仕事を得るとき必要なのは「信頼感」です。相手から「信頼できる」という評価をもらえれば次の仕事にもつながり、「いい加減」と思われると次の仕事は無くなります。
日本ではビジネスマンの約8割がサラリーマンです。そのためサラリーマンの枠から外れたフリーランスには「自由」というイメージの他に「協調性が無い」「いい加減」「軽い」という悪いイメージが付き纏います。悪いイメージを払拭するには努力が必要です。
信頼のモトになるのは実績です。サラリーマンは会社が後ろ盾ですが、フリーランスは実績が後ろ盾です。
実績が無いフリーランスがいきなり大きな仕事を任せられることはまずありません。コツコツと地道に仕事を得て実績を積み上げていく必要があるのです。そのためには仕事を得続ける必要があります。
仕事を得続けられるかどうかは「この人との仕事はやりやすい」と感じさせられたかどうかです。その一つの判断ツールがビジネスメールです。
たかがメールと侮ること無かれ、メールはあなたの人柄を始め仕事に対する姿勢などを暴露するとても怖いツールなのです。これを機にあなたの普段書いているメールを見直してみましょう。
ポイント1:件名を見ただけでメールの内容が分かる
メールの件名をあなたはきちんと書けていますか?
優秀なビジネスマンなのかどうかは件名を見ればすぐに分かるのです。優秀なビジネスマンのメールでは件名だけで内容が概ね分かります。
ポイントは次の3つです。
- 「何の」を書く … 相手が行動しやすくする気遣い
- 「いつの」を書く … 相手が思いだし、特定しやすくなる気遣い
- 「どうしたいのか」を書く … 相手にどうして欲しいのか書くことで返信率を上げる
メールを送ることで大切なのは返信率です。返事が欲しいメールに対して返事が返ってくることであなたの仕事の効率が上がります。
打ち合わせの日程調整、仕様変更など相手のリアクションが無くては決まらないことに返事が無いことはあなたにとって損になります。
例えば打ち合わせをしたいとき
- 打ち合わせについて
- 〇〇に関する打ち合わせについて
- 【日程調整】〇〇に関する打ち合わせ
1、2ともに「何の」は書かれていますが、2の方が具体的で分かりやすいです。3では日程調整に関することだと分かるので、受信した側はアクションしやすくなります(日程調整と書くことで、相手に日程の確認後返信するという行動を指示しているのです)。
打ち合わせ前に資料を送る時も
- 打ち合わせ資料
- 〇月〇日の打ち合わせ資料
2のように「いつの」を書くことで相手がいつのものか特定しやすいです。
事前に資料を確認してもらうことで打ち合わせを円滑に進める予定だったのに、相手が違う資料を見てきていたら意味がありませんよね。メールは相手のことはもちろん自分が損をしないように工夫するべきです。
ポイント2:メールの件名は20~30文字
ポイント1のようにビジネスメールの件名は具体的に解りやすく書くことも大切ですが、文字数には注意しましょう。
あまりに長い件名だと相手側の受信リストに表示されるときに末尾が切れてしまう恐れがあり、肝心なことが伝えられなくなります。件名は20~30文字程度に収めることを心がけましょう。
メールアドレスの設定でも工夫しましょう。メールアドレスを設定するとき「受信側に表示される名前」を設定することが出来ます。
個人で使用するときは名前(鈴木や佐藤など)だけ、それもローマ字表記(Yamada Taro など)でも構いませんが、ビジネスメールの場合は社名+姓名(㈱○○ ○○○○)にしましょう。
相手側がアドレスだけでどこの誰かを理解することが出来ますし、後日差出人別に見たときにも分かりやすいです。受信した側がアドレス登録してくれると思って手間を省いてはいけません。
更にメールは1日に何十通も来ることがあります。そんな中に埋もれてしまわないように、 【緊急】【重要】【要〇〇】などを入れて相手に注意を喚起させることも大切です。
但し頻繁に【重要】、【緊急】を使っていると本当にそうであるとき信用してもらえないことになりかねませんので、乱用は控えましょう。
ポイント3:返信は24時間以内
メールの返信が早いと「仕事が早い」という評価になり、「仕事ができる」という評価に繋がります。
理想的なのは24時間以内の返信です。
ビジネスメールのやり取りで決してやっていけないことは、相手に「確認してくれているのかな?」と不安を与えてしまうことです。双方的な電話とは違い、メールは一方的なものなのでリアクションがとても大切です。
あなた自身の判断では決めかねる場合でも、判断する人に確認メールを送りつつ、「確認後、何日までに返信する」と具体的な日付を書いて返信しましょう。
「出来るだけ早く」という表現を使いたくなりますが、具体的な日付の方が好まれる上に、相手の信頼感もグッと増します。
返信をついグダグダと伸ばしてしまいがちなのが、相手からの提案や誘いを断りたいときのメールです。しかしいつまでも回答を保留したり、曖昧に誤魔化し続けると後々の業務に差し支えるので、断りのメールほど早めに書くことをおすすめします。
一般的には「お断りします」「お受けできません」「ご遠慮申し上げます」というフレーズを使いますが、ぶっきらぼうな印象を与えないか心配だという場合は「お気持ちだけ頂戴します」やへりくだって「私には力が及びません」「私には荷が重すぎます」という表現をすることをおすすめします。
ポイント4:返事をするときは受け取ったメールの引用をする
メールの返信には全文引用する方法と、部分引用する方法があります。引用を自動的にするか/しないかはメールソフトで設定することができます(引用すると行頭に引用符が付きます)。
引用符は一般的に「>(半角)」を使用します。「@」や「■」を使用する人もいますが、ユニークであり多くの人が違和感を覚えるのでやめましょう。
引用の大きなメリットは効率的であるということです。相手の言葉を引用すればそこに至った経緯などを説明する必要がなくなります。新たに書き直すことで日付を間違えたりするなど人的ミスも発生するためトラブルのもとにもなってしまいます。
打ち合わせの日程を相手に提案された場合
受け取ったメール:〇〇についての打ち合わせは×月×日(×)で良いですか?
↓
部分引用して返信 :>〇〇についての打ち合わせは×月×日(×)で良いですか?
はい、問題ありません。
引用せずに返信 :お問い合わせいただいた〇〇についての打ち合わせの件ですが、
ご提案頂いた×月×日(×)で問題ありません。
部分引用することで分かりやすく、相手も自分の言ったことを思い出しやすいメールになります。また全文引用した場合はこのようになります。
下記にてご提案いただいた日程で問題ありません。
>〇〇株式会社
>〇〇様
>—— 挨拶、名乗り、省略 —-
>〇〇についての打ち合わせは×月×日(×)で良いですか?
全文引用と部分引用についてはどちらも利点があるのでうまく使い分けると伝えたいことが伝わりやすいビジネスメールを作ることが出来ます。
上記の場合は部分引用の方が分かりやすいです。複数人数でメールを送り合っているときは全文引用が分かりやすいです。
全文引用するとき、全文の中に自分の送ったメールがあったら自分の署名は削除しましょう(新たな署名が文末に付くので重複することを防ぐことができます)。
ポイント5:最初は宛名、次は挨拶をして名乗ること
メールの一行目には必ず「宛名」を書き、次に「挨拶」、そして「名乗り」という順で書きます。返信の場合は省く人も多くいますが、正式には返信でも書くものです。
宛名は間違えやすいのでもらった名刺を書きながら書きましょう。特に前に株式会社が付くのか、後ろに株式会社が付くのかです。
また会社によっては頻繁に部署名が変わるので注意が必要です。メールの署名欄は常に注意してみるようにしましょう。名前は苗字だけ(〇〇様)だけでも構いませんが、フルネーム(○○ 〇〇様)の方が相手に丁寧な印象を与えます。
次の「挨拶」(「書き出し」ともいいます)ですが、手紙の様に堅苦しいものではなくメールでは簡単で親しみやすいものが好まれます。
相手を見て挨拶を使い分けますが、季節を感じられる挨拶が一般的で簡単に書くことができます。「挨拶」は文末にもつけましょう。結びのあいさつをつけないと中途半端で愛想のないメールになってしまうので印象を良くするために付けましょう。
ポイント6:メールの構成は「結論」「理由」そして「詳細」
伝わりやすいビジネスメールはスキルを高く評価されます。
解りやすい構成は「結論」、「理由」、最後に「詳細」です。まずは結論から先に述べることで、相手に一番伝わって欲しいことが伝わります。
例えば打ち合わせの日程を変更したい場合
打ち合わせの日程を〇月〇日(〇)に変更して欲しい
↓
試作品の納品が×月×日になるため
結論は簡潔かつ具体的に書きましょう。
打ち合わせの日程を変更したいときも自分の都合のいい日を書くことで相手に判断しやすくします。更に理由で納品が×月×日になると書けば、あなたの指定した○月〇日の都合が悪くても打ち合わせはそれ以降の日時を相手が指定しやすくなります。
場合によってはビジネスメールの前置きに概要を書くと分かりやすいです。何のためにメールを送っているのか概要を見れば分かり、さらに相手は概要を読むことでその後の細かい内容が頭に入りやすくなります。
ポイント7:署名は名刺代わり
ビジネスメールに署名は必須です。名刺代わりでもあるため、フルネームと連絡先の情報を必ずのせましょう。
ある記事によると、署名にお店の営業時間と定休日を加えただけで顧客からの問い合わせが2倍に増えたという話があります。「誰に、いつ、どこに、どうやって連絡すればいいか」が明らかになることで相手が連絡取りやすくなったのです。
しかし署名に何でもかんでも載せることはマイナスになります。記号を駆使して派手な装飾をすることもビジネスメールには相応しくありません。
署名についてはいろいろなサイトでテンプレートが公開されていますし、色々な人(取引先や同業者など)のテンプレートを参考にしてあなた自身の顔としてアピールできる署名を作り上げてみて下さい。
まとめ
ビジネスの場で当たり前のツールになっているメールだからこそ、他人(競争相手)との差が目立つものでもあります。当たり前の様に使うメールだからこそあなたの能力が一番露見するのです。
だからこそビジネスメールは基本ルールを守り、その上であなたのスキルの高さをアピールできるものでなくてはいけないのです。
【おまけ診断テスト】自分の「才能」に気づいていますか?
仕事ができるビジネスマンと出来ないビジネスマンの差は、意外と「自分の才能・資質を知っているかどうか」だけの差だったりします。
仕事ができる人ほど「自分が得意なこと」を仕事にし、仕事ができない人ほど「自分が好きなこと」を仕事にしようとします。
仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。
仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。
仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人。
「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。
世界最高のサッカー選手であるリオネル・メッシは、FW(フォワード)というゴール前20m四方のエリア内でのみ世界最高の選手でいられます。彼は誰よりもディフェンスをしません。なぜか? その仕事場以外では平凡な選手だからです。
つまり「仕事ができる人間」とは、「得意な場所で、得意な仕事をしている人」なのです。
あなたは、自分の才能がどこに向いているのか把握していますか? 本当はドリブルやシュートが得意なのに、なぜかディフェンスポジションで仕事をしているせいで「仕事ができない人間」になっていませんか?
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