万円削るために入居者のガス料金を跳ね上げるより、リフォーム代を20万円多くかけても入居者のガス代を下げて、長く入居してもらう方が長期的に良い結果になることも全然あります。
リフォーム業者より安く設備を販売してくれるプロパンガス屋さんもある
私がよくお世話になっているプロパンガス屋さんは、エアコンや給湯器や洗面化粧台など各種設備をかなりの格安価格で販売してくれます。ほぼ原価スレスレの安さで、ガス屋さんは儲け度外視で売ってくれるわけですね。
無償提供してもらった場合(=入居者さんが負担することになる設備コスト)に比べても、だいぶ安いです。もちろん設置代・工事代を含めても、リフォーム業者さんに頼むより断然安いですね。エアコンなんか尋常じゃないほど安いです。
なので私はプロパンガス屋さんから無償提供してもらうのではなく、格安価格で買わせてもらうことが多いです。
その代わりその分は自分の財布から出すことになりますが、入居者さんのガス代を抑えられるので、それが長期入居につながりトータルで考えるとこちらの方がお得だろうという投資判断です。
なぜプロパンガス屋さんはそんな格安価格(原価ギリギリで儲けなし水準)で各種設備を提供してくれるのかというと、プロパンガス屋さんも入居者にできるだけ長期契約してほしい=ガス代をそこまで上げたくないからだそうです(業者に聞いた話)。
結局、大家に設備を無償提供すると入居者のガス代が跳ね上がってしまい、契約解除に繋がりやすくなってしまいます。なので大家さんに対して「格安で設備を販売させていただくので、無償提供にして入居者さんのガス代をあまり上げないでくれると助かります」という希望がうっすらとあるとのことです。
ただし、設備を格安で販売してくれるかどうかはプロパンガス屋さんごとの対応になります。無償提供はしても販売はしてくれないガス屋さんもあるので、確認が必要です。
都市ガスの物件にもプロパンガス屋さんが協力してくれることも
一度プロパンガス屋さんと契約してお世話になると、その後のプロパンガス物件ではもちろんのこと、都市ガスの物件でもリフォーム設備の面で協力してもらえることがあります(ガス屋さんによる)。
例えば私の場合は、都市ガスの物件でも格安価格でエアコンなどの設備を売ってもらうことができます。さすがにプロパンガス物件での販売価格より多少高くなりますが、それでも普通のリフォーム屋さんに頼んだり家電量販店で調達するよりだいぶ安いコストです。
このように、無償提供してもらうにせよ、格安販売してもらうにせよ、プロパンガス屋さんはリフォームにおいて非常に重要な存在になります。
東京のようにほとんど都市ガスなエリアのみで不動産投資するなら別かもしれませんが、地方郊外だとまだまだプロパンガスを使うエリアは多いです。なので、プロパンガス屋とのお付き合いは不動産投資の上で重要戦略になるでしょう。
プロパンガス屋さんの探し方|ガス屋の窓口など活用
最後に、プロパンガス屋さんの探し方について。
検索してみると分かりますが、地域のプロパンガス屋さんってHPを持っていないような業者も多くて「〇〇(エリア名) プロパンガス業者」とかで調べてもイマイチ分かりづらかったりします。
そういう時に役立つのが、地域最安のプロパンガス屋が探せる「ガス屋の窓口
HPリンクhttps://gasuyanomadoguchi.com
ガス屋の窓口は名前の通りですが、プロパンガス屋さん探しを手伝ってくれる窓口サービスです。地域ごとに最安のプロパンガス屋さんを提案してくれるので、プロパンガス屋が分からない!という人は利用しましょう。
プロパンガス料金は自由競争なので、業者によって同じプロパンガスなのに料金が天と地ほど違うケースがザラにあります。安けりゃいいって話でもないですが、高すぎると露骨に入居率が下がったり退去率が上がったりするので論外です。
ガス屋の窓口で地域の安そうな業者をピックアップしてみて、設備提供などしてもらえるか相談してみるといいでしょう。
新規で契約する際はもちろん、いま契約しているプロパンガス屋を変更したい・・・といった場合も、もっと良いガス屋を探すときに重宝するので便利です。もちろん変更で新規契約した場合でも設備提供はしてもらえることが多いです。
無料相談フォームもあるので、プロパンガス屋探しで手が止まってしまってる人はぜひ活用してみてください。