川崎希(かわさき のぞみ)――1987年8月23日生まれ
photo by : http://hotweb.tokyo-np.co.jp
国民的アイドルグループ・AKB48のOGで、「元アイドル美人社長」として、事業を成功させている川崎希さん。
著書のタイトルにもあるように、AKB卒業の翌日に40万円の資金でアパレルブランドを起業し、 今では敏腕社長として、ネイルサロン、エステサロンも展開しています。
バラエティ番組では、結婚していた事実を告白し、その後は夫であるモデル・タレントのアレクサンダーさんと一緒に出演して、何かと夫婦ネタで話題をふりまいていますが、タレント業と社長業を両立させていますね。
芸能人としてのネームバリューだけでは、なかなか勝ち残るのが難しいと言われるアパレル業界。
そんな中、独学で経営を学び、アイドルから事業家へと転身した川崎さんの経歴をまとめてみました。
本当の夢は、アイドルより会社の社長!
進学校として有名な女子高に通っていた川崎さん。 テレビに出ている「社長」という肩書きの人に漠然と憧れを持ち、将来は「社長になりたい」「貿易の仕事がしたい」と思っていました。
経営学を学ぶため大学受験を考えていましたが、高3の時、母に勧められたAKB初期メンバーのオーディションに合格し、芸能界入りすることに。
そうしてAKBの一期生として、アイドルに専念する生活が始まりました。
でも、心では「社長になりたい」とずっと思い続け、楽屋で経営者の自伝などを読んでいたとか。
ステージで社長の夢を口にすることもあり、ファンから「どういう風に応援すればいいんですか?」と言われ、アイドルとして反省したこともあったそうです。
次第にAKBの人気が高まり、紅白にも出場を果たしましたが、ある日、メイクの待ち時間に「やっぱり社長になりたい!」と実感した川崎さん。
仕事でカワイイ衣装を着る機会が多く、服を見る度に「洋服屋の社長になろう」という思いが強くなったと言います。
21歳でアイドルからアパレル起業し、事業家へ転身
卒業までの半年間は、アイドル業の傍らブランドの立ち上げ準備に取りかかっていました。
本を読みまくって独学で経営の基本を学び、AKBの講演後には、自分で書いた洋服デザインを持って工場をまわる日々。
AKBの肩書きは使わなかったので、若い素人女子として見られ、なかなか相手にしてもらえませんでしたが、知人に紹介してもらった工場でやっと自分の服を作ってもらえることになりました。
会社設立に必要な登記の手続き、商品注文やHP作成も自分でこなし、税務者や法務省では職員にイチから丁寧に教えてもらったと川崎さんは話しています。
社会人経験はなかったものの、アイドルとしての経験が意外にも役に立ったようで・・・。
「ステージに立ったことや、イベントや握手会で初対面の人と話すことで、知らない間に度胸がついていたのかな~なんて思います。メンタルは想像以上に強くなっていましたね。電話したり、営業後はついでに隣の工場にアポなしで行ったりして交渉していましたよ」 (参照)
そして、2009年2月末に約3年間活動してきたAKBを卒業。
ステージで涙を流しつつも、翌日3月1日にはブランド立ち上げのイベントがあるため、頭では「明日は大丈夫かなあ」なんて心配もしていたようです。
翌日のブランド立ち上げイベントは大盛況。会場だったカフェの外まで行列ができ、商品は無事に完売しました。
売上総額は約200万で、関係各所への支払いも済ますことができ、事業家としてスタートを切ることができたのです。
“手堅い”メンズ・アパレルブランドで成功!
通常の流れでいけば、当然レディース向きの事業を手がけると思うのですが、川崎さんが立ち上げたのは、メンズのアパレルブランド「ANTI MINSS(アンティミンス)」でした。
元々、メンズものが好きだったようで、スカルなどのロックテイストを取り入れつつ、カジュアルな着こなしが楽しめる、というブランド・コンセプト。
また、“女性デザイナーによる女性目線のメンズスタイル”は、いかにメンズがかっこよく見えるかという、シルエットやデザインへの細かいこだわりも特徴のようです。 (のちに、夫・アレクサンダーさんもモデルを務めていますね)
そして、事業家として鋭い視点も持っていました。
「レディースは流行の移り変わりが早くって、マルキュー(SHIBUYA109)でも2、3日で商品が入れ替わってしまうんですね。それに、生産はロットが大きくないと受け付けてくれない工場も多いですし、資本がない自分にはそれもできませんし。でも、メンズだったら定番商品で良いものなら長く売れますからね」
資金援助は受けず、貯金していた40万円だけで起業しただけに、主観が入らずに経営上、客観的に判断できるという意味でもメンズの方がいいという判断を下したのです。
また、リスクを最小限に抑えるために、ネットだけで販売を始めました。
まずは、自身で作成したウェブサイトで、Tシャツとアクセサリー類を販売。徐々に、カフェなどでスペースを借りる形で商品販売も始め、資金がある程度貯まった半年後に、正式に事務所を借りて会社の形を作りました。
ピンチ時に、ネイル業をスタート
アパレル業が軌道に乗り始めた頃、ピンチが訪れます。
契約していた中国の工場から突然、倒産したとの知らせが届いたのです。
支払いは商品納入後というのがせめてもの救いでしたが、発注していた春夏アイテムが白紙になり、売る物がなくなってしまいました。
「これで洋服はダメかも・・・」と閉店状態に落ち込んだ川崎さんですが、気晴らしに渋谷を歩いていたところ、ふと「ネイルサロン」が頭に浮かんだそうです。
すぐに原価を計算して物件をリストアップ、翌日には内覧に行って、即決!! JR渋谷駅から徒歩ですぐの場所で「迷いなく、ここだ」と思えたのだとか。
すぐにネイリストを募集して、道具や内装を相談しながら約1ヵ月で店を作りました。
2010年、ネイルサロン「MARON」がオープンし、その後、川崎さんは専門学校に通って資格を取り、自身でネイルのデザインも手がけるようになりました。
メンズに続き、レディースの心をがっつり掴む新事業をスタートさせた後、アパレルの方も国内で新たな工場と契約ができ、いよいよ「ANTIMINSS」も渋谷の好立地に店をオープンさせることができました。
そして、アパレルでもレディースものの扱いを始めました。 店舗展開について、川崎さんはこう話しています。
「家賃のほかに、人件費もかかっちゃいますし、売上もネットの方が断然いいんですけど、実際に手にとって見てもらえる場所っていうのが大事です。わたしは、高い広告費を掛けてまで広告を出すよりも店を置く方が、メリットがあるように思います」
服やネイルの宣伝に関しては、元アイドルというネームバリューをいかし、あまり宣伝にお金をかけなかったと言います。
芸能人のお店の方が、芸能人はプライバシーの面で安心して来店できそうですし、AKBのメンバーも訪れたりしているようですね。
川崎希さん流の起業・事業論
「ANTIMINSS」は起業から約3年で年商1億を突破と言われ、2013年にはネイルサロンに併設したエステサロンも開業しました。
起業時に目標にしていた「高級車を買う」も叶え、ランボルギーニをゲットし、一軒家を新築したとか。
もはや元AKBとしてだけではなく、事業家としても注目されるようになった川崎さん。
起業についてのインタビューでは、度々、慎重さ、堅実さがうかがえる言葉を口にしています。
「どちらかというと勘にまかせて行動するんですが、そのかわり失敗しそうなことはやらない。頭の中で計算して「100%いける!」という自信が持てないうちは、どんなに魅力を感じても我慢します。今のところ飲食業がそうですね」
「よく『悩んでいる暇があったら、行動しろ』と言われますが、闇雲に行動しても成果を得ることはできません。自分の経験や、頭の中にある知識を総動員し、「これはいける」と判断できれば、実行すればいいと思います。もしダメだと思うなら、他のプランを考えればいいだけです」
芸能人だとついつい派手に宣伝&事業展開をしがちなイメージがありますが、しっかりと足元を見た事業展開を行っている川崎さん。
芸能活動は店の宣伝になり、会社にとっても役立つと考えてタレントも続けているようですが、社長という立場の比重は年々強くなっているよう。将来の夢は、株式上場のようです。
そして……
「アメリカ進出はかなり本気で夢見ていて、セレブが買いに来てくれるような場所にお店を出せたらなと考えています。英語を話すことができると、世界中の人とコミュニケーションをとれるイメージがあったので、小さいころはアメリカ人になるのが夢だったんです(笑)」
憧れの人、エアロスミスのスティーヴン・タイラーが「ANTIMINSS」に来店したこともあり、海外セレブたちの御用達になるという川崎さんの夢は、近い将来叶えられるかもしれませんね。
【おまけ診断テスト】自分の「才能」に気づいていますか?
仕事ができるビジネスマンと出来ないビジネスマンの差は、意外と「自分の才能・資質を知っているかどうか」だけの差だったりします。
仕事ができる人ほど「自分が得意なこと」を仕事にし、仕事ができない人ほど「自分が好きなこと」を仕事にしようとします。
仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。
仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。
仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人。
「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。
世界最高のサッカー選手であるリオネル・メッシは、FW(フォワード)というゴール前20m四方のエリア内でのみ世界最高の選手でいられます。彼は誰よりもディフェンスをしません。なぜか? その仕事場以外では平凡な選手だからです。
つまり「仕事ができる人間」とは、「得意な場所で、得意な仕事をしている人」なのです。
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