金(ゴールド)や銀(シルバー)といった資産は、株式市場が下落したときの避難先であったり、通貨のインフレに対するヘッジ目的で買われやすく、言わば「守りの投資」に向いている資産と言えます。
安全資産と言えば金(ゴールド)が人気筆頭なのですが、銀(シルバー)はマーケット規模が金より狭いので値動きが金より大きく、(金と比較して)リスクリターンが大きいのが特徴です。
この記事では、投資初心者が銀をトレード(投資)する際におすすめの「銀CFD」について紹介していきます。
なぜETFなどではなくCFDをおすすめするかというと、
- お小遣いレベル(800円程度)から投資できる
- 「売り」でも入れるので下落相場でも儲けられる
- ほぼ24時間取引できる
というようなメリットがあるからです。
夜間でも取引できるので兼業投資家でもやりやすいし、800円くらいから投資できるので初心者のトレード練習にも持ってこいなんです。
というわけで、下記では銀CFDの特徴やメリット、始める際におすすめの証券会社などまで紹介していきます!
銀(シルバー)スポットCFDの基本情報と特徴
CFD銘柄 | 銀スポット |
参照原資産 | ロコ・ロンドン・スポット(現物)市場 |
呼値 | 0.001ドル |
通貨 | 米ドル |
取引単位 | CFD価格の1倍 |
レバレッジ | 20倍 |
必要最低証拠金 | 約800円 |
金利調整額 | 受け払いあり |
取引時間 | 月曜〜金曜の8:00〜翌7:00 |
上記の基本情報は、私が取引しているGMOクリック証券CFDを参考にしています。
後述しますが、GMOクリック証券CFDは国内CFD取引高でシェアトップなのでCFD口座を開くならココがおすすめです。
「銀スポット」とは
銀CFDは、正確には「銀スポットCFD」と表記されます。
スポットというのは「現物」のことで、例えば私が利用しているGMOクリック証券の「銀スポットCFD」は、銀の現物取引の中心である「ロコ・ロンドン市場」の現物価格を参照して作られている商品です。
ただもちろん、CFDは差金決済取引(※)なので、銀の現物そのものを取引するわけではありません。あくまで銀スポットCFDの価格が、ロコ・ロンドン市場の銀現物価格に連動する仕組みになっているだけです。
差金決済取引って?
差金決済取引とは、投資対象の現物そのものを買ったり売ったりするわけではなく、あくまで対象商品の値動きに賭け、その損益のみを享受する取引のことです。簡単に言えば「価格予想ゲーム」ですね。
CFDや先物取引なんかが差金決済取引にあたります。
また、金や銀は1g(グラム)いくらという価格表示のイメージがありますが、国際価格としては共通して「トロイオンス(TOZ)(貴金属の重量単位)」が使われています。
銀スポットCFD、金スポットCFDも同様にトロイオンスが取引単位であり、「1トロイオンス(=31.103 4768グラム)当たりのドル価格」となっています。
「トロイオンス」は略して「オンス」とも言われます
銀価格のチャート推移|金(ゴールド)との相関関係
銀(シルバー)の値動きの特徴として、金(ゴールド)との相関関係が広く知られています。
下記チャートは、ここ50年くらいの金と銀の価格推移ですが、比較してみると分かります↓
(金チャート)
(銀チャート)
銀の方が値動きの大きさ(幅)が目立ちますが、動くタイミングや方向はかなり高い相関が見られることが分かりますね。
銀は、金と同様に貨幣として使用されていた歴史もあり、我々も金と銀は「兄弟」のようなイメージを持っていますよね。そんな側面が投資家にも認識されているためか、金と銀は似たような値動きをする傾向があります。
実際に金スポットCFDと銀スポットCFDをトレードしていると、両者が同じように値動きをするのは肌で感じることができます。
参考までに、金(ゴールド)の値動きの特徴としては、
- 戦争や金融ショックで世界的に不況・情勢不安になったとき
- 通貨(米ドル)がインフレしたとき
といった際に「避難先」「インフレヘッジ」として買われやすい傾向にあります。
過去チャートを見ても、アメリカ同時多発テロからイラク戦争勃発に際して急激に上昇しはじめ、リーマンショックを経てピークに達しました。
銀の価格は「工業用需要」に大きく左右される
金と銀の相場は連動しやすい(相関しやすい)というのは、あくまで大局的に見た場合の話です。
たしかに銀は金と同様、通貨がインフレした局面では「代替資産(=ヘッジ目的)」として買われやすいですが、景気が後退する局面では、買われる金とは逆に銀は下がることがあります。
その理由として、銀は工業用需要が大きいことが挙げられます。
電気・電子用や太陽電池など、銀の需要は工業用品の原料が全体の60%近くを占めています。これは金の工業用需要10%に比較するとかなり比重が大きいことが分かります。
需要の割合 | 金(GOLD) | 銀(SILVER) |
宝飾品 | 53% | 20% |
工業用 | 10% | 55% |
投資用 | 30% | 20% |
銀は工業用の需要割合が大きいため、景気が後退すると銀の工業用の需要がダイレクトに減少するので銀価格が下落するというわけです。
そのため、金融ショックなどが起きて経済が落ち込むと、資産逃避先として金が買われるため金価格は上昇するものの、銀価格は工業需要の減少で下がる……という逆の減少が起きるケースがあります。
しかし、これが必ず逆の動きをするかというと、そうでもないのが難しいところ。
「金と銀は連動する」という投資家心理も働くので、金が上がる局面では銀も(投資目的で)買われて、金も銀もやはり同じ値動きをすることもあります。
銀は金よりもボラティリティ(価格の動き幅)が高い
上記の比較チャートを見れば一目瞭然ですが、銀は金と同じような動きをしても、動きの大きさ(ボラティリティ=価格変動幅)は金よりはるかに大きいです。
そのため、銀は「悪魔の金属(Devil’s Metal)」といわれたりします。
金のマーケットと比較すると銀のマーケットはかなり狭いので、少額の資金の動きで相場が大きく上下しやすいのです。
過去(1980年ごろ)には、石油事業で大富豪になったハント兄弟という金持ちが銀を大量に買い漁っただけで、銀価格が5倍くらい高騰してしまった歴史もあります。
CFDのような差金決済取引(価格の上下で損益を稼ぐ取引)では、金スポットのように値動きが緩やかだと「もっと動いてくれなきゃつまんないなー」と感じることもあると思います。そういうときは、値動きがより大きい銀スポットCFDの方が妙味があるかもしれません。
銀スポットCFD取引をおすすめするメリット3つ
銀スポットCFDはココが良い
- 800円程度のお小遣いから投資できる
- 売りからでも儲けることができる
- ほぼ24時間取引できるので会社員でもトレードできる
大きくはこの3つですね。それぞれもう少し詳しく書いてみます。
銀スポットCFDは超少額から投資が可能!
まず、銀スポットCFDは最低必要証拠金(取引するのに最低でも必要な資金)が非常に安いのが特徴です。
その時々の価格によっても変動するのですが、記事執筆時点だと1400円程度から投資を始められます。
(GMOクリック証券CFDの取引アプリ画面。現時点での最低証拠金1,439円)
10万単位での元手が必要な個別株や先物取引なんかと比べて、はるかに少額から始められるのがCFDの特徴です。
1400円とかお小遣いレベルなので、初めての人はまず投資の雰囲気に触れてみるも良し。トレードの練習をしたい人は失敗しても諦められる額でトレード修行してみるのも良しです。
なので、「致命傷にはならないけど、失うとイタい額(失いたくないと本気になれる額)」でトレードするのがおすすめ。個人的には5万円くらいは入れた方が本気になれます
また、GMOクリック証券CFD
これも先物とかだとレバレッジ40倍近くかかるので、レバレッジ20倍と低いCFDの方が初心者向きと言えます。
とはいえ、レバレッジ20倍というと危険なイメージがあるかもしれません。しかし、800円程度を賭けてレバ20倍といってもたかが知れてますし、少額資金で始めれば最悪ゼロになっても勉強代として割り切れます。
FXのイメージなどで勘違いされがちですが、CFD取引で失敗して借金を背負う(投資した額以上のマイナスが出る)ことはほとんどありません。最悪でゼロです。
厳密にいうと「可能性はゼロではない」とは言えるのですが、ほぼないです。
銀スポットCFDは「売り」でも儲けられる
銀に限った話ではないですが、CFDは「買い」でも「売り」でもポジションを持てます。つまり、「売り」にベットすれば下落相場でも儲けることができるということです。
これが例えばETFなんかだと「買う」しか選択肢がないので、下落相場の時はどうやっても含み損を抱えてしまいます。
この点で、CFDなら「売り」でも入れるので、下落局面でも利益を上げることができます。
銀スポットCFDはほぼ24時間取引できる
ETF(投資信託)なんかは平日昼間しか取引できませんが、CFDはほぼ24時間取引できます。日中は仕事をしているビジネスマンでも取引しやすいのがCFDの大きなメリットです。
銀スポットCFD取引時間
月曜〜金曜の8:00〜翌7:00まで
とくに銀・金・原油のような商品CFDは、ニューヨーク市場が開く22時30分〜(日本時間)深夜にかけて大きく動くことが多いです。なので私も夜間の値動きを見てからIN/OUTすることが多いです。
デイトレ派の人なら日中は触らず、夜間の動きだけでも結構な値幅取れると思いますよ。
銀スポットCFDの金利調整額とは?(スワップ)
銀スポットCFDの取引を始める際に「金利調整額」の存在を知っておく必要があります。
金利調整額はポジションを翌日に持ち越すたびに「支払い/受け取り」が発生するコストのことで、FXでいう”スワップポイント”のようなものと言えます。
金利調整額は、ポジションを翌営業日に持ち越した場合にかかります。その日のうちにポジションを解消するデイトレードなら発生しません。なので、デイトレーダー以外の人は(とくに長期保有目的の人ほど)金利調整額のことは気にしておかなくてはいけません。
金利調整額については、取引画面などに表示されているのでチェックしておきましょう。
こちらはGMOクリック証券CFD
記事作成時の金利調整額は上スクリーンショットの通り
- 売りポジションに「2円」(付与)
- 買いポジションに「-3円」(2円徴収)
という感じです(建玉数量ごとにかかります)。
このように金利調整額は全員が払うものではなく、ポジションによって「支払い」と「受け取り」になります。仮に現在「売り」でポジションを持っている人は、1ポジにつき1円ずつ貰えるわけですね。
この「支払い」と「受け取り」は、常に「買いが支払い/売りが受け取り」なわけではなく、時々によって逆になったり変更があります。
なので売りポジションを持っておけば調整額を受け取りやすいですが、当然ながら「売り」を持ってる状態で価格が上昇すれば、その分マイナスが膨らみます
今から長期目線で銀(シルバー)が上昇するのに賭けて、大金でロングする(買い)場合、1日ごとに発生する金利調整額の支払いが結構バカにならなくなるので、その点は注意する必要があります。
銀スポットCFDの始め方|おすすめの証券会社は?
最後に、銀スポットCFDの始め方、おすすめの証券会社について紹介しておきます。
どこで取引するのがおすすめ? 取引業者の金CFDスプレッドを比較
CFDは取引手数料が無料と言われることがありますが、スプレッド(買値と売値の差額)が実質的な手数料として存在します。
では、銀スポットCFDをトレードするならどこの取引業者がいいのか?
大手各社の銀スポットCFDスプレッドを比較してみると次の通り。
取引業者 | スプレッド(単位Pips) |
GMOクリック証券CFD | 1.5 |
DMM CFD | 5.4 |
IG証券 | 3.0 |
こうして比較してみると、銀スポットCFDを一番安く取引できるのは「GMOクリック証券CFD
(GMOクリック証券CFD
確かに、BID(売り)とASK(買い)で0.015ドルの差(スプレッド)ですね。これくらいスプレッドが狭ければ許容範囲です。
GMOクリック証券CFDは、スプレッドの安さだけでなく、国内のCFD取引シェアでも業界No1です。銀に限らずCFDトレードするならGMOクリック証券CFDが一番おすすめですね。
取引アプリも圧倒的に使いやすいです。初心者でも直感的に操作できるので、初めてCFDを触る人でもめちゃくちゃやりやすいですね。
株式取引の注文より100倍簡単ですよ。
初めての方は、ぜひGMOクリック証券CFDで銀スポットCFDに投資を始めてみましょう!
【最後に一言】銀のトレードは適度な利確を大切に
銀のトレードをするときは、たとえ上昇相場に乗っても最後まで付き合おうとせず、適度に謙虚な利確をすることを心がけた方がいいです。
二次会・三次会まで残ろうとせず、一次会でサクッと切り上げて違う銘柄にでも目を向けましょう。