photo by : http://laughy.jp
元バレーボール日本代表で、現在はバレー/ビーチバレー関連の事業家、解説者、またアスリートと芸能界の橋渡しとしてタレント活動もこなすなど、実に幅広い業種で活躍している川合俊一さん。
しかし、川合さんを語る上で外せないのは、株式投資ですよね。 過去には「アベノミクスで儲けた芸能人」としてテレビ番組でその投資事情を特集されたりするなど、『アスリート界の財テク王』としてのポジションを確立しています。
というわけで、今回は元アスリート・川合俊一さんの投資経歴を探ってみたいと思います。
山あり谷ありの投資歴
川合さんが株式投資を始めたのは意外と若く、富士フィルムのサラリーマンだった25歳のころ。
当時はちょうどバブルに突入したところで、株価も土地も上がっていったので、川合さんも傍観しているだけではなくバブルの恩恵を受けたいと思ったのがきっかけだそうです。
というわけで、元手140万円で投資デビュー。 そのときは、LPガス容器を作っている会社に投資して上手く儲かったそうで、”株は儲かる”というイメージを持つことができました。
その後、90年の現役引退時に保有していた株を全て売ったそうですが、その時には元手の倍の280万になったそうです。
その後はしばらく株は辞めていましたが、 1999年に女優の中野ゆきえさんと結婚し、それを期に元手5000万円で株投資を再開しました。
順調に儲けは増えていき、一時は5000万円が2億円にまで膨れました。(途中で資金投入もしていたようなので、厳密に運用益で2億に増やせたわけではない)
しかし、その後の2006年に、「ライブドアショック」という悪夢が起きました。
これが大ダメージとなり、1日に400万ずつの損失が1ヶ月続いたそうで…… 全盛期2億あった資産は、半額の1億円にまで減ってしまいました。
その後、ライブドアショックの損失を挽回すべく奮闘しましたが、続く2008年には「リーマンショック」というさらなる悪魔が川合さんを襲いました。 リーマンショックで1億円がさらに5000万円にまで減り、株投資再開時の元手5000万と同じ額に。
結局、長期的に見ればプラマイゼロという結果になってしまいました。 しかし、現在は再び利益は上向きとなり、順調に資産は回復していっているようです。
↓川合さんの投資遍歴↓
アベノミクスで数千万の儲け
2013年に放送された「有吉ゼミ」というテレビ番組で、「アベノミクスで儲けた芸能人」として川合さんの密着取材が取り上げられました。
川合さんの投資手法は主に、一日のうちに何度も取引を繰り返す”デイトレード”によるもので、仕事中も幾度となく携帯で株価をチェックする様子が映されていました。一日に6時間は株価を見ているのだそうです。
バブルの頃とは違い、今は儲かったと言っても一日に数万円〜数十万円ほどとのこと。 同番組内では、2013年の株の儲けは950万円だったことを明かしています。
さらに、アベノミクスによる株価高騰の恩恵を受けたときは、”高級車2・3台分”と発言しており、高級車の定義が不明ですが仮に一台1000万弱ほどだとしても、2000万前後は儲けたことになります。
メタンハイドレートやロケット事業でも儲ける
株式投資とは、未来の期待にお金を払うもの。未来が動きそうなニュースには常にアンテナを張り巡らせておくのが重要です。
2013年に日本海でメタンハイドレートが広範囲に見つかった翌日には、素早く掘削企業やタンカーの株に投資し、それらの企業は翌日には予想通り株価を上げました。
2014年、JAXAと共に固体燃料方式の新型ロケット「イプシロン」を開発したIHIがロケット打ち上げに失敗し、株価が一時的に390円前後にまで下がったところで買い、その後の打ち上げ成功で507円にまで高騰したところ儲けました。まさに打ち上げに”乗っかった”形ですね。
このように、川合さんの銘柄選びは往々にして連想/予想に基づいて判断しており、
- カジノ法案が通る ⇒ カジノ建設関連が上がるだろうと予想
- 東京オリンピック招致成功 ⇒ 不動産が上がるだろうと予想
という感じで、パスを繋げるように未来を予想して先回り投資しているのです。
カジノ法案が話題になっていたときは、カジノ内に設置する”両替機”を作る会社がアツいと予想されていましたね。
また、最大手ではなく、『業界5番手』辺りを狙うのが醍醐味なのだそう。
理由は単純に値動きがいいからで、それくらいの程よいリスクが「ドキドキ」を味わうのに最適なようです。 負けるかもしれない勝負に果敢に挑むときの「ドキドキ感」が好きというのは、元アスリートの性分なのかもしれません。
そしてもう1つ、ちょっと意外なのは「空売り」をしないという方針です。日本企業の株が下がって喜ぶような投資はしたくないのだそうで、長い投資歴でこの方針は一貫しているようです。
まとめ
『株で年収950万』『アベノミクスで高級車2・3台分の儲け』などと聞くと、一見とても儲けているように聞こえますが、同時に川合さんはこんな言葉も残しています。
これまでにベンツ10台分は損をしている……。
これは恐らく前述したライブドアショック時の1億円の損失のことでしょう。
このことを観察しても、やはり投資で重要なのは、”長期的に、トータルで勝ったか負けたか”という視点だと思います。
今年1000万円儲けても、来年さらに1000万円儲けても、その次の年に3000万円負けてしまったら結局はトータルマイナスなのです。 その意味において、株式投資とは究極的に言えば、”場を完全退場しない以上は、勝ちは確定しない”ということが言えます。
川合さんのように、株式投資が人生の一部と言っていいほど習慣化している投資家にとっては、”死んで勝ち逃げ”するまでは何が起こるか分からない……というのが投資の本当のリスクなのかもしれません。