「新卒や転職の就活面接って、ぶっちゃけ顔採用でしょ?」
この疑問、誰もが一度は思ったことあるはずです。
私も新卒当時、またその後の2度の転職においても”当然ある”と思って受けていたので不安な気持ち痛いほどわかります。
私は最後に勤めていた会社で採用担当をしていた経験があるので、この顔採用問題について多少なりとも語れる部分があります。もう退社して現在は独立していますし、ブログの場で”採用側の本音”の部分を語ってみようかと。
というわけで以下は、顔採用に不安を持っている人つまり、イケメンでも美人でもない諸君に向けて書いていきます。
そして最初に結論から言ってしまうと、
顔採用はあります。
これはもう疑いようのない事実であって、顔が他者に与える影響力は非常に大きいです。
ただ、「顔採用」=「イケメン美女が有利になること」というわけでもない……ってことを、私の経験からツラツラと書いていきます。
美人やイケメンだと面接の採用率が上がるのはなぜか?
世間的に「顔採用」の語句の定義は、いわゆる美人とイケメンほど採用されやすいというイメージだと思います。
まず最初に、元採用担当の私からするとこの定義自体がすでにちょっと正確ではなく、美人イケメン有利問題というのは「顔採用」という枠の中の一部の事例に過ぎません。
ただそれは記事後半で説明するとして、やはり誰もが気になる美人イケメン問題から焦点をあててみます。
顔が良いほど面接の採用率が上がるのは事実
確かに、美人やイケメンなど顔が良い人材ほど採用確率が高まるのは事実です。
海外の研究調査でもその傾向は証明されていたと思いますが、およそどこの人事に聞いても否定する人はいないと思います。そりゃ人事も人間だもの。本能的に一緒にいて気分の良い人を選びたいものです。
参考までに、下記の画像はテレビ番組「所さんの目がテン!」において、就活で顔が有利に働くのかを検証するため、男女各4人ずつの面接に2人ずつモデルを仕込ませた結果です。
まぁ予想通りと言いますか、ほぼ全ての採用担当がモデルを採用するという結果になりました。
ただテレビ番組の調査ほど信憑性に欠けるものもないので、実際はここまで極端な結果(ヤラセ)にはならないと思いますが、カメラのない実際の採用現場でもモデルほど採用率が上がる傾向は出るでしょう。
私が在籍していたのは中小企業ですが、大企業で人事をしている友人と話をしても、やはり大企業でもイケメン美人が有利に働く傾向はあるそうです。
ただ、ここで2つほどポイントが。
イケメン・美人が有利な顔採用は、転職より新卒就職に多い
一般論ですが、イケメンや美女の意味での「顔採用」は転職よりも新卒就職の時に多いです。なぜかというと、新卒というのは、
- 一度に大量に採用する
- ポテンシャル採用なので「実績・実力」を見る必要が薄い
という特徴があり、採用担当も実力抜きに「顔で選んだ」ことを正当化しやすいんですよね。顔で選んだことがバレないと言いますか……。
一方、転職面接というのは即戦力採用なので、入社日から戦力としてバリバリ働ける実力が求められます。しかも人数は1人か2人程度、新卒と違って代えがきかないポストです。
ここで”顔はいいけど仕事デキない奴”を採用してしまうと、「なんでこんなヤツを選んだんだ」と人事の評価にも響いたりします。
そんな理由から、中途採用(転職)では”顔だけで選ぶ”ということはなかなか出来ません。採用者の評価は選んだ人事の評価にもつながるので、きちんとキャリアや実績を重視しています。
イケメン美人採用は職種による。受付事務、営業などは多い。
もう一つ、職種によってはイケメンや美女を採用することに合理的な理由があります。
その最たる例が「営業」「受付事務」「広報」といった、会社の顔として動くチームです。
営業職においてやはり顔面力は凄まじく効果があります。カッコいい・可愛い営業さんほど相手の懐に入りやすいのは当たり前。私だって可愛い営業の子が来たときは体温0.2度ほど上がりますからね(笑)。
広報や受付事務も同じです。会社の顔として一番露出の多いところで仕事する人たちの容姿は、会社の品格そのものに直結します。
テレビ局の受付のお姉さんは美人が多いですし、IT企業には美人広報がお決まりですよね。これはもう商品のCMやパッケージに綺麗な女優さんを使うのと理屈は同じです。
こうした職種では、よりイケメン・美女採用率が高まります。というか、求人を出す段階で企業が人材紹介会社に対して「お嬢様系の人をお願いします」とか「清楚系の美人を」とか注文を出していたりします。
これらの職種に挑むときは、こうした事実も受け入れる必要があります。
「顔採用」はイケメン・美人だけのことではない
最初に、顔採用 = イケメン美人採用というのは正確ではないと言いました。
採用側にとって本来「顔採用」とは、単純な顔の良し悪しよりもっと広義の意味で「その人の外見から察する人柄」的なイメージです。
「外見は、一番外側の中身」という言葉がありますが、まさにこのイメージに近いです。
それなりに多くの人と面接すると分かりますが、
人の顔には、その人の歩んできた人生が色濃くでます。
顔というより、仕草やしゃべり方、視線や表情のクセといった総合的な「外見」ですね。
極端な例ですが、5年間バリバリ営業に励んでた人と、5年間引きこもりニートをしていた人に同じスーツを着せて同じ内容の面接をしたとしても、2・3回も質疑応答すればほぼ確実にどちらがどっちか判別できます。
これはブサイクかイケメンではなく、ちょっとした表情のくもりだったり視線の揺れ方、うつむくクセ、姿勢、覇気の違いといった些細な点でビックリするくらい違いが伝わるものです。
毎日薄暗い顔で仕事をしてきた人は、やはり話し方や表情にも薄暗さがでます。みんな必死に笑顔を取り繕いますが、ふとした瞬間の表情の陰りやうつむき加減を面接官はバッチリ見ています。こうした陰りが見えてしまう人はやはり採用したくありません。
また私が実際に多く見たのは、人を内心で下に見ているタイプの中年です。本人は気づいてないかもしれませんが、ちょっとした笑い方や返事の仕方で、目下の人間と対応している感が如実に出ています。
「はっw」とか「へっw」とか鼻で笑うクセがついていたり、自分語りするときに顎が上向いたりとか。
本当にビックリするくらいいました。とくに40代以上でそれなりに大きな会社から来ている人に多いです。その「来てやってる感」、思いっきり顔に出ていますからね。
このように、採用担当にとっての「顔採用」とは、美男美女の意味合いよりもっと広く「その人の仕草やクセなど含めた総合的な外見から発せられる人物像」を重視するということですね。
顔採用は”足切り”的に作用することが多い
私は大学生の頃ずっと渋谷のバーでアルバイトをしていて、そこで常連の大企業サラリーマンの人なんかとよくお話する機会があったので色々聞いていたのですが、その中で印象に残っていたのが、
「顔採用は足切りだね」
というセリフ。
当時はよく分かりませんでしたが、実際に採用担当になってみると非常に的を得たセリフだなと実感しました。
一般的な顔採用のイメージは「美男美女を採用する」ですが、実際には「明らかにヤバそうな外見の人を最初に足切りする」という意味合いが強いということです。
例えばこんな人
- 清潔感がない人
- 目が死んでる人
- 顔色が悪く不気味な人
- 不健康そうな人(極端なガリ、または極端なデブ)
- 見るからにオラついている人(人相が悪い)
こういう人は、顔(外見)だけで一発で足切りされることも少なくありません。美男美女のための顔採用というよりは、こういう人たちをふるい落とすためのフィルター的顔採用です。
人は外見で判断しちゃいけないって表向き言いますけど、日常生活を思い返してみてください。
実際ヤバい人とか面倒クサい人って、十中八九、見た目からして”そんな感じ”の人じゃありませんか? テレビニュースで警察に連行される容疑者を見て、「あ〜やりそうな顔」と思うこと多くないですか?
見た目通りの内面の人の方が世の中はるかに多いと思います。
外見は中身の一番外側とはまさにその通り。
もちろん100%とは言いませんが、見た目ヤバそうな人は中身もヤバい確率が高まる以上、採用する身としてはリスクを犯したくありません。その人以外にも候補はいますから無理に採用する必要もありません。
この場だから綺麗事を抜きにすると、「生理的に無理」という理由で落とされる人も実際います。社会は人間同士の関わり合いである以上、うわべは理屈で固めても、その根底には感情が動いています。
第一印象で全てが決まるとも言いますが、それほど相手の感情にマイナス印象を与えてしまうと取り返しがつかないということです。
面接対策として「笑顔の練習」は超大事
つまり、
「美男美女じゃないから仕方ないか……」
ではないんですよ。「顔採用」は美男美女とそれ以外の間に入るフィルターではありません。
むしろ、ゼロとマイナスの間に入る足切り用のフィルターだと捉えた方がいいです。
表情、清潔感、しゃべり方、声のトーン、視線など、どこかにマイナス要素があれば絶対に改善しておいた方がいいです。
とくに威力が大きいのはやっぱり「笑顔」。
陳腐な言葉に聞こえますが、笑顔が内外部に与える力は絶大です。
笑顔は、それだけで自分も相手も”釣り上げる”作用があります。
意識的に口角を上げて笑顔を作れば、自分のしゃべり方も自然と”釣られて”明るくなり、思考も”釣られて”自然とポジティブに動きます。
それだけでなく、笑顔を見せることで相手もその笑顔に”釣られて”自然と笑顔になります。飲食店の店員さんが笑顔で話しかけてくれると、それに対応するあなたも自然と笑顔になっているはずです。
このように、笑顔は意識的に作ることで自分も相手も、内側も外側も引っ張りあげる力があります。ある意味で「錯覚」の力とも言えるでしょう。これを使わない手はありません。
下記の記事でも書いていますが、面接前には自分のしゃべりを録画して実際に見てみた方が絶対いいですよ。
自分の声を初めて聞いて「えっこんな声なの?」と驚いた経験は誰でもありませんか?
自分のしゃべりや動作を見たときの”ショック”は、その比じゃありませんよ。
- えっ、自分ってこんな声ボソボソなの?
- えっ、自分ってこんな仕草モジモジしてるの?
- えっ、何でこんな喋ってるとき半笑いなの?
- えっ、何でこんな喋ってるとき手とか足とか揺れてるの?
- 僕(私)って、こんな気持ち悪かったの……?
と、自分が思ってた5倍以上は自分が気持ち悪いことに気づくと思います。
私も求職者側の席に座っていたときは「笑顔の練習って(笑)」と軽くみていましたが、面接官の席に座ってからは笑顔の重要性がまざまざと分かりました。
ニヤニヤの笑顔と、爽やかな笑顔は違います。天と地ほど違います。
そして、笑顔を”トレーニング”していないほとんどの求職者が出しがちなのはニヤニヤ笑顔です。
モデルさんがなぜ鏡に向かって笑顔の練習に励むのか? それは、好印象を与える「爽やかな笑顔」は意識して鍛えないと出せないからです。
なんとなく出せる笑顔は、普段友達と喋っているときのニヤニヤ笑顔だけなんですよね。
まとめ
笑顔の練習をしましょう。
自分でも録画して確認しつつ、転職エージェントを利用して模擬面接も必ず受けてトレーニングしましょう。
清潔さ、仕草や表情のクセなどマイナス印象となる部分は改善し、半笑いのニヤニヤ笑顔ではなく、爽やかな笑顔がキープできる顔面の筋力を鍛えておきましょう。
そうすることで、あぐらをかいている美男美女とも十分対等に戦えます。
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仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。
仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。
仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人。
「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。
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