世の中が副業解禁に動いているおかげで、「クラウドワークス」や「ランサーズ」のようなクラウドソーシングサイトで副業を始めるひとがめちゃくちゃ増えてきました。
私はもうかれこれ5年ほど、ランサーズとクラウドワークスでWEBライターさんを採用して外注依頼しているのですが、確かにライター募集に対する応募の数はどんどん増えてるのを実感します。まさに、世はWEBライター戦国時代といった感じ。
応募者数が増えれば当然、ライターの採用率は下がります。
私みたいな個人の零細事業主の募集にも、1〜2名採用したいところ10名以上の提案(応募)があったりしますからね。必然的に、応募数に対する採用率は1割すら切っていると思います。
そんな状況なので、最近ライターを始めたばかりの人は「提案しても提案しても、全然採用されないんだけど……」と悩んでいる人がかなり多いと予想します。
そんな悩んでいるライターに向けて、普段から「採用している側=クライアント側」の私が、どういうポイントを見てライターの採用/不採用を決めているか、を本音で語ってみたいと思います。
プロフィールのスキルだ経験だと悩んでいる人は、まずこの記事を読んでいただきたい。
こんなWEBライターは採用しない|応募時点で足切りにするポイント
まず最初に言っておきます。私の肌感覚では、仮に10名のライターから応募があったとすると、その中で採用するか否かプロフィールやライター評価まで見にいって「検討」に値するのがせいぜい4人くらいです。
つまり応募してくるライターの半数以上は、スキルとか経験以前に「常識やマナー的な問題」で秒で足切りしています。これは、私のような依頼主側の人なら首がもげるほど共感してくれるはずです。
では、具体的にどういうライターが秒速で足切りになるのか? いくつか例を出しましょう。
足切りポイント1:募集内容をまともに読まないで応募してくる
もう、これがめちゃくちゃ多い。信じられないくらい多い。応募してくるライターの半数くらいは、募集内容をちゃんと読まずにテキトーに応募してきます。
中には、テンプレートの提案文を作って手当たり次第応募してきているのが露骨すぎるライターも多いです(何回不採用にしても、何回も同じ提案文で応募してくる人とか……)。
こうしたライターたちのテンプレート応募文の多くは、
- 私にはこうした経歴があります!
- 今までこのような実績があります!
- Google検索を意識したライティングができます!
- 一週間で○本以上の記事を納品できます!
といったような「自分・自分・自分」のフレーズがオンパレードです。そこには自分のアピールしかなく、こちらの話を聞く耳をまるで持っていません。
なので私は、プロジェクトの募集内容には必ず「ご提案の際には、あなたの○○について記載してください」という注意事項を書くようにしています。例えばクルマに関する記事執筆依頼であれば、「現在お持ちの車種と乗車年数を記載してください」という感じです。
こう書いておくと、ちゃんと募集内容を読んでいる人と読んでいない人が一発で判別できるからです。提案文の中に車種と年数を書いていないライターは、その時点で不採用というわけです。
百人を超えるライターと仕事をしてきた私の経験上、募集内容をちゃんと読まずに応募してくる人に良いライターがいたことはまずありません。言い方悪いですが、かなりの確率で「地雷」です。
なので、まず最初の段階として、提案文を見た時点で5割以上のライターは足切りで不採用になります。
足切りポイント2:ビジネス敬語的にコミュニケーションの文章が雑・簡素すぎる
ビジネス敬語というのは、例えば「お世話になっております」や「何卒よろしくお願いいたします」といった、仕事上のコミュニケーションで使うマナー的なことです。
こうした最低限の敬語スタイルが使えず、明らかに文章が簡素で雑なライターも結構多くて、この場合も問答無用で不採用にしています。
不採用例としていくつか出しておきましょう。
簡素すぎる例
<応募文にて>
はじめまして。応募させて頂きます。
私は○○で××をしていたので、濃い記事を書けます。
納期は3日で大丈夫です。よろしくお願いします。
コミュニケーションが雑すぎる例
クライアント「お世話になっております。○○です。
この度は納品して頂きありがとうございました。こちら原稿を拝見させて頂きましたところ、○○の部分で指定と違った書き方になっておりますので、こちらだけ大変恐縮ですが修正して頂くことは可能でしょうか?
何卒よろしくお願い致します」
ライター「わかりました。書き直します」
雰囲気伝わるでしょうか?
こちらが丁寧に丁寧に伝えているにも関わらず、「了解です」とか「わかりました」のあっけらかんとした一言しか返ってこない……。なんかこう、もうちょっとあるでしょう! と。(笑)
こうした、「文章から丁寧な印象を受けない人」もその時点で不採用にしています。
こう聞くと中には「コミュ力とスキルは関係ないだろ?」とか「能力ある天才ほど失礼だったりするものだよ」とか主張する人もいるかもしれませんが、
ありません。まずありません。
私の経験上、コミュニケーション文章がザツな人はほぼ仕事もザツです。これはもう100人単位のライターを採用してきた経験則で言えます。初対面のコミュケーションでちょっとでも「あれ?」と思った人が、採用してよかったケースは皆無です。
言い方悪いですが、コミュ力のマイナスを実力でカバーできるような天才なら、そんな人材はそもそもクラウンドソーシングサイトにはいません。企業から直にオファーが来まくって稼ぎまくってるはずです。
繰り返しますが、
初対面のコミュケーションでちょっとでも「あれ?」と思った人が、採用してよかったケースは皆無です。ゼロ。
なのでライターの皆様に一つアドバイスがあるとしたら、
応募文を含め、クライアントとのコミュニケーションでは「必要以上」ってくらいに丁寧な姿勢(文章)を心がけることですね。その人の文章から感じる第一印象で50%は不採用になると考えていいです。
もちろん逆もまた然りです。クライアント側の私も、ライターさんに「丁寧なクライアントだ」と第一印象で思ってもらえるようにコミュニケーション文章には気を使って、意識的に丁寧にしています。
(基本的に20代の若者の方が礼儀正しいという……)
足切りポイント3:過去の所属会社や学歴を自慢してくるタイプ
アラフォー以上の男性で時々遭遇するのですが、「東芝で○○(役職)をしていました」とか「京都大学を卒業してます」とか、過去に所属していた大企業や有名大学のブランドをいまだに使って大々的にアピールしてくる自慢タイプ。
大企業や学歴のブランドの力にいまだに頼っている時点で、「現在の自分に語れるものがない」という証拠です。経験上、こうした自慢タイプも良い仕事をしてもらえた経験がないので避けるようにしています。
課長は「役職」であって「仕事」ではない!(笑)
役職ではなく、仕事の経験や実績でアピールしてください……。
もちろん、依頼しているプロジェクト内容に関係する企業の出身といった場合は大いにアピールしてもらった方がいいですよ。例えばクルマに関する記事募集で「トヨタで働いていました」と言われたら有力な採用材料になります。
足切りポイント4:20代前半の人
これはあくまで私の判断基準なので、「20代前半のライターは全員ダメ」という意味では決してありません。
ただ私の経験上、20代前半のライターを採用して良かった記憶がないのです……。
やはりまだ社会人経験が少なすぎるせいか「学生かな?」と感じる人が圧倒的に多く、当たり前にトンだり、悪びれる気もなく納期に遅れたり、突然音信不通になったりといったことが幾度かあり、20代前半の人は一律で採用しない方針にしました。
もちろん、20代前半でも優秀なライターが沢山いることは分かります。ただ、採用段階では判断が難しいし、確率やリスクを考えて一律で足切りすることにしています。
WEBライターを採用するときに必ず見ているポイント
ここまでは、提案文の時点で足切り不採用にする基準を書いてきました。
続いて、提案文を見て「お?(好感触)」となった人について、採用するか否かを判断するときに私が必ず見ているポイントを4つ挙げます。
1. プロフィール
まずチェックするのは、当たり前ですがプロフィール。プロフィールで確認したいのは「依頼内容のジャンルに詳しい・知見があるという信憑性」です。
例えば「マイルについての記事ライターを募集します」というプロジェクトだったとして、ライターのプロフィールにマイルや旅行についての記載があるかどうかが非常に大事です。
そこで「海外在住」とか「世界一周した経験あり」とか「趣味はマイルを貯めることと旅館巡り」とか書いてあると、旅行やマイルに詳しいというのも信憑性があります。
逆に、プロフィールを読んでジャンルに詳しいという信憑性を感じない場合「ネットから情報を寄せ集めてまとめるキュレータータイプだな?」と感じるので採用判断は鈍ります。
2. クラウドライターとしての過去の仕事歴
これは職歴という意味ではなく、「今までにどういう依頼案件(プロジェクト)をこなしてきたか」という意味での仕事歴です。
ランサーズやクラウドワークスでは、そのライターが今までにどんな案件をやってきたか履歴を大体見ることができます。
ここで依頼側から見て高評価なのは「同じジャンルの案件ばかりこなしている人」です。私が税金に関する記事が欲しいとして、応募してきたライターが過去にも税金ジャンルの記事ばかり書いてきた人と分かれば、それだけ得意分野なんだなと分かるからです。
逆にマイナスになるのは「あらゆるジャンルの記事に応募していて、一貫性がない人」です。こういうタイプは広く浅い軽い記事しか書けないか、ネットの情報寄せ集めのキュレーション記事タイプなのであまり採用したくはありません。
なので、過去の案件歴を見て一貫して得意ジャンルが分かるようなライターだと好印象です。
また違う意味で、シンプルにこなしてきた案件数(実績数)も見ます。
まだライター登録したばかりの初心者で実績がほとんどない場合、申し訳ないですがリスクが高いので採用する率は格段に下がります(とはいえ、その点を覆すほどのアピール材料があれば採用することはありますが)。
認定ランサーやプロクラウドワーカーとまでは言わないものの、最低でも数十件くらいは案件をこなしていると採用しやすいですね。
3. 評価コメント
ランサーズやクラウドワークスでは、プロジェクトが完了するとライターとクライアントがお互いを評価するシステムがあります。☆1〜5と評価コメントですね。
この評価歴は第三者が見ることができます。なので、私は必ずライターの評価歴をチェックして採用を判断するようにしています。
基本的に、平均☆4.5以下のライターは採用しません。
というのも、慣習的にクラウドソーシングの評価は減点法であり、とくに問題がなければ☆5をお互いにつけることが暗黙の了解になっています。なので、普通に問題なく案件をこなしていれば☆4.5〜☆5になるのです。
なので「こっちも☆5つけるので、そっちも☆5にしてね」という暗黙の了解が働いているのです。
というわけで、☆4とか☆3がつくのは「何かやらかした」という可能性が高いです。
ライターの評価が低い場合、過去の評価コメントを遡って☆3とか☆4を付けたクライアントの評価コメントをチェックしてみます。そうすると案の定、「納期に遅れた」とか「途中で連絡が返ってこなくなった」とかネガティブなコメントをつけられてるのが分かります。
こうしたネガティブ評価がつけられているのを見てしまうと、採用の手は止まってしまいます。
☆の評価くらいならまだしも、「納期を守ってもらえませんでした」とか具体的なネガティブコメントを書かれると評価歴としてずっと残るので、私のように採用の際に評価コメントをチェックする依頼主にはかなり悪印象です。
4. ポートフォリオ(過去に執筆した記事)
そのライターの力量を把握するには、その人が過去に書いた記事を見るのが一番手っ取り早いです。なので私はプロジェクト募集する際にも「過去に執筆した記事があれば、よければ見せて下さい」と書いておきます。
あるいは、ライタープロフィールの「ポートフォリオ」の欄に実績として載せている人もいますよね。なのでポートフォリオの欄も一応見にいきます。
過去の執筆記事をチェックすることの良い点は、そのライターの文章力を知るのももちろんなのですが、それ以上に「WEB記事の基本的な書き方を備えているかどうか」を確認できることが大きいです。
「WEB記事の基本的な書き方」というのは例えば、
- 最初のリード文(導入文)や、最後のまとめなど最低限の記事構成
- 見出しの使い分け方(大見出し・見出し2/中見出し・見出し3)
- 適度な改行・スペースの使い方
- 太字・赤字・下線・表などの使い方
こういった基本的な部分です。
WEBライターって正直誰でも名乗れてしまうので、WEBの記事をまったく書いたことがないライターの方も非常に多いんですよね。紙媒体のライター経験しかないとか、実はそもそもライター経験ないとか。
そうした人に「見出し2と見出し3はこういう構成で〜」とか伝えても、「見出し2って何ですか?」みたいに返ってくることもしばしば。
(あ、そこから説明しないとダメか……)となってしまいます……。
なので、過去の執筆記事を見て、見出し構成や改行の使い方など最低限のWEB記事の書き方ができていることが分かれば、とてもとても依頼しやすくなります。
【最後に】私調べで採用率の高いライターの年齢・性別
きちんとデータ統計を取ったわけではないので肌感覚ですが、私が採用するライターは”結果的に”以下のような年齢・性別の順になることが多いです。
採用率の高い年齢・属性
- 20代後半〜30代の女性
- 20代後半〜30代の男性
- 40代以上の女性
- 40代以上の男性(←ほとんどない)
- 20代前半以下の男女(←採用しないようにしている)
このような順番ですね。
まず性別でいうと、女性の方が丁寧に仕事してくれるという肌感覚があります。今までトラブったライターを思い返すとほぼ男性ライターなので、女性の方が安心できるという点もあります。
年齢でいうと、やはり20代後半〜30代が一番多いですね。20代前半は若すぎ(社会人経験なさすぎ)なのでアウトにしているのと(前述の通り)、逆に40代以上になると偉そうな上から目線の中年ライターが多いので男性は採用率がかなり下がります。
結果的に、一番お世話になっているのは20代後半〜30代の女性ですね。周囲の外注ライターを雇っている同業者に聞いてもみんな似た傾向なので、市場全体でも同様かもしれません。
なぜこの年代の女性が良いかというと、会社でバリバリ働いてたけど出産・育休期間に入ったからクラウドソーシング始めた人が多くいるからだと思うんですよね。
こうした人の中には最近まで社会の第一線で活躍してた有能キャリアウーマンだった人も多くて、そうした人たちが育休などで会社から離れて、その間だけ一時的にクラウドソーシングに流れてきてるわけです。
こうした有能な人材が溢れているので、20代後半〜30代女性ライターは狙い目になるのだと思っています。
本音で正直なところを書いたので一部失礼なところもあるかと思いますが、ライターの方の参考になればと思います
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【おまけ診断テスト】自分の「才能」に気づいていますか?
仕事ができるビジネスマンと出来ないビジネスマンの差は、意外と「自分の才能・資質を知っているかどうか」だけの差だったりします。
仕事ができる人ほど「自分が得意なこと」を仕事にし、仕事ができない人ほど「自分が好きなこと」を仕事にしようとします。
仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。
仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。
仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人。
「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。
世界最高のサッカー選手であるリオネル・メッシは、FW(フォワード)というゴール前20m四方のエリア内でのみ世界最高の選手でいられます。彼は誰よりもディフェンスをしません。なぜか? その仕事場以外では平凡な選手だからです。
つまり「仕事ができる人間」とは、「得意な場所で、得意な仕事をしている人」なのです。
あなたは、自分の才能がどこに向いているのか把握していますか? 本当はドリブルやシュートが得意なのに、なぜかディフェンスポジションで仕事をしているせいで「仕事ができない人間」になっていませんか?
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