日本映画の未来を変えたフジテレビ社長・亀山千広の経歴書

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亀山千広(かめやま ちひろ)/1956年6月15日ー

かつては時間帯別視聴率の三冠王を7年連続で獲得し、名実共に視聴率王として2000年代のテレビ界に君臨していたフジテレビ。

しかし、2011年に三冠を日本テレビに奪われると瞬く間に視聴率が暴落していき、今ではプライムタイムの平均視聴率でテレビ東京に破れるという異常なまでの凋落ぶりを見せています。

今回紹介するのは、そんな”どん底期”のフジテレビを牽引している亀山千広社長。

次期社長の内定を受けた当時まだ取締役だった亀山さんは、年長の副社長、専務、常務を”5人抜き”しての大抜擢として、就任に先駆けて大きな話題になりました。

ドラマや映画のプロデューサーとして活躍した黄金時代には、時代に先駆けてメディアミックスという手法を仕掛け、大ヒットさせた「踊る大捜査線シリーズ」は日本の実写映画歴代興行収入のトップを記録。

この「踊るシリーズ」はこれまでの日本映画史を塗り替える歴史的作品となりました。

まさに現在の日本映画界の父とも言える亀山さんについて、その経歴をまとめてみたいと思います。

 

 

目次

映画監督の夢を諦め、フジテレビへ入社

早稲田大学の政治経済学部に在籍していた当時の亀山さんは、映画監督になるのが夢でした。

当時、日本映画監督協会理事長を務めていた映画監督・五所平之助を師事し、彼の元で書生を務めながら、映画製作を経験します。

就職活動期になると、師匠の五所平之助氏から「映像を作りたいならテレビ局へ就職しろ」と言われた亀山さんは、その助言により目標をテレビ業界にシフトし、その後フジテレビに就職します。

後で分かったことですが、五所平之助氏がテレビ局への就職を勧めたのは、裏で亀山さんの親が会社勤めを促すようお願いしていたそうです。

1980年にフジテレビ入社後は、すぐに編成部へ配属されました。

 

ドラマ全盛期、「ロングバケーション」が社会現象を起こす大ヒット

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80年代は編成部でドラマや映画のプロデュースに携わってきた亀山さん。1990年に第一制作部(現・ドラマ制作センター)に移り、テレビドラマの全盛期を30代という最も仕事盛りの次期に迎えることになります。

96年には、プロデュースした『ロングバケーション』(主演:木村拓哉、山口智子)が瞬間最高視聴率43.8%を記録するモンスターヒット作品となり、 世間では『月曜9時になると街からOLが消える』という格言が生まれ、ピアノを習いだす男性が激増するなど(キムタクの役柄)、社会現象を巻き起こしました。

『月9』や『トレンディ・ドラマ』というフジドラマのブランドを確固たるものにした亀山さんは、名プロデューサーとして名を馳せるようになります。

日本映画史を変えた『踊る大捜査線』シリーズ

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『ロングバケーション』を大ヒットさせた翌年の97年、すぐ次にプロデュースしたテレビドラマが、これまた歴史的大作となる『踊る大捜査線』です。

しかし実は、テレビドラマ放映当初は、平均視聴率18.2%と当時としてはあまり高い数字とは言えませんでした。

しかし、亀山さんは上司に対して「最終回で20%を越えたら映画化させてくれ」と約束を取り付け、最終回に視聴率23.1%を記録したため踊るシリーズは映画化が決定します。(20%を越えたのは最終話のみだったので、本当に奇跡でした)

 

時代に先駆けたメディアミックス戦略

「ドラマから映画へ」という手法で生まれた踊る大捜査線の劇場版シリーズ。 フジテレビの自社制作ということで、自社メディアをフルに活用して大規模なプロモーション展開をしていくことで、多くの観客を呼び込むことに成功しました。

このように、テレビや広告を駆使して大規模な宣伝活動を行い、”半ば強引にヒットにつなげる”手法は「世界の亀山モデル」と称され(揶揄の意味合いもあるよう)、現在のテレビ局出資の大規模映画はほとんど「亀山モデル」を模倣しています。

ドラマから映画へ派生させる手法、そして大規模宣伝によるヒット化戦略はまさに、その後の日本映画業界を大きく変える要因となりました。

 

劇場版シリーズは日本邦画史を塗り替える大ヒット

もはや観たことない人のほうが少数派であろう映画シリーズは、以下のような興行成績を記録しています。

  • 『踊る大捜査線 THE MOVIE』配給収入50億円(日本実写映画歴代興行収入 4位)
  • 『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』興行収入173.5億円(日本実写映画歴代興行収入 1位)
  • 『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』興行収入73億円
  • 『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』興行収入59.7億円

(wikipediaより引用しているので、興行収入順位は最新ではないかもしれません)

とくに2作目の『レインボーブリッジを封鎖せよ』は実写映画の歴代1位を更新し、それまでの洋画優勢の興収を逆転させ、今日まで続く邦画優勢の大きな流れを生み出しました。

 

ヒットの秘訣は「テンポ」にあり?

踊るシリーズのプロデューサーである亀山さん、監督の本広克行さん、脚本家の君塚良一さんの3人は皆映画好きで、「ハリウッド映画はどうしてヒットするのか?」など、よく映画論を語り合っていたそうです。

そのとき脚本家の君塚さんが、「先を急げ、客は待ってはくれない」というハリウッドの言葉を仕入れてきて、3人は「テンポの早さ」という問題に着目したそうです。

その後のあるとき、電車に乗っていた亀山さんはたまたま少年雑誌を呼んでいた青年に目を向けた時、ページをめくるスピードがとてつもなく早いということに衝撃を受けました。

自分の感覚ではとても追いつけないスピードでページをめくる若者を見て「これだよ!」と気づきを得て、踊る大捜査線シリーズはとくにテンポの速さをあげることを意識して作っています。

そうした「ストーリー展開の早さ」が、踊るシリーズの大きな特徴であり、若者に支持される大きな要因となりました。
そして、この功績を持ってして、映画事業局局長 ⇒ 執行役員 ⇒ 取締役 ⇒ 常務取締役とキャリアアップしていき、2013年にフジテレビの社長へと昇格を果たします。

 

就任早々、社員の3分の2を大異動させる波乱

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日テレに抜かれ、先行きが下り坂になりはじめたところでの社長交代。新生フジの社長として亀山さんが真っ先に手を下したのが、大規模な人事異動でした。

その数、実に1000人。全社員の3分の2が異動になるという大改革です。

これには社員たちからも不満の声が漏れているようで、スタートから経営者として怪しい雲行きを見せているようです。
また人事のみならず、人気長寿番組であった「笑っていいとも」を終了させるなど番組編成にも大きな改変を断行していますが、視聴率改善の兆しは一向に見えず……。

どころか視聴率は悪化の一途を辿り、「振り向けばテレ東」どころか、振り向いたら誰もいない状況に差し掛かろうとしています。

 

震災発言でさらなるバッシング

もはや「褒められるところがない」という所まで堕ちきっているようにも見えるフジテレビですが、 業績低迷の理由を問われた社長会見で放った亀山さんの発言が、ネットを中心に大バッシングを浴びて炎上しています。

その発言の内容が以下です。

低視聴率のきっかけとなった要因を問われ、亀山社長は「3月11日ではないかなと思います。やっぱり、今までの押し出してきたワクワク感だったり、ドキドキ感だったり、少し浮き世離れしたお祭り感がどこかで絵空事に見えてしまうようになったのかなと思います」と回答し、東日本大震災がフジ凋落の根本にあるのでは、との見解を示した。 ライブドアニュースより引用

まるで、「フジの凋落は震災のせい」とも取れる発言に、一般人のみならず著名人たちからもバッシングの嵐。世間で巻き起こる”フジ批判”に、社長自らさらなる拍車をかけている状況に陥っています。

このような失言や悪手がたびたび目立ち、「取る戦略がことごとく外れている」などと、経営者としての手腕を不安視する声が社内外から続出している亀山さん。

しかし、「ロングバケーション」や「踊るシリーズ」でフジテレビ黄金期の立役者となった功績は揺るぎない事実であり、現場の人間は面と向かって声をあげることが出来ないという話もあるそうで……。

フジテレビが好調の兆しを見せるのは、まだまだ先か、それとも……。

 

いかがでしたか?

フジテレビがここまで低迷した最たる原因は、単純に「コンテンツの質の低下」だと思うのですが、それは制作者のクリエイティブ能力が育っていない(むしろ衰えている)証拠です。

最近はYouTubeなど動画サイトから拾ってきた映像を流すだけの番組もあるレベルですからね……。

バラエティは動画サイト、ドラマや映画は小説と漫画、もはや他所からコンテンツを借りてくるのが前提となってしまった今のテレビに、オリジナルコンテンツを生み出せる力があるのかどうか。

とくにフジテレビはコネ入社が多いようで↓↓

元アナウンサーなら俳優・竜崎勝の娘である高島彩や、同じく俳優・高橋英樹の娘である高橋真麻。現在もフジのアナといえば元プロ野球選手の田淵幸一の息子・田淵裕章や、俳優・生田斗真の弟の生田竜聖など。裏方スタッフにも俳優・陣内孝則の息子や、最近では歌手の藤井フミヤの息子が、フジの内定をとって大きく報道されるなどしている。

芸能関係に限らず、有名企業の創業者・役員や政治家の子息・親族も非常に多い。現総理大臣である安倍晋三首相の甥もフジテレビで働いているというのだから驚きだ。(ライブドアニュースより

優秀な人材が減っているのは、能力選抜ではないコネ採用によるところも大きいと報じています。

もはやコンテンツホルダーとしての力量がないようにも思えるフジテレビ。

かといってプラットフォーマーに徹するとしても、これからの時代はAppleやAmazon、Netflixといった”超優秀”なグローバル企業と渡り合わなくてはなりません。

そういった世界企業と真っ向から勝負するのか、それとも手を取り合って共存する道を模索するのか、 どちらにせよ、”メディアの王様”として君臨していた栄光時代が終焉しつつあることは、間違いありません。

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