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休めない会社はイヤ!仕事を休みたい20代社員は甘えなのか?

投稿日:2017年7月9日 更新日:

最近SNSでちょっと話題になった記事で「イマドキの20代は仕事において”休み”を最重要視する」という内容のものがありました。これが読んでみるとなんとも消化不良というか、ちょっと物申したい点があったので考察を書いてみます。

件の記事はこちら「「休めないなら辞めます」イマドキ20代が余暇を優先する理由」。やや長い記事なので要点だけ下記でまとめてみます。

今の20代の若者は、就職において給料よりも「休み重視」の人が急増している。面接で「どれだけ休めるか」と面と向かって聞いてくる若者もいる。

会社に対して給料が上がる期待が持てず、良くて現状維持で悪ければ下がる可能性が高いなか、せめて休みくらいは確保したいという想いの現れではないか? と推測

企業は若手人材を確保するため、「どれだけ休めるか(残業が少ないか)」をアピールしなければならない状況。

この若者の意識の変化に、企業の中間管理職たちからは戸惑いの声が相次いでいる。むしろ、無駄な残業を徹底的に排除するせいで、勤務時間以上の”学び”が得られない若者に対し「かわいそう」との声も

この記事自体は面白いし、記事(を書いたライター)の主張には概ね同意できます。ただ記事内に登場する若者と中間管理職の価値観が全く相容れなくて、「そりゃ若者も労働意欲湧きませんわな」という印象でした。

こういった「イマドキの若者論」になると、みんな「ゆとり」とか「甘え」みたいなイメージを抱きがちではありませんか? しかしそんな陳腐な言葉で一蹴して全て若者のせいにするのはあまりに短絡的で滑稽です。

結論から言って、休みたがりな若者は決して「ゆとり」でも「甘え」でもありません。今の若者が休みたがるのは至極当たり前なことです。

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若者が仕事を休みたいのはゆとりでも甘えでもない

なぜ今の若者は休みを優先したがるのか?

答えは明白で、働いても働いた分だけの正当な対価が得られないからです。要するに頑張って働いても意味(見返り)がないよね。っていう。

その根源にあるのがサービス残業です。若者からしたら働けば働くほど(残業すればするほど)、本来得られたはずの給料が支払われず、働き損な状況が出来上がってしまっているわけです。そんな状況下で休むより働きたいなんて人の方が頭おかしい話です。

「今の若者はお金よりも休みを欲しがる」なんてとんでもない。お金が貰えないのはもう諦めているから、せめて休みだけでも欲しいんです。

これは「欲しがり」ではなく、むしろ「諦め」です。

つまり、頑張るにも(給料という)モチベーションが生まれないのが根本原因としか思えません。

労働時間はむしろ減っている

近年はブラック企業が度々取り沙汰されて「長時間労働」が社会問題化しているので、どうしても「労働時間が長くなったせいで若者の働く意欲が失せた」と思われがちです。

が、それは正確ではありません。

事実、過去に比べて今の日本人の労働時間は増えるどころか”どんどん減っている”のです。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3100.html

このデータによれば、日本人の年間労働時間は1990年の約2100時間から2015年は約1700時間まで減っています。つまり、日本社会は長時間労働化しているわけではなく、むしろ今の人は昔の人より働いていません。

ではなぜ、1990年あるいはそれ以前の人たちはこれだけ長時間働いても、今の若者のように「休みが欲しい」なんて言わなかったのか?

答えは単純明解で、働けば働くほど会社の業績は上がり給料が増えたからです。一言に集約するなら「好景気だったから」です。

当時は頑張るだけのモチベーションがあった。戦後の高度経済成長期、そしてバブル景気……終身雇用に年功序列賃金が約束された、今とは全く別世界の社会の出来事です。

ここで結論を繰り返します。

今の休みたがる若者は、長時間労働に辟易としているのではありません。「長時間働いても意味がない(見返りが期待できない)」ことに辟易としているのです。

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サービス残業容認が招いた労働生産性の低下

バブル後期に社会に出た人間がどんな価値観を持って働いてきたのか端的に分かる発言があります。下記は、件の記事のなかに出てくる(53歳・金融)の発言の抜粋です。

「昔も今も、基幹社員として一人前になるには、首までどっぷり仕事につかる期間が必要なはず。今でいう“サービス残業”も、昔は自主的な“学びの時間”で、それが会社にも認められていた。

でも今は、会社にいる時間は勤務時間として申告し、終わったらとっとと帰れ、だらだら仕事をするなということになっている。全てがコスト管理の感覚で、非生産的な時間が認められづらい。若手が勉強しようと思ってもしづらい時代だなと思います」

(金融・53歳)

まるで、今の長時間労働・低賃金社会の象徴のような発言です。

サービス残業を「自主的な学びの時間」と捉え、「(今の社会は)全てがコスト管理の感覚で、非生産的な時間が認められづらくなってしまった」と”悲観”しています。

こんな価値観の世代が管理職となりルールを作る側に回った結果、日本人の一人当たりの生産性(一人あたりのGDP)は先進国で最下位になりました(世界27位)。

つまり、コストパフォーマンスがめちゃくちゃ悪くなったということ。

それも当たり前です。
なぜって、ルールを作る側の椅子に座っている人たちが真っ向からコストパフォーマンスを否定しているのですから。

もう一度、先の発言をリピートします。

「(今の社会は)終わったらとっとと帰れ、だらだら仕事をするなということになっている。全てがコスト管理の感覚で、非生産的な時間が認められづらい」

非生産的な時間(サービス残業)を認め続けてきた結果が、一人あたりのGDP先進国最下位への転落なのです。

なぜ今の若者の労働意欲が失せてるかって、その因果の糸を辿っていけば源泉にあるのはやはり「経営陣の問題」なのでしょう。

「休めない会社はイヤ」は当たり前。

なぜって、もう誰も給料には期待していないんですから。頑張ったら給料が増えるとか、結果出せばボーナスが増えるなんてもう誰も期待していないんですから。

頑張っても頑張らなくても、給料は変わらない。だったら働くのは最低限にして、”せめて”休暇を大事にしたい。

当たり前です。

甘えもクソもない。小学生でも分かる当たり前の理屈です。

長時間労働 × 高賃金ならまだ頑張りがい(モチベーション)が生まれます。しかし今の長時間労働×低賃金のダブルパンチでどうやってモチベーションが生まれるのか? そんな魔法があるなら教えて欲しいくらいです。

もしあなたが今、休みたくても休めないようなブラック企業に勤めていて、サービス残業×低賃金のダブルパンチに苦しんでいるなら、今すぐ辞めていいです。というより「辞めたい」という正常な思考を保てているうちにすぐに辞めて転職しましょう。

このラインを超えてしまうと、「洗脳される」か「うつ病に陥る」かの二択です。ラインを超えた段階で思考停止に陥るので「辞める」という判断すらできなり、最悪の結果を迎える人もいます。

「辞めたい」「苦しい」「ツラい」と思えているうちに、正常な思考が働いているうちに転職エージェントに相談して転職活動を始めましょう。世の中には今の職場よりずっとマシな場所が腐るほどありますし、近年は週休3日制を導入する企業も増えています

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まとめ

今の中間管理職(50代)達からすると、イマドキの20代社員は「新人種」なんだそう。個人的には、多分この旧人種と新人種は一生相容れることはなさそうです。

あと数十年して旧人種がビジネスの前線からいなくなり、2000年代以降の人種が各企業の経営の椅子に座り始めたとき、世の中の労働観が変わっていくのではないかと思います。

ちなみに、イギリスの調査では「仕事がつまらない。辞めたい」と感じ始めるのは35歳が境い目だそうです。

参考35歳からの「仕事やる気でない辞めたい病」は世界共通の悩みらしい。

多くの人は35歳で急激に、その後は緩やかに仕事に対するモチベーションが低下していくそうですよ。

20代の転職しやすい時期に、良い仕事に出会っておきたいところです。

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