清水彩子――1982年4月21日生まれ
photo by : https://kigyotv.jp/news/sugar/
フリーターのコンビニ店員が起業して、年商10億円のセレブ女社長へ。
キャバ嬢ドレス・パーティドレス等の生産販売を行う株式会社「sugar(シュガー)」は、10年前の2005年、当時23歳の清水彩子さんが1人で開業しました。
「sugar」のオフイス、物流倉庫、店舗は、清水さんが学生時代を過ごした新潟市の中心部にあり、若手起業家として注目される清水さんは地域活性化にも一役かっています。
ちょっとだけキャバ嬢経験もあり、今では新潟の高層マンションに住む美人セレブ社長として、マスコミでも紹介されていますね。
会社勤めの経験もなく、ひたすらやりたい事に立ち向かっていったらアパレルブランドの社長になっていた、という清水さんの経歴を見ていきましょう。
コンビニ店員をしながら、オークションにハマる
東京で生まれた清水さんは、父の転勤により学生時代を新潟で過ごしました。
高校卒業後、特に進学や就職の予定もなく、フリーターとして父が埼玉で始めたコンビニを手伝うことになります。
4年間お弁当を温め続け、仕事が終われば2階の実家へ帰る。そんな日々を続けていて、月給は13万円。コンビニ経営で家族が得られる収入も分かってきて、もっとお金を稼ぐ方法はないのかと考えるようになりました。
そこで、いらなくなったブランドTシャツをネットオークションで売ったら、8000円のものが、25,000円で落札! その当時は、まだブランドものの通販が主流ではなかったので高額で売れ、 清水さんは「これ、商売になるな」と。
貯金の20万を使い、そのTシャツをまた買って売りに出すと、あれよあれよと高値で落札され、貯金が3倍になりました。
ぶっちゃけ、未来が見えないバイト扱いのコンビ二店員よりも、ものを売る楽しさを知ったと言う清水さんは「何か売れるものがないかな」と考えるようになります。(1年間で貯金は500万円になったとか) そこで、目をつけたのがドレスでした。
ドレスの魅力・商品力に注目
実は清水さんはコンビニだけではお金が足りず、一時期、友達の誘いでキャバ嬢のバイトもしていました。 親には内緒で夜は東京に出て働き、朝・昼は埼玉の実家のコンビニへ。その経験からドレスの魅力にはまったようです。
「ドレスを着ると女子は3割増しかわいく見える」と、ドレスを選んで買い、楽しく着た後は、売る! ドレスは高額で売れることが多く、清水さんは東京でもドレス専門店があまりないことに気がつきました。まして、10年前は夜の店用のドレスは、さらに少なかったのです。
個人レベルながらどんどん買い付けに行くようになった清水さんは、ある日、問屋に卸売りをしてもらえないか、問い合わせをしました。 問屋からは「あなた、いち顧客ですよね?」と笑われて相手にされず・・・。
「私すごいオークションで売るんですよ」と主張しても、就職経験もないフリーターの清水さんは見事に玉砕。 その時、清水さんは問屋に「ちゃんとビジネスをしなさい」と言葉をかけられ、今の自分は結局「客」側なのだと初めて認識したのです。
そこで「店舗が欲しいな」と思いました。
転機は新潟! 23歳でスピード起業
その頃、清水さんは学生時代を過ごした新潟に遊びに行きました。
そして、夜の店で働く女の子たちを見て、衝撃を受けます。 「え、ドレスじゃなくて、スーツ!?」 当時、新潟にはドレス専門店は1軒もなく、肩パット入りや派手な色のスーツを見て、「これは新潟でドレスを流行らせることができる!」と確信したそうです。
そして、繁華街でたまたま空き家を見つけ、翌日には不動産屋へ。ここで今までネットオークションで貯めた軍資金が役立ちました。
自己資金は約500万円で、初期費用の内訳は、内装工事100万円、保証金100万円、仕入れ150万円、雑費50万円。工事費や保証金は値切り、何とか予算内に収めました。 娘は月給13万で暮らしてると思っていた両親は驚いたそうですが・・・。
新潟にいる妹の協力を得て、約1カ月半でスピード準備をし、2005年、23歳の清水さんは8坪の地から自分の店をスタートさせたのです。 まずは店を軌道に乗せたいとネット展開はしませんでしたが、いきなり繁盛する訳でもなく・・・。
ドレスの露出度に馴れてない女子も多かったため、清水さん自らがドレスを着て店頭に立ちました。そして、お店へのアポなし営業まわりもスタートさせます。 ドレス姿の清水さんが両脇にドレスを抱えていきなり店に来るので、店側は驚くことが多く、散々断られ、最初は心が折れまくったそうです。
でも、そこで地道に営業を続けていると、何人か興味を示す人が出てきました。そして、一度心を掴めば、横の繋がりを紹介してくれるのが地方の良さ。開業から1年後には夜の店を中心に、店の存在が知られるようになっていきます。
オリジナルを求め、単身で中国へ
店を続ける内に、お得意さんから色やデザインについて要望を受けるようになりました。問屋にかけ合うと、一店舗の意見は受け入れられず、「じゃあ、自分で作ればいいや」と思ったそうです。
清水さんは通訳も付けず、単身で中国へ乗り込みました。 片田舎の縫製工場を訪ね歩き、筆談で依頼しますが、当然断られまくりました。
20軒ほど回りくじけかけた時、ある女性工員に「仕事をしたい」と声をかけられますが、料金は先払い。怪しみつつも信じてみることにした清水さん。10万円を渡し、5型のサンプル製作依頼をしました。
帰国後、きれいなドレスが届き、それ以来、彼女とは重要なビジネスパートナーになったのです。 「2カ月に1度は中国へ行き、テレビ電話でもやり取りしています。会話は私が描いたデザイン画を基に洋裁用語とジェスチャーのみ。互いの強い気持ちがあればなんとかなる!」
開業から3年間、「sugar」は特に厳しい経営状況でしたが、このオリジナルを作り始めたことで少しずつ売り上げを伸ばすようになっていったのです。
人気ギャル雑誌で、爆発的ヒット
そして、ヒットのきっかけになったのが人気ギャル雑誌でした。 清水さんは雑誌で注目を集めたいと、1ページ100万円の広告を出します。
その当時、1カ月の店頭売上が400万だったことを考えると、かなり思い切った判断でした。 それが大ヒットにつながり、注文が殺到して売上は5倍にアップ!
その雑誌は当時、妖怪雑誌と言われ40万部も出ていた『小悪魔ageha』です。
順調に資金ができ、中国では新作を作りつつ、清水さんはネット販売も開始します。 ネットオークションの時代は終わり、これからは通販と、自身でネットショップを立ち上げました。
ここも清水さんらしく自己流。初期投資500円でできるサイトを検索でみつけ、お金をかけませんでした。
さらに、『小悪魔ageha』の人気モデル・桃華絵里(ももえり)が「sugar」に注目したことも大きく影響しました。 ももえりの店に商品提供を行い、その代わりブランドモデルになってもらったことで、オリジナルドレスの売上が一気に伸びたのです。
年間7000~8000万だったのが、2~3億になり、大きな波だったと清水さんは話しています。
起業から5年、個人で続けるには規模が大きすぎると税務署に促され、会社を法人化しました。
東京進出の失敗で、経営者の責任を痛感
2010年、「sugar」は渋谷109に進出しますが、時代の流れもあり、ほどなく撤退を余儀なくされます。
ネット通販も不調となり、1ヵ月の売上が半減。清水さんは大きな危機を迎えました。
父に相談すると「組織作りが甘い、リーダーを育てて任せろ」とのアドバイスを受けたそうです。 たしかに、就職経験のない清水さんは起業時、領収書や請求書を捨てるほど商売については無知で、「度胸」を武器に目の前のことだけに突っ走ってきました。
ですが、妹の助けだけで作った会社も今では従業員が30名以上になり、思い切った組織再編を行うことに。そして、「自分だけ」意識を捨て、各部門のリーダーへの権限を与えると、業績は嘘のように改善されていったそうです。
清水さんは、経営者としての役割を改めて適格にしようと、青年会議所に参加し、地元の若い起業家後継者との勉強会に力を入れるようになりました。
その後、新潟の新店オープンやルームウェア、カラコンのネットショップを始め、「sugar」は今では年商10億の新潟発・人気アパレルブランドに成長しています。
まとめ
ここまで清水さんの経歴をまとめてきましたが、成功の裏には、「まずやってみる」と独自のルートで目標を成し遂げようとする彼女の姿勢がみえてくる気がします。
「勉強したって本読んだって正解は書いてない」 「最初から夢を持ってドレスをつくりたいとかじゃなくて、何か壁にぶつかって、こういうことがあるんだったらつくろうみたいな。それで初めていってるんですよね。お店も、必要ならつくろう」
将来は、世界に「sugar」のドレスを知ってもらいたいと話す清水さん。清水さんならではの大胆な行動力に期待が持てそうです。
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仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人。
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