向いてない。独立起業してはいけない人のたった1つの特徴

起業

「ブラック企業」という言葉はここ数年ですっかり浸透し、公務員を目指す学生が激増している近年、サラリーマンという働き方に対する疲弊感や閉塞感はより充満してきている。

サラリーマンの多数派は、「本当は働きたくないが、会社から給料をもらう以外にお金を得る手段がない」という理由から”仕方なく”勤めているタイプだろう。そしてそのうち一定数の少数派の中には、そんな待遇に嫌気がさして「独立起業」という選択肢を検討している人もいると思う。

いや、検討しているというより、まだ”願望”に近いものだろう。

SNSなどが普及したことによって、社会の中には、会社に勤めずとも自分の腕1つでサラリーマンより遥かに自由に(楽という意味ではなく、自分の意思決定で仕事ができるの意)、そして遥かに高い月収を得ている人が当たり前に存在することが顕著に見えるようになった。

彼らの多くは、大なり小なり自分の事業を持ってお金を稼いでいるか、不動産あるいは株式投資のように資産に働いてもらって稼いでいるかだと思う。

アパートの一室から一人でアプリやWebサービスを作って成功し、法人化して一躍社長になった成功者や、ブログやサイトを構築したり動画を投稿したりして月100万円以上の広告収入を稼ぐ人が、ネットやTwitter上にうじゃうじゃいる。

そんな”彼ら”のライフスタイルに憧れをおぼえ、自分も会社を離れて「起業」という自由な世界を目指そうと”考えている”人は増えていると思う。

しかし、当たり前だが現実はそれほど甘くない。起業あるいはフリーランスとして5年以上継続して食べていける人はかなり少数派だろう。

では、起業して成功できる(食べていける)人と、そうではない人の違いは何だろうか?

成功の要因を明確に挙げることは難しい。成功とは1つの要素だけでは足りず、あらゆる要素が上手く合致したとき初めて導かれるものだし、そこには”運”や”タイミング”といった不確定な要素も多分に含まれる。

しかし、失敗する人、いわゆる「起業に向いていない人」には、特有の共通点というものが1つあるように思う。

資格だとか経歴だとかそんなものではなく、もっと根源的でシンプルなものだ。

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起業に成功するのは「バカ」か「天才」?

天才

バカなヤツの方が起業に成功しやすい」という言葉は、学生時代に起業し、最盛期は時価総額6000億円に到達する一大企業を築き上げ、数千人を部下に持った元ライブドア社長のホリエモンこと堀江貴文氏の言葉だ。

起業家や社長達の実態に詳しい堀江氏は、「起業に成功するのはバカか天才のどちらか」という趣旨の発言を度々しており、さらに自分が見てきた社長たちはほとんどがバカのタイプだったと言う。

「(バカは)後先考えないんですよ。あーこれだと思ったら、ガーと行っちゃう。だから上手くいく。(中略)しかも、何回失敗しても気にしないんですよ。周りの人たちに『ごめんなさーい!』って言ったらもう忘れてる」

(ホリエモンチャンネルでの発言)

この記事を読んでいる人で「天才」の枠に入る人はほぼいないと思うので、ここでは特に言及しない。彼らは論外だろう。

そのビジネスが上手くいくかどうか、ぶっちゃけ分からない」という前提条件の上で、成功しやすいのはバカなヤツ、という結論だ。

逆に最もやっかいなのは、中途半端に頭が良い人だとも堀江氏は言っている。天才のように「確実に成功する根拠」は持てないが、ヘタに頭が良いから「上手くいかないかもしれない」という漠然とした考えやためらいに足を奪われてしまうからだ。

つまり、結果的に後先考えずに動いてしまう「バカ」の方が成功する確率が高いというわけである。

しかし、決して勘違いしてはいけない。「バカ」にも種類がある

ここで言う「成功するバカ」とは、”後先考えずに行動できる”タイプのバカだ。

私も、起業に成功できる人の最たる要因は、この「行動できるかどうか」、もっと言えば「”主体的に”実行に移せるかどうか」にあると思っている。

つまり起業成功の必要条件として、自主性や主体性といった部分がまず必要不可欠になるということだ。

そして、起業に向いていない人、失敗する人というのは、まさにこの部分が欠落している人だ。

起業に向いていない人の特徴

絶望

自主性や主体性というとやや抽象的な印象なので、もっと端的に例を出して言い換えてみる。

簡単に言って、これまでに以下のような発言を一度でもしたことがある人は、起業や独立には向いていないタイプだと言える。

  • 「初心者なんで、◯◯したいんですけど、どう思いますか?」
  • 「起業したいんですけど、まず何から始めればいいですか?」
  • 「私も◯◯を始めようと思うんですけど、何かアドバイス下さい」
  • 「どうすれば成功できますか?」
  • etc……etc……

もうお分かりだと思うが、こういった発言をする人達の特徴は、

何かを始めるとき、”まず他人に意見や答えを求める”

ということだ。

もう少し補足すると、

「(すでに実行していることに対して)コレ、どう思いますか?」ではなく、

「(まだ動いてもいない時点で)どうすればいいですか?」と聞いてしまう人たちだ。

こういう特徴を持った彼らは、ネット上でよく見かける。

例えば2ちゃんねるの掲示板で、「起業したいんだが、まず何からすべき?」だったり、「アプリを作りたいからプログラミング習いたいんだが、まず何から始めればいい?」といった質問をしていたりする。

また、アフィリエイトのような広告収入で稼いでいるアフィリエイターやブロガーのブログにこんなコメントを送ったりする。

自分も精神的な疲労から会社を退職したものです。◯◯さんのように個人事業主として稼ごうかと思っていますが、パソコンなどのIT知識がなく、何から始めればいいのかも分からない状況です。なにかアドバイスを頂けないでしょうか? 何か良い稼ぎ方はありませんか?

こういったコメントはブロガーなら頻繁に見かけると思う。

こういったコメントをする人に対して、ブロガー達は表向きそれらしいコメントを返しているが、本音では「そもそもそんな姿勢じゃ独立しても無理ですよ」と言いたいところだろう。

こういう特徴を持つ彼らは、何か壁に直面したとき、自ら思考したり調べてみるといった行動の前に、「他人に答えを聞く」という行動を取る。そこに主体的な思考は一切ない。

例えるなら、算数の力をつけたくてドリルを開いたのに、問題を解く前から真っ先に後ろの答えを見ようとするタイプの人たちである。

簡単にイメージできると思うが、後ろの答えをそのまま書きうつしたところで算数を解く力がつくはずはない。

そしてこの「人に聞いてしまう病」は、個人事業主になる、ましてや起業して社長になるとすれば致命的な欠点だ。なぜなら、経営者や事業主にアドバイスしてくれる人なんて存在しないからだ。

事業主というのは、あらゆる可能性を自分で思考し、検証し、仮説を立て、それでもまだ見えない未来に向かって、最後は多少なりとも勘を頼りに走っていかなければいけない。道を示してくれる人なんていない。事業主はいつだって先頭を走らなければならないのだ。

サラリーマンならいい。サラリーマンには、迷子になってもアドバイスをくれる上司がいる。答えを示してくれる上の者がいる。言い方は悪いが、上司の言うことをただその通り忠実にこなしていれば少なくとも問題は起きない。

他人に示された道を進むことに慣れすぎた彼らは、自分の道へ踏み出して歩き出すことはおろか、自分の道を自分で選択することすらできない。上のような例を見るに、選択しようとする意思すらないように思える。

このようなタイプの人間は、自分で舵を取らなければならない独立や起業という道には向かないだろう。

前述した堀江氏の言葉を借りれば、起業に向いているバカは、周囲の意見なんて一切聞かずに、自分で勝手に決めた道へどんどん進んでいってしまうような、”自分勝手なバカ”なのだろう。

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「起業したい」という人も絶対起業しない

起業

ここからは余談だが、サラリーマンの中にも「将来は独立して起業するつもりなんだよね」と意識高い発言をする人も多い。

しかし、そういう発言をする人間のうち、本当に起業する人はほぼゼロに等しい。99.9%の人間はなんだかんだでサラリーマンをやめられずに終わる。

「起業したい」と漠然と公言する人は起業しない。なぜなら、本当に起業する人というのは、「したい」などと言う前にすでに「している」からだ。

と言ってしまうと話が終わってしまうので、ここからは「起業を目指すサラリーマン」についてもう少し掘り下げていきたい。

大企業で「起業の準備」にあまり効果はない

サラリーマン

上で挙げたような”自称・起業志望家”の常套句として「まずは会社でスキルアップや経験を積んでから」という言葉がある。

しかしそうした発言は往々にして、いま踏み出す勇気や覚悟がないから、結論を未来に先延ばししているにすぎない。未来についてなら誰だって何とでも言える。(もちろん、例外の人もいるが)。

この傾向は、特に大企業に勤めている人に強い印象がある。

彼らは、大企業という看板や舞台の上に立ってスケールの大きな仕事をしているため、意識的にも無意識的にも「大きな仕事をしている=そんな自分は優秀な人材」だと思い込んでいるケースが多い。シャープを追い出された中年社員たちが再就職できずに困っているニュースがあったが、彼らなんかその典型だろう。

自分が大企業にいるという自負心から、そこで仕事をしていれば大きく成長し、後々起業して成功できるだろうと考えている人もいると思う。

しかし実際には、起業や独立に向いているのは、どちらかといえば大企業よりもむしろ、ベンチャーや中小企業で活躍している人だと思う。

なぜなら、大企業というのは大企業であればあるほど、社員一人が担う仕事は細分化されていくからだ。

「歯車」と言ったら聞こえが悪いが、全体を構成する歯車の数が多ければ多いほど、1つの歯車の担う仕事は小さくなる。

その証拠に、大企業ではいくら優秀な社員であっても、”その人が辞めたら明日から会社が維持できなくなる”、なんてことにはならないだろう。

それほど大企業は、構成員の個々の能力に左右されないよう、「誰がやっても売上があがる」という仕組みを、長い年月をかけて構築してきている

また、大企業は悪い意味で安定しすぎている側面もある。それは手厚い研修制度だったり、プロジェクト1つ立ち上げるのに必要な判子の数だったりするわけだが、いかんせん”足腰重すぎて”スピード感にかける。

その点については、有名社会派ブロガーで数々の著作も出されているChikirin(ちきりん)さんのブログ記事でも取り上げられているが、非常に説得力がある。

以下、そのブログ記事から印象的な部分を引用する。

「大企業は人を育てる余裕があって研修制度も整ってるから、最初は大企業に入ったほうが成長できる」とか、未だに寝ぼけたこと言ってる人がいて驚く。

(中略)少なくとも「大企業に入ることができる人」が持っている選択肢の中では、「大企業」はおそらく、最も成長スピードが遅い選択肢だと思う。

Chikirinの日記「大企業のほうが成長できるとか完全にウソ」より引用

(ちなみに、ちきりんさんは元マッキンゼーという超大企業出身)

人が成長するには過負荷(ストレッチ)が必要だ。その意味で、大企業には余裕がありすぎる。いい意味で安定、悪い意味で過保護だ。

仕事も筋トレも同じ。足を止めた瞬間に地へ落ちないようではランニングマシーンの意味がない。過負荷(ストレッチ)なしに成長はありえない。

会社にいながら起業の勉強をするには

会社員

もちろん中には、本当に起業する意思を持って「起業のためのスキルアップ」として会社員の道にいる人もいると思う。そんな人は、一度よく考えた方がいい。

基本的に、会社の中で実際に経営の経験がある人はたった一人しかいない。

そう、「社長」のみだ。

どれだけ優秀な上司のもとで仕事を覚えようと、その上司は有能な「サラリーマン」であって経営者ではない。起業や経営の経験はゼロのド素人だ。少なくともその人のもとでゼロイチの起業や経営は学べないと思ったほうがいい。ましてや起業や独立の相談をするなどもってのほかだ。

もし、会社員をやりながら本気で起業や経営を学びたいなら、可能な限り社長に近い、経験者から直に学べるポジションに付くべきだろう。

もっと言えば、サラリーマン上がりの社長ではなく創業社長の方が良い。なぜなら、ゼロからの起業を成し遂げた創業社長と、出世が上手くて社長になったサラリーマン社長とでは、経験による思考回路がまるで違うからだ。

つまりあらゆる意味で、ベンチャー企業で揉まれるのが最も効率よく経験値を貯められるだろう。

今や世界的アプリに成長したLINEを生んだ当時のLINE元社長・森川亮氏は、もともとはTV局員だったが、過保護すぎる大企業で働くうち「このままじゃダメになる」と危機感を感じ、年収が半分になってでもベンチャー企業へ転職した。

ベンチャーというサバンナの世界で”筋トレ”をし続けた森川氏は、当初の年収こそ半減したものの、その後LINEを作り上げた今となってはTV局員の生涯年収とは比較にならない資産を手にいれただろう。つまり、森川氏は賢い投資をしたと言える。

「逃げ」で起業するなら、”環境を変える”方が絶対に良い

ネクタイ 会社員

前向きな野望を持って起業を目指す場合、大企業で経験を積むよりはベンチャーの方が良質で実践的な経験値が貯めれられるであろうことを述べてきたが、

そもそも、起業を検討している人の全員が前向きな意欲を持っているわけではないだろう。

この記事を読んでいるあなたは、「起業したい」「独立したい」といった検索キーワードで辿り着いたかもしれないが、そうした悩みを抱えている人の中には、本質的に「堪え難い現状から脱却したい」という”逃げ”のモチベーションを含んでいる人もかなり多いはずだ

それは悪いことではないし、間違ったことでも決してない。
上司が嫌だ、会社が嫌だ、仕事が嫌だ……

この地獄から抜け出すには起業しか……

しかし、そういう類の人たちに一言いいたいのは、

解決策としての起業はやめておけということ。

なぜか?

はっきり言って、そうした悩みのほとんどは環境を変えるだけで解決できるからだ。起業ほど大きな賭けをする必要は全くない。

人は驚くほど環境に左右される。
いじめられっ子が転校したら、新しい学校でいじめっ子になったなんて良く聞く話だが、それほど環境は人を変える。良い意味でも悪い意味でも。

今のあなたは「自分は仕事ができない人間だ」と思い込んではいないだろうか?

勘違いしてはいけない。
あなたができないのは、あくまで「その仕事」なのだ。「その会社での仕事」だけ。「その職場のメンバーとする仕事」ができないだけなのだ。

仕事ができるできないなんて、所詮は一つの組織の中の話でしかない。

もしあなたが今、恵まれない環境での仕事に悩まされていて、その打開策としての起業を考えているとしたら、はっきり言って環境を変える(つまり転職する)方が良いかと思う。

人は環境によって驚くほどパフォーマンスが変わる。
周りの人、自分の立場、総じて”環境”さえ変われば、仕事ができるできないなんて簡単にひっくり返るだろう。

ただ、最高の環境を探すときに最重要視すべきポイントは「職場の人間模様」ではない。一番大切なのは、自分の資質が最大限に発揮できる仕事を選ぶことだ。

今のあなたは、本当は FW(フォワード)で足が速くドリブルが得意な選手なのに、なぜかディフェンダーをやらされている状態かもしれない。それで上手くできないからといって「俺はサッカーが下手なんだ」とはならないし、間違いだ。

上手くいかないのは環境(ポジション)が自分の資質にフィットしていないからーーただそれだけの話。

自分の強み・得意なことを知ろう。話はそれからだ。

サラリーマン 会社員

人は、「自分が何が得意なのか」を知らない。

当たり前の話だが、人が最も良いパフォーマンスを発揮するのは、「最適な環境」で、「最も得意なこと」にコミットしたときである。

しかし、ほとんどの人は自分が「どんな環境で力を発揮できて」、「どんなこと」に才能(というより資質)を持っているかを分かっていないのが問題かと思う。だから環境がズレるし、やってることもズレる。

最大の落とし穴は、「好きなことと得意なことは違う」という真実だ。

独立志向が強くて起業したものの、実は組織の中で動いた方がパフォーマンスが高い人もいれば、

組織の安定感に甘えていた怠け者でも、いざ独立して後ろ盾をなくしたら人が変わったように才能を発揮して大成功を成し遂げる人もいる。

地味な経理作業が好みだという人が実は面白い想像力を持っていたり、派手なマーケティング仕事が好きだけど実は数字が強くて分析能力に長けている人もいる。

そういうズレた人たちは、「環境」と「仕事」を変えるだけで驚くほど化ける。

自分の本当の「才能」を知る方法

私が「自分の才能・資質」を知る上で役に立ったサービスが一つだけある。

それは、リクルートが運営するリクナビNEXTのグッドポイント診断というサービスだ。

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リクルートが提供する無料の診断サービスだが、無料のわりにかなりしっかりしたテストが受けられる。

20分程度かけて質問に答えていく形式で、診断結果は実に8568通りものパターンが用意されている。つまり、ほぼ自分だけの最適な答えを受け取ることができる仕組みだ。

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グッドポイント診断を受けるにはリクナビNEXTの会員登録が必要だが、登録も診断も無料で受けられる。

会員登録自体は3分で終わるので、いま30分程度の時間がある人はサクッと受けてみるといい。

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良くも悪くも、自分が好きなことと得意なことは違う。
自分は何が得意なのか、何に資質が向いているのかが分かれば、それに最適化するだけで仕事の成果は劇的に変わるだろう。

まとめ

最近は、一部の界隈で20代前半の若い人を中心にプチ起業ブームが流行っているような空気もある。それはそれで一向に構わないが、

「起業家はサラリーマンよりスゴい」とか、
「起業家はサラリーマンより成長できる」とか、

それは嘘だ。安易に信じて飛び出すのはおすすめできない。

人には各々に資質があり、向き不向きがある。
人が最も成長できるのは、各々の「最適な環境」で、「最適な仕事」に向き合った時。それが起業の人もいれば、そうでない人もいる。

自分の向き不向きも知らないまま、「起業すればとりあえず成長できる精神」で飛び出してしまう人は見ていて危うい。

ひとまず言えることは、起業しようか悩んでいて今この記事を読んでいるあなたは、起業には向いていないだろう。起業に向いている人というのは、起業について検索する前にすでに起業して(実行に移して)いるからだ。

しかし、それは起業する人より劣っているわけでは決してない。

ただの向き不向きの問題だ。
そんな問題でしかないのだから、悲観的になる必要はない。

起業に向いていないなら、向いている道を見つけてそこで戦えばいいだけ。そっちの方が遥かに高いパフォーマンスを発揮できるのは間違いないのだから。

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