なぜ?残業は減らないのに残業代は減るという惨状が起きる理由と対策

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日本企業の残業改革に対して、心底がっかりしている今日このごろです。

2016年10月、電通の若い女性新入社員が過労自殺した通称「電通ショック」を契機に、長らく日本社会の「ガン」であった長時間労働の是正に、ようやく国を上げて動き始めました。

政府が掲げている「働き方改革」で、とくに目玉とされているのは以下2つの改革です。

  1. 残業規制:
    →残業時間は原則として「月45 時間、かつ、年 360 時間」を上限。特別条項付36協定を締結している場合に限り、年720時間の枠内で「1カ月100時間」「2~6カ月平均80時間」を上限とする。長時間労働の解消が目的。
  2. 同一労働同一賃金制
    →正規・非正規問わず、同じ業務内容には同じ賃金を払うという考え。非正規社員と正規社員の格差是正が目的。

今回訴えたいのは、「残業規制」について。

あの電通が書類送検までされるという、それなりにセンセーショナルな出来事以降、企業の違法労働・長時間労働を監視する労基署の目はかなり厳しくなりました。表面的には「どこの企業も残業を強制的に減らして改善に向かっている」と言われたりもしますが……、

実際に現場で働くサラリーマンたちはどう思っているでしょうか?

正直、現場の労働環境は”改善されるどころか、むしろ実質的に悪化している”と不満しかない人も多いのでは?

はっきり言って、形だけの残業規制が生み出すのは「実質に残業量は減らないのに、残業代だけは削減される」という地獄です。

目次

働き方改革により、残業規制/残業禁止の本格化へ

残業規制されたら残業時間の上限は何時間になる?

まず、働き方改革の残業時間の上限規制がぱっと見わかりづらいので、もう一度まとめておきます。

まず大事な部分を分かりやすくまとめると、

  • 週40時間以上を超えての労働を「時間外労働」とする
  • 時間外労働の上限は原則として「月45 時間、かつ、年 360 時間」とする
  • 上記を違反した企業には罰則を科す
  • 労使協定(36協定※)を結べば、上限を「月100時間」「2~6カ月平均80時間」まで延長可能とする

詳細厚労省|働き方改革実行計画

ひとまずこの辺りを把握しておけばOK。

ちなみに、過労死ラインが時間外労働80時間/月とされています。36協定を締結すれば過労死ライン以上に働かせてOKって時点でどうなの……? と思わずにはいられません。

※36協定とは?

労働基準法では、原則として労働者を1日8時間/週40時間を超えて働かせてはいけないことになっています。ただし例外的に、事業場の労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出た場合には、原則時間を超えて労働者を働かせることができます。

これを通称「36協定(さぶろくきょうてい)」と言います。

残業時間は実際に減っている?

で、実際に企業の意識改革で残業時間は減ってきているのか? という話。

社員6万人の口コミを集計したVORKERSの調査結果を引用しましょう。

引用VORKERS|6万人の社員クチコミによる「平均残業時間推移」

確かに、2015年から残業時間は大きく減っているようです。3年間で月11時間の削減はなかなか成果が出ているようにも思えます。「ノー残業デー」や「朝活」「リモート勤務」などの施策が少しずつ功を奏しているのでしょう。

ただ、これって結構”表面的なだけの数字”な気もするんですよね。

以下は私の感じる意見です。

実際には残業は減らず、残業代だけが削減される地獄

残業時間が減っているのは”タイムカード上”だけ。

上司から「残業するな」「早く帰れ」と言われたり、会社が強制的に消灯すれば、”タイムカード上”の残業時間は減ります。そりゃ上限に達する直前で無理やり切らせているのだから。

でも、「残業するな」というのに業務内容自体は減っていない……という状況なら?

当たり前ですが、仕事を持ち帰って自宅でひとり残業したり、休日仕事をして賄うしかないんですよ。つまり、タイムカード上の残業時間は減っていても、実際の残業量は減っていない人も少なくないんです。

とくにこの傾向は、コンサル、クリエイティブ、事務系などホワイトカラーに非常に多いです。アイディア系や資料作成などは自宅でも仕事を進められるので、会社から「残業するな」と言われれば、それは暗黙の了解で「残りは家でやれ」という風に解釈できてしまうわけです。たとえ上司が直接「家でやれ」と言わなくても。だからこそタチが悪い。

これが外食や小売りだと、基本的には店に立っている時間が労働時間なので、残業時間の削減=実質労働時間の削減にまだ繋がりやすいです。悪どいところだとタイムカード切って仕事を続けさせるブラック企業もありますが、そうしたところは100%会社に非があるのでチクるなり何なりまだ対処しやすいです。

”残業代”だけはしっかり減らされるのがオチ

何が最悪かって、結局、仕事を家に持ち帰るだけで業務量は変わらないのに、残業代だけはしっかり減らされることなんですよね。残業代が貰えない分、実際は損してる……ていう。

例えば広告代理店とかテレビ局とか、膨大な残業代が高給を支えている会社は大打撃です。ああいう所は基本給自体はイメージほど高くないですからね。残業代が削減されたり裁量労働制になれば年収は百万単位でダウンすること必至です。

結局、会社側がカットして浮いた分の残業代を社員に還元できれば言うことないのですが、実際には浮いた残業代を内部留保に溜め込んだりしていて、企業ばかりに利があるのが実情ではないでしょうか。

一体、誰のための「働き方改革」なの?

と言いたくなります。

残業ゼロを謳う裁量労働制は「定額働かせ放題」なんて皮肉な例えが使われることがありますが、結局は企業の都合の良いように制度が働いてしまうのです。

優秀な人ほど辞めていくのでジリ貧になるだけ

このような事態が続いていくとどうなるかというと、優秀な社員ほど辞めていくんですよね。

優秀な人にほど仕事が集まりやすいのは世の常ですし、かといって歩合制でもなければ同階級の社員で露骨な給料差はつけられません。となると優秀な人ほど「なんで俺の方が断然仕事量こなしているのに、あいつと同じ給料なの!?」となるわけです。

今は転職マーケットも売り手市場なので、社員が企業を選ぶ立場です。なので、仕事ができる人ほど早々に見切りをつけて、より良い職場へ転職していくでしょう。

優秀な人が抜けていく企業は結局ジリ貧です。ただでさえ人手不足の労働市場で人が集まらず、業績も緩やかに衰退していくでしょう。社員に還元できない企業に先はありません。

どうすれば? 残業減らないのに残業代だけ減る場合の対策

労働基準監督署へ相談

個人ができる業務効率化の範疇を超えて不当な待遇を受けている場合は、労働基準監督署に相談しましょう。

「労働基準監督署」とは、企業が労働基準法等の労働関係法令をきちんと遵守しているかどうかをチェックする機関です。残業問題だけでなく、賃金や不当解雇、社内待遇などあらゆるトラブルに応じてくれます。

ただし、労働基準監督署は民事不介入なので明確な違法性がないと動けないのが難点です。

例えば、「暗黙の了解」や「無言の圧力」で自宅での自主残業を余儀なくされている……など、第三者から判断が難しいケースもあります。その場合は、民事の相談として弁護士などをあたった方がいいかもしれません。弁護士事務所も初回相談なら無料で行ってくれるところが多いです。

残業の少ないホワイト企業に転職

あるいは、残業時間が規定の上限でうまく調整されるような悪どい企業で消耗しているなら、そもそもの残業がずっと少ないホワイト企業への転職を視野に入れた方がいいでしょう。

東洋経済オンラインが「残業の少ない会社トップ100」を発表しています。

出典東洋経済オンライン

優秀な企業は、残業もとい長時間労働の是正にかなり本格的に取り組んでいます。

人間には体力の問題がある以上、限界まで鞭を打ち続けるのは逆に非効率であり、社員に気持ちよく仕事をさせる方が成果が挙がることを知っているからです。ダメな企業ほどこれが分かっていないので、長時間労働という非効率なマンパワーに頼ってしまいます。

ただ、こうした調査は企業側からリサーチしているケースも多く、社員側からみると「いやいやいや」と言いたくなるほど実態と違うことが多々あります。

なので、転職エージェントを利用するなどして企業の内情をよくリサーチした方がいいでしょう。転職エージェントも無料相談できるので、気になる企業があればまずはエージェントに問い合わせた方がいいです。

>> リクルートエージェントに相談してみる(無料です)

 

まとめ

電通ショックで電通ほどの大企業が書類送検された件を受けて、とくに大手企業ほど違法労働(残業)の摘発にビビっており、真面目な改革に取り組み始めている印象です。とくにSNSが発達した現代では、大企業でも一つの内部告発や拡散によって一撃でブランド失墜するケースが多発しているからです。

しかし、問題が明るみに出にくい中小企業では未だに違法労働や違法残業など「搾取」がはびこりまくっているのが現状です。

【おまけ診断テスト】自分の「才能」に気づいていますか?

仕事ができるビジネスマンと出来ないビジネスマンの差は、意外と「自分の才能・資質を知っているかどうか」だけの差だったりします。

仕事ができる人ほど「自分が得意なこと」を仕事にし、仕事ができない人ほど「自分が好きなこと」を仕事にしようとします。

仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。

仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。

仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人

「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。

世界最高のサッカー選手であるリオネル・メッシは、FW(フォワード)というゴール前20m四方のエリア内でのみ世界最高の選手でいられます。彼は誰よりもディフェンスをしません。なぜか? その仕事場以外では平凡な選手だからです。

つまり「仕事ができる人間」とは、「得意な場所で、得意な仕事をしている人」なのです。

あなたは、自分の才能がどこに向いているのか把握していますか? 本当はドリブルやシュートが得意なのに、なぜかディフェンスポジションで仕事をしているせいで「仕事ができない人間」になっていませんか?

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