「日本で最強の株式投資家(株トレーダー)は誰か?」
と聞かれたら、投資家たちの誰もがまず名前を挙げるのが「B・N・F」です。異論は認めません。
BNFという名称は、本人がかつて2ちゃんねるで使っていたハンドルネーム。本名は「小手川隆氏」と判明していますが、BNFという通称で有名になっているのでBNF(敬称略)と書いていきます。詳しくは後述しますが「ジェイコム男」と呼ばれることもあります。
BNFをものすごく簡単に紹介すると、大学生時代にアルバイトで貯めた160万円を元手に”たった8年間”で資産200億円以上を築いた天才個人トレーダーです。
当時はデイトレーダーという職業も確立していなかったので、新聞やテレビでは「無職の億万長者」なんて騒がれました。今ではメディアなど表舞台には一切情報が出てこないのですが、2008〜2009年ごろは普通にテレビの取材とかも受けてたんですよね。なので顔もバッチリ割れてます。
投資を始めた人は、BNFという伝説の株トレーダーのこと絶対に興味持ちますよね。私も気になってBNFについて調べましたが、調べれば調べるほど
という感想しか出てきませんでした(笑)。
なので、初心者の人にもBNFのヤバさが簡単に分かるよう
- BNFが億万長者になるまでの経歴
- BNFの投資手法
などについてまとめてみます。
元手160万円から資産200億円を築くまで8年間|BNFの投資経歴
BNFが元手160万円で株式投資を開始した2000年から、分かっている2008年時点までの資産推移がグラフがこちら↓
2008年末には資産200億円を突破したところまで分かっています。(それ以降はメディアに一切出なくなったので現在の資産額は不明。たぶん恐ろしい額になっています)
わずか8年間で資産1万倍以上にしているのだから、天才というより化け物ですよね。。
まずはそんな化け物トレーダーBNFの8年間の経歴を簡単に振り返りましょう。
【有名私大時代】半分引きこもり生活のなか、アルバイトで貯めた160万円で株式投資を始める
通称B・N・F(本名 小手川隆)/1978年千葉県生まれ
BNFが株式投資を始めたのは大学生のとき。出身大学は判明していませんが、ネット情報だと日大らしい?(一浪で入学)。
当時から人とのコミュニケーションが苦手な性格で、友達もおらずサークルにも入らずで引きこもりみたいな生活をする日々……。そんな当時、ちょうどネット証券が普及し始め、一般人でも簡単に株式投資ができるようになったことがきっかけで、株式投資に興味を持ったのが全てのはじまり。
アルバイトで貯めていた貯金160万円で株式投資を始めました。
株トレード開始2年後、資産1億円に到達して大学中退。専業トレーダーに。
BNFがトレードを始めた2000年ごろはまだ株トレード手法を書いた書籍もなく、トレードに関しては完全に独学でトレードを始めます。なのでBNFも最初は初心者らしく、一度買ったら長期保有スタイルで見事に負けてたそうな。
株の勉強を特別にしたわけじゃありません。株の売買はどうやったらいいかが分かる程度の本を1冊読んだだけです。
ちょうどネット証券が始まったばかりだったので、あんまり本とか読んでも意味がなかったんですよ。自分で運用しているうちに、自然と身についた感じですね。いや、別に数学とか得意だったわけでもないですよ。
(BNFの証言)
やがて「長期保有じゃ全然増えていかない……」と気づき、短期デイトレに変更。そこから数日保有のスイング手法の方が得意だと気づき手法を切り替えます。
詳しくは後述の「トレード手法」で書きますが、BNFは基本的にPERなどの指標やファンダメンタルズは見ておらず、徹底的にチャートを分析することで値動きの法則性を身体で覚えるスタイルでした。
当時は市場全体が下落相場だったにもかかわらず、BNFが独自に編み出したトレード手法(25日平均線を使った逆張りトレード ※後述)によって、”現物取引のみ(ヤバすぎw)”で資産を爆発的に増やしていきます。
トレード開始2年後には元手160万は1億円以上に増えており、この時点で「株でやっていけるな」と判断して大学を中退。専業トレーダーへと転身しました。
【伝説の始まり】2ちゃんねるに「B・N・F」のハンドルネームで投稿を始める
「B・N・F」の名前が始めて世に出てきたのは2004年の2月。2ちゃんねるの『今日の勝ち負けを報告するスレッド』という投資板に、「B・N・F」というハンドルネームの人物がコメントを投稿し始めました。
ちなみに「B・N・F」という名称は、米投資家ヴィクター・ニーダーホッファーから頭文字を取ってつけたもの
BNFが2ちゃんに投稿を始めてしばらくすると、「このBNFとかいうやつ”あまりに勝ちすぎじゃね?”」という評判があがり始めスレッド内がざわつきはじめます。中にはバーチャルトレードを疑う声も多数上がり始めました。
しかし、BNFが投稿する株価への考察があまりに深く的確なこと、50銘柄を同時売買する視野の広さや深い洞察力が見て取れること、そして当時の資金力(3億円ほど)などから、次第に「こいつホンモノの天才トレーダーだ……」ということが判明しスレッド内で衝撃が走りました。
こうして、「BNF」なる天才トレーダーの存在は2ちゃんねるを通して伝説になっていきます。
BNFが有名人トレーダーになった「ジェイコム事件」
BNFの存在を世に知らしめたのが、2005年の12月に起きた「ジェイコム株誤発注事件」でした。
この事件は、新規上場したジェイコム(※ケーブルテレビのJ:COMとは関係ない人材派遣業社)の株式において、みずほ証券の担当者が「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」にするという信じられない誤注文をしてしまい、株式市場を大混乱に陥れた一大事件でした。
そして、この誤発注株が市場に放たれたわずか10分間……、
BNFは当時の全財産の半分に当たる40億円を投入してジェイコム株を一気に買いまくり、その数分後、事態に慌てたみずほが全力で買い支えに走ったことで株価が高騰したところを一気に売り抜けました。
その間、わずか16分でBNFが得た利益は約20億円。これは個人投資家が相場で稼いだ利益では最高額でした。
世紀の誤発注事件において数分で億の利益を出した個人投資家がいること。しかもそれが、まだ20代の若者で「無職の青年(当時はデイトレーダーという職業の概念がなかった)」だったことからメディアが一斉に取り上げはじめ、BNFは「ジェイコム男」や「無職の億万長者」というキャッチコピーで一躍有名になりました。
このとき世間ではBNFのことを「世紀の御発注事件でたまたま大金を掴んだラッキー男」と誤解があったりしましたが、BNFはこの事件当時すでに80億円くらい持っているのであしからず。
このときは普通にテレビ番組に出演したりしてますね。YouTubeに貴重な当時の動画が残っています。
BNFがビル購入。現在は株だけでなく不動産投資も手がける
BNFは2008年以降はメディアにほとんど出なくなったので、現在の資産額がどれほど膨らんでいるのかは想像がつきません。
分かっているのは、すでに株式投資だけで運用するのが難しいレベルの資産額に達しているので、不動産投資にも手を広げていること。
2008年10月に90億で商業ビル「チョムチョム秋葉原」を、2011年に推定170億円で商業ビル「AKIBAカルチャーズZONE」をそれぞれ購入しています。
このうち、チョムチョム秋葉原は2018年4月に売却したというニュースが流れました。その売却価格は100億〜130億ほどと推測され、売却益と10年間の賃料と合わせて”爆儲け”を出した模様です。
「BNF氏が購入した当時の賃料収入は月5000万円、年間6億円程であったと聞いています。表面利回りで換算すれば6.7%であったことになります。
〜中略〜
この予想が正しければ、BNF氏がこの10年間に「チョムチョム秋葉原」で得た利益は、賃料だけで60億円超。さらに売却益で30億円もの利益を得たことになる。
引用楽待 不動産投資新聞より
BNFは現在結婚し子供もいる。
ちなみに、BNFは現在すでに結婚されていて子供もいるそうです。
いつしかのテレビ番組では「女性にはまるで縁がない」と言っていましたが、しっかりと家庭を築いてパパになっているみたいですね。
BNFのトレード手法(投資手法)について
続いて、誰もが気になるBNFのトレード手法について。
スイング手法が得意ということは広く知られていますが、細かい部分(エントリーの判断や利確ポイントの判断など)まで情報が出ているわけではありません。当たり前ですが。
その中でも、分かっている範囲でいくつか驚くべき事実があります。
信用取引なし!「現物買い」だけで資産100億円に達した
まず私が一番驚いたのが、BNFが160万円を100億円にした時点では「現物取引」しかしていないこと。当時はまだレバレッジをかけた信用取引はしておらず、現物買いのみでここまで増やしたそうです。
しかももっと驚くのが、当時(2000年〜2002年ごろ)はITバブル崩壊で市場全体が下落相場だったんですよね。
つまりBNFは株式投資を始めて最初の2年間、
- バブル崩壊の下落相場のなか、
- 現物取引(=買い)のみで、
- 資産を1000倍(1億円越え)に増やした
ということです。
普通、下落相場であれば信用取引で「売り(信用売り)」から入って利益を出すのが王道です。しかしBNFは現物取引なので「信用売り」はできず、買いから入ることしかできません。
要するに「リバウンド狙いの逆張りトレード」です。
下落相場といって一直線に株価が下がるわけではなく、ドーンと下がっては少し跳ねて(上がって)、またドーンと下げては少し跳ねて……と細かいリバウンドを挟みながら下がっていくのが普通です。
BNFは、この合間合間に来るリバウンドの瞬間を狙って現物を買うのが神業的にうまかったということですね。
25日移動平均線の乖離率を使った逆張りトレード手法
BNFは下落相場のリバウンドを狙った逆張りトレードで100億の資産を作りましたが、その時にBNFが編み出した手法というのが「25日移動平均線との乖離率」に注目した逆張りトレード手法でした。
ごく簡単に言えば、「株価が25日移動平均線に対して20〜35%マイナスに乖離した”買い”、そこで反発してマイナス乖離が15%程度まで戻ったら”売り”」というものです。
もちろん他にも判断基準はあったようですが、とくに重要だったのが25日移動平均線に対する乖離率」だったそう。下記は当時BNFが2ちゃんねるに書き込みしていた投稿です。
812 :B・N・F ◆mKx8G6UMYQ :04/10/03 16:40:18 ID:IdmbGKeE>>774
短期の逆張りで重要なのは乖離率だと思います。
乖離率がきつければきついほど反発しやすくなるのは当然ですが、その時の地合によって買うべき乖離率の水準はだいぶ違ってきます。01年や02年の相場では25日移動平均線からのマイナス乖離が最低20%、安心して買えるのは35%以上の乖離率という感じでした。
35%乖離した株を買い反発したところで売り、その段階でその株の乖離率は15%前後になり、しばらくするとまた30%以上の乖離率の水準まで落ちてまた反発狙いで買いの繰り返しでした。短期の逆張り専門の人には天国のような相場だったと思います。
しかし、去年後半から今年の今現在までの相場にかけては15%も乖離したら反発しちゃうって感じでした。というより、乖離率を見て逆張りすべき場面すら余りなかったです。
新興市場などできついマイナス乖離をする場面は何回かありましたが、2年前3年前と比べると地合が良すぎて東証一部の株で30%以上乖離している株がうじゃうじゃあるような状態は、あまり記憶にありませんね。
その時の地合に合わせてどの程度の乖離率で株が反発するのかを自分の相場観にしたがって判断していけばいいと思います。
ただ、この逆張りトレード手法は、デイトレーダーが少なかった2000年当時だから通用した手法とも言われています。
ネット証券ができたばかりの当時はまだデイトレードする個人投資家なんて少なかったので、株価が下げすぎてもリバウンド狙いで即座に入る「買い」の量が少なく、株価が”行きすぎる(=乖離しすぎる)”ことが頻発したのです。そこの歪みを狙ったのがBNFの逆張り手法でした。
しかし、デイトレーダーが急増した現在は株価がある一定基準以上下げると即座にリバウンド狙いの買いが入ってくるので、当時のようにマイナス乖離が行きすぎるほど下がるケースは減ってしまいました。
BNF本人も上記で「(2004年時点で)去年後半から今年の今現在までの相場にかけては15%も乖離したら反発しちゃうって感じでした」と、大きな乖離が生まれることが減ってきたと証言しています。
とはいえ、BNFは逆張りトレードが得意なようで「トレンドには逆らうな」と言われる株式投資家の中ではやはり異質の天才ですね。
下記はちょっと長いですが、BNFの貴重なトレード証言です。
36 :B・N・F ◆mKx8G6UMYQ :04/03/06 02:49 ID:kyul+4/n>33
私が180万から1億にする過程ではすごい下げ相場でしたが現物のみの短期の逆張りで簡単に儲かりました。というのは私は逆張りが好きで株は逆張りが有利だと思っているからです。
その理由は、例えば短期筋が順張りする場合(この話の短期は一泊二日長くて二泊三日の短期です)、その株が動意づく前に買ってた人を1とすると、その株を常に監視して上がり出す雰囲気を感じてまだ大して上がってない時に、勇気出して買う人を2として、その後完全に上がり出したのを確認してその株が次の日も、上がると思って買う人を3、その日の高値で買う人を4とすると、大体そういう動意づいた株のその日の出来高の推移を見ると3~4の間での出来高が多い気がします。
そして次の日、買い気配で始まればその寄りで買う人を5、寄った後に更にそれより高値で買う人を6とすると短期のつもりで3~4の間で買った人は良くて6の人に売って利益を出すって感じですが、これでは1で買った人の膨大な利益には到底及びません。しかし、1の段階で買ってる人は長期の人でしょうから、資金効率的なリスクを負っているので短期のつもりで3~4の間で買う人の投資方法も、1の人と比べて悪いわけではないでしょう。一泊二日の短期での順張りでは到底1の段階で買うことは難しく、コツコツ細かい利益を積み重ねる感じになる気がします。細かい利益と言っても1%~6%ぐらいはいける気がしますが。
一方、一泊二日の短期の逆張りに目をやると過去の25日移動平均線から何パーセント乖離したところで株は反発するのか?相場の雰囲気がいいから乖離が浅めでも反発するんじゃないか?相場の雰囲気が悪いから今回の乖離は相当きついところまでいくんじゃないか?出来高はどうか?ボリンジャーバンド的にはどうか?などを考慮して底を見極め買うことができれば一泊二日の短期なのに短期売買での順張りでは買うことの難しい動意づく前の水準である1の段階と同等の水準で買うことができるのです。底打ったかな~?ぐらいで買う人は、短期の順張りで言えば2の人ぐらいで完全に底打ってから買う人は短期の順張りでは3~4の人に相当すると思います。私は一泊二日の短期なのに短期の順張りでの1の水準で買えるおいしい相場が下げ相場だと思っているので下げ相場でも上げ相場でも現物だけでもいいかなぁって感じです。
落ちてるナイフは危険じゃんという意見もあるでしょうが、前の日までのマイナス乖離のきつい株が当日もそれなりのマイナスである場面で、自分のテクニカルの判断で反発すると思ってる株を買ってもその日、そこから更に下落するのは余地は少なくなり、上がりそうもなければさっさと損切ればいいわけです。私の感覚ではただでも乖離のきつい株がダウやナスの下げなどで朝から結構売られてれば、そこで買っても損切り早ければそんなにリスクを感じません。むしろ短期の順張りでの1の水準で買えるかもとわくわくします。
こんな感じで180万から1億までは逆張りで儲けた比率がかなり高いです。そこからは去年の上げ相場でアホになって順張りして儲けた感じですね。ってもそれまで逆張りで儲けてきたのでかなりビビリ捲くりの順張りでしたから利益率はそれほどよくないです。
下落相場は「短期逆張り」、上昇相場は「順張り」
2000年〜2002年当初、BNFが逆張りトレードにこだわったのは当時がバブル崩壊の下げ相場だったからです。その後、相場が底を打って上昇トレンドに変わってからは「順張り」に切り替えているので誤解しないよう。
- 上昇相場:順張り
- 下落相場:短期逆張り
まぁBNFは信用取引しなかったので、下落相場で順張り(信用売り)がそもそもできないんですけどね。
基本的に株トレードは「ロング(買い)」より「ショート(売り)」で利益を出す方が圧倒的に難しいと言われているので、下落相場で逆張り(買い)ならわかりますが、上昇相場での逆張り(売り)は致命傷になりやすいので私たち凡人は気をつけないといけません。
まとめ
BNFは増やした資産額もさることながら、レバレッジをかけた信用取引せずに(現物取引のみで)数百億の資産を築いたことが化け物じみてますね。間違いなく日本最強の個人投資家(トレーダー)でしょう。
2009年時点で資産200億円を超えているので、10年近くたった現在は一体いくらになっているんでしょうか……想像もつきませんね。
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