ソフトバンク後継者、ニケシュアローラ<元グーグルNo.2>の波紋

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米スプリント社を買収して、いよいよ日本という枠組みには収まらなくなってきたソフトバンク。

その急激な成長に伴い、長らく心配されていたのは『孫正義社長の後継者問題』でしたが、2015年にどうやら答えが出たと言っていいようです。

孫社長が後継者として指名したのは、元グーグルのNo.2であったニケシュ・アローラ氏。

それまで言われていた『生え抜き選抜』ではなく、まさかの世界企業からの一発スカウトでした。

168億円の『祝い金』をもらってソフトバンクに招かれたというアローラ氏は、10月よりソフトバンクのバイスチェアマン(副会長)として招聘されています。

というわけで今回は、そんなアローラ氏の素性と、ソフトバンク後継者問題についてまとめてみます。

目次

ニケシュ・アローラの経歴

Nikesh Arora(ニケシュ・アローラ)/1968年2月9日生まれ/国籍:インド

アローラ氏の出身はインドです。

バナーラス・ヒンドゥー大学(BHU)で電気工学々士を取得すると渡米し、名門であるボストン大学で理学修士号、その後にノースイースタン州立大学でMBA(経営学修士)を取得するとともにCFA(公認財務アナリスト)も取得しています。

その後は通信業界でアナリストとして活躍し、1999年にドイツテレコムに入社。翌2000年にはドイツテレコム傘下であるT- Mobileで欧州事業の最高マーケティング責任者(CMO)や取締役を務めました。
そして2004年、IT業界の世界最大手・Google社へ入社します。

グーグルでは欧州・中東・アフリカ市場の事業開発者として活躍し、その後、2009年シニア・バイス・プレジデント兼チーフ・ビジネス・オフィサーとして営業、マーケティング、戦略の最高事業責任者(実質的なNo.2)を務めました。

グーグル在籍当時の年間報酬は46億円とも言われ、ボーナスだけで3億円以上を支払われるという名実共に世界トップクラスのビジネスマンです。

 

孫正義社長からの熱烈なラブコール

 

孫社長とアローラ氏が出会ったのは、日本ヤフーがグーグルの検索エンジンを導入するというときの交渉の場でした。(YahooはGoogleと同じ検索エンジンを使っています。また、孫社長はYahooジャパンの会長でもあります)

この時に相対した孫社長のことをアローラ氏は、「交渉相手として手強く、初対面から相当な人物だと感じた」と振り返っています。

一方の孫社長はもうアローラ氏にメロメロのメロリンチックです。

なぜってアローラ氏は電子工学やITのテクノロジー、そして経営者としてのビジネススキルも併せもち、世界一の企業とも呼ばれるGoogle社で手腕を振るっていた超逸材です。
それで、孫社長って、超しつこいことで有名ですよね。

もはやストーカーというか、気に入ったものを手に入れるためなら猛アタックを仕掛けて意地でも口説き落としてきました。

というわけで、日本ヤフーとグーグルの代表としての交渉を終えたあと、孫社長はアローラ氏に個人的に連絡を送ったんです。

「また……会いたいな」

もう恋する乙女ですから、早速ゴルフに誘ったりしてアローラ氏にガンガンアプローチしていきます。 そして、ゴルフを一緒にプレーしているときを見計らって孫社長はついに告白します。

「うちに……来ないか?」(※家ではなく、ソフトバンクの意)

孫社長の告白に対して、アローラ氏はきっぱりと言いました。

「私は……グーグルを、愛している」

しかし、相手は日本が誇る粘着質・孫正義です。拒否がそう簡単に通じる相手ではありません。

「すまないが、あり得ない」と誠意を持って慇懃丁重に断るアローラ氏に対して、孫社長はこう返します。

 

「レッツトライ!☆」

 

陽気です。もはや会話が成立していないくらい陽気です。

孫社長はただただ「レッツトライ」と(意味不明な言動を)言い続けたという話です。

おそらく「こいつ、やべぇ……」と思ったんでしょう。最終的にはアローラ氏の方が孫社長のレッツトライ地獄に根負けして敗北を喫し、グーグルを退社してソフトバンクに参画することになりました。
その後、念願かなってアローラ氏と二頭体制でソフトバンクを経営していくことになった孫社長ですが、次期後継者となるアローラ氏に対して、 「Googleの経営を取り仕切り、テクノロジ、ビジネスモデル、人脈においては、私を遥かに上回るだけの才覚を持っているし、多くを学んだ」 とその実力を認める一方で、こんな言葉も漏らしています。

「お互いに月の半分くらいは顔を合わせているし、共にインドや中国へも出張する。朝起きたら真っ先に電話するのは彼、寝る直前にかけるのも彼(笑)」

おはようの電話とおやすみの電話というヤツですね。孫社長、さすがです。

アローラ氏選任で、社内には不協和音も……

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さて、真面目な話、孫社長が後継者に外部からの人材を指名したのは、もちろん世界戦略の強化が一番の目的なのですが、いきなり「よそ者」が副社長の椅子に座った事で、既存の役員や社員たちからは不満の声が続々とあがっているようです。

アローラ氏が孫社長の右腕としてソフトバンクにやってきたことで、グループ人事では大変動が起きました。

創業当時から孫社長を支えてきた代表取締役副社長の宮内謙氏が取締役に降格し、海外事業を担当してきた後藤芳光氏と藤原和彦氏は取締役から外れるという、まさに幹部一斉降格となる人事が下されたのです。

世界へ進出したい孫社長からすれば、世界中のIT企業やVIPたちと強いコネクションを持つアローラ氏を取りたいのは当然なところですが、古株の戦友たちをこうも簡単に切ってしまうのもあまりにドライで非常ではないか?

という声がソフトバンク社内では溢れており、孫社長への不信感が急速に高まっているそうです。

 

そもそも、ソフトバンクアカデミアとは何だったのか

そもそも、これまで孫社長は自身の後継者について、『生え抜きを育成する』と言ってきました。

そして、まさにその後継者の育成を目的として2010年に開設されたのが『ソフトバンクアカデミア』です。

これは孫社長自らが指揮をとって指導し、10年単位で時期経営幹部を育成していくというプログラムで、ソフトバンク社員のみならず、会社外部からも応募生を募るということで話題になっていました。

内容的にも、「半年に一度、成績下位10%は退学」という厳しいサバイバル制度を敷いており(退学になっても再挑戦は何度でも可)、それだけ孫社長の『本気度』を応募生たちもひしひしと感じ、尋常じゃなく高い意欲とモチベーションを持ってアカデミーに取り組んでいた事でしょう。

そんな人達から見れば、今回のアローラ氏の選出は『反則』だと感じるのも当然のはずです。

これまで内部育成を主張してきたからこそ頑張ってきたのに、一転してサラりと外部調達してきちゃったわけです。シードなんてもんじゃありません。

とはいっても、世界を主戦場に見据えているソフトバンクは当たり前ながら『実力主義』です。日本の古い企業体質でもある年功序列制ではとても世界では戦っていけません。
「古株だから」とか、「ここまで頑張ってきたから」とか、そんな感情的な理由は通用しないのが世界の最前線だとしたら、アローラ氏の飛び級は悲しくも厳しい現実なのでしょう。

逆に言えば、ここまで感情を排除して、実力や結果だけを見て厳しい決断を下せるのが孫社長のスゴいところ。 偉大な事を成し遂げる人というのは、ときに非情で冷酷になれなければいけないのかもしれません。
なにはともあれ、孫正義とニケシュ・アローラ、二頭体制で展開していく『ソフトバンク2.0』が今後世界にその名を知らしめることができるのか、期待したいところです。

ちなみに、孫正義社長の詳しい経歴はこちらの記事⇒『偉大なる借金王、<ソフトバンク>孫正義の経歴書』も合わせてぜひ御覧ください。

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