【格安SIM元年】2016年で格安SIMはどこまでお得に進化した?1年間の大きな変化4つを振り返る

格安SIM元年となりそうな2016年。
そろそろ格安SIMは、一部のデジタル通のアイテムだけではなくなってきています。

MM総研が発表した2016年度上期の国内携帯電話端末出荷台数に関する調査結果によると、キャリアスマホの出荷台数は前年同期比の13.1%減。対してSIMフリースマホはなんと前年同期比79.1%増という驚異的な成長を見せています。

MNO以外が取り扱うSIMフリースマホの出荷台数は同79.1%増の119万8千台となり、全スマホ出荷台数に占めるSIMフリー比率は9.8%と堅調に拡大しました。

また、MM総研によると、スマホ契約数は2018年度に1億件に達する見通しで、このうちMVNOのSIMカードを利用したスマホ契約数は1,000万件を突破すると予測しています。

IT Media Mobileより一部引用)

2018年には日本で使われるスマホの10台に1台が、格安SIM(MVNO)を利用した格安スマホになる見通しだそうです。

そんな、急激な進化と成長を見せた格安SIM市場の2016年。
各MVNOのサービス戦争は熾烈を極め、まるで一ヶ月ごとに新たなプランやサービスが誕生し、ユーザーにとってはたった1年で見違えるほどお得になりました

そこで今回は、2016年の1年間で見えた格安SIMの大きな変化についてまとめたいと思います。

格安SIMをよく知らない人はまだ漠然とした「安かろう悪かろう」のイメージに囚われているかもしれませんが、この1年間で格安SIMは劇的なまでにお得に進化しているんです。

photo credit: TechStage Google Nexus 6 _ 20 via photopin (license)

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通話料のデメリットはほぼ解消? 限定かけ放題や通話料半額が当たり前に

楽天モバイル 楽天モバイル5分かけ放題オプション

 

個人的に一番大きな変化は「通話サービスの進化」です。

これまで格安SIMと言えば「通話をしない人ほどお得」が常識で、基本通話料20円/30秒という高さが最大のデメリットでした。

しかし2016年、このデメリットを解消すべく、多くのMVNOが続々と「かけ放題オプション」や「通話半額アプリ」「無料通話パック」をリリースしました。

ざっと人気どころのMVNOを見てみても▼▼

MVNO 通話オプション 半額通話アプリ
楽天モバイル 5分かけ放題 楽天でんわ
mineo LALAコール
OCN モバイル ONE 5分かけ放題 OCNでんわ、050plus
IIJmio 通話定額オプション みおふぉんダイアル
BIGLOBE SIM 通話パック60 BIGLOBEでんわ
DMMモバイル DMMトーク
ワイモバイル(※) 10分かけ放題(月300回)

※ワイモバイルは厳密には格安SIMではない。

見て分かる通り、市場のトップ争いをしているMVNOはそのほとんどが通話料を安くするサービスをスタートしました。

もはや格安SIMは通話料を安くするサービスがないと勝負にならないレベルなのです。

「通話料が高い」という格安SIM最大の弱点は、猛烈なスピードで克服されてきています。まだ「完全なかけ放題」こそできないものの、5分以内程度の細かい通話ならほぼ心配無用になりました。

たった1年でこの変化です。
今までキャリア3社が仲良しこよしで市場を支配していた状況を振り返ると、

これぞまさに競争。
これぞ市場競争による進化のスピード。

ちょっと感慨深くもありますよね。

ヘビーユーザー向けの大容量プランも続々登場!

楽天モバイル 楽天モバイル20GB/30GBプランの登場

 

格安SIMはスマホをあまり使わない人のためのもの」という常識にも大きな変化が見えました。

格安SIMの成長に対抗して、キャリアが20GBギガモンスターなど格安大容量プランをスタートしたことを皮切りに、さらに対抗せんとばかりMVNOも大容量プランをスタートさせ始めています。

先立って楽天モバイルが打ち出した20GB/30GBプランは、同量のキャリアプランより30%安く、テザリング使用料も無料ということでかなりの大勝負にでています。

>>楽天モバイル公式サイト

そしてDTI SIMも、新プランとして10GB/15GB/20GBプランを発表。

dti-sim

こちらはもともとあった「ネット使い放題プラン」の速度が遅すぎるという不評を受けての、大容量+高速通信プランですが、20GBレベルのプランを打ち出すMVNOがまた一つ増えることになりました。

その他、FREETELやDMMモバイルは元より20GBプランを用意していましたが、この大容量プランのニーズ拡大を受けて近いうちに30GBレベルまでのプランを揃えてくる可能性は結構あると思います。

あとイオンモバイルは最大50GBまで提供してますね。これはちょっと別格です(笑)。

格安SIMユーザーに一番人気なのは3GBプランと言われていた通り、初めこそスマホを使わない層を狙っていれば良かったMVNOですが、2017年以降はそうも言ってられなそうですね。

スマホ市場は限られたパイを奪い合うイス取りゲームである以上、MVNOが成長するにはキャリアのパイを奪う必要があります。格安SIMはもう「絶対的な安さ」ではなく、キャリアと比べた「相対的な安さ」で勝負しなければ死あるのみ。

キャリアが大容量プランで月7GB以上のユーザーを根こそぎ奪いに来た以上、おそらく格安SIM勢も同様ユーザーを”さらに安いプラン”で引き抜きにかかるはず。

2016年に楽天モバイルやDTI SIMが先陣を切りましたが、2017年から10GB以上の大容量プランをスタートさせるMVNOはさらに増えると予測します。

特定サービスの「カウントフリー」が大きな武器に

LINE

2016年の新たなワードとして生まれた「カウントフリー」とは、ある特定アプリやサービスの通信量がゼロになる、つまり使い放題になるサービスのことです。

例えば、最近誕生して話題になったLINEモバイルでは、LINE/Twitter/FacebookとSNSの三冠アプリが通信量フリーとなり、いくら使っても通信量がかからないことを売りにしています。

ポケモンGOブームに火がついた時には、DTI SIMが先立ってポケモンGOの通信量をゼロにする「ノーカウント」を発表しました。

dti-sim

ただ、ポケモンGOブームが予想外に一瞬で終わったせいか、このプランはまだβ版しか提供されておらず、本格的なスタートはまだ未定だそう。……これ、もうこのまま終わりじゃないかと思ったり。

そして、今盛り上がりを見せているのが、BIGLOBE SIMが新発表した「エンタメフリー・オプション」。

BIGLOBE SIM

なんと月額480円で、

  • YouTube
  • Abema TV
  • Googleplay music
  • Apple music

の4サービスが全てカウントフリー、つまり使い放題になります。YouTubeを100時間見てもタダとはスゴい。音楽も聴き放題です。

さらにカウントフリーの対象サービスは今後も続々増える予定らしいなので、BIGLOBEの「エンタメフリー・オプション」が格安SIM界のカウントフリーサービス先駆者になるかも?しれません。

エンタメフリーオプションは6GBプランか12GBプランのみ付けられる有料オプションです。

>>BIGLOBE SIM公式サイト

エンタメフリーオプションに火がつけば、他のMVNOでもカウントフリーオプションが続々と生まれてくるでしょう。この辺りは2017年に期待したいところですね。

光回線とのセット割引ももはや当たり前!スマホと自宅PCはセット契約が常識に?

ワイモバイル

>>光セット割をスタートしたワイモバイル(SoftBank光またはSoftBank Air)

光回線セット割が勢ぞろい

格安SIMと光回線のセット契約も2016年に一気にメジャーになった印象です。

光セット割は、スマホ(格安SIM)と自宅PC(光回線)をセット契約することでスマホの月額が数百円程度割引になるサービスです。

2016年12月時点で、光セット割を提供するMVNOは格段に増えました。

MVNO 通話オプション 割引額
NifMo Nifty光 各公式サイトを参照
mineo eo光
OCN モバイル ONE OCN光
IIJmio IIJmio光
BIGLOBE SIM ビッグローブ光
DMMモバイル DMM光
ワイモバイル SoftBank光/SoftBank Air

スマホと光回線、別々に考えるのではなく今後は同じ「通信」として一つの契約にした方が手軽かつお得になっていきそうですね。

格安SIMユーザーで引越しなど新生活を始める際には、スマホのことも考えて光回線を検討した方が良いでしょう。

回線以外のサービスとの連携サービスも増える?

また、光回線以外にも別サービスとの同時契約で囲い込みを狙うサービスは今後増えるかもしれません。

現状でも、例えば楽天モバイルは、楽天カードを併用することで楽天市場でのショッピングが最大7%ポイント還元になるSPU(スーパーポイントアッププログラム)をスタートしました。

楽天カード SPU
  • 基本還元率1%
  • 楽天市場で+3倍(4%還元)
  • 楽天市場アプリ利用で+1倍(5%還元)
  • 楽天モバイル利用で+1倍(6%還元)
  • ゴールドカード以上なら+1倍( MAX7%還元)

と、楽天モバイルユーザーであれば、楽天カードと楽天市場アプリを使うことでいつでも最大7%還元と超お得になります(楽天市場のみ)。

楽天モバイルはスマホ代でポイントが貯まる上に貯めたポイントをスマホ代に使えるので、最大7%還元で毎月数万円くらい楽天市場で買い物したら、貯めたポイントだけでスマホ代がペイできるでしょう。

楽天市場での買い物を習慣化すれば、スマホはタダで使えている感覚になるはずです。

そう考えると、楽天モバイルのクレジットカード+ポイント戦略は光回線より遥かに強力です。さすがユーザー囲い込みの楽天。楽天ユーザーは楽天モバイル+楽天カードが最強の節約術です。

このように、格安SIMの競争はもはやスマホサービス内にとどまらず、回線事業やクレジットカードなど別サービスまで巻き込み始めています。

ユーザーからすれば複数の契約が一業者に一本化できるうえ、スマホ代も安くなるとあれば嬉しい限り。おそらくこういった別サービスとの連携割引は今後も増えてくると思います。

急成長の裏でマイナスになった部分

比較・選択するコストの悪化。選ぶ面倒さ。

詐欺師2

3キャリアしか実質選択肢がなかった数年前まで、ほとんどの人って半分思考停止でスマホ選んでいたと思うんですよ。なんとなく周りがauだからとか、家族がdocomoだからとか。

選択肢が3つしかないし、サービスもほぼ横並びだったので、ぶっちゃけどれでも良かった。

でも格安SIMにするとなると、比較すべきMVNOがまず10社以上。さらにそれぞれプラン数が3〜5以上あり、通話オプション、光回線セット割、カウントフリーサービス……etc

とにかく比較ポイントが多すぎて面倒クサい。

この「考えるのが面倒」というのは大多数の一般人にとってはとてつもなく大きなコストで、格安SIMがキャリアを超える時の最大の壁になると思います。

格安SIM市場は、各社の激しい競争原理によって加速度的におトクになっていることは述べました。しかし、各社が差別化を図れば図るほど、ユーザーにとっての「選択肢が増え続ける」というコストもまた重くなるのです。

2016年の格安SIM市場は倍速のスピードで新サービス/新プランが増えましたが、それは同時に、

余計、何がなんだか分からなくなった。

とも言えるでしょう。特に一般人にとっては。

ユーザー数増加による運営会社の対応力

スマホ

ユーザー数の増加によるMVNO各社の対応(設備増強)にも、一定の問題が見えた年だったと思います。

例えば人気筆頭のSIM「mineo」は、ユーザー数の急増が原因で6月辺りに速度が劇的に低下する事態がありました。

MVNO(格安SIM)というのは、言わばキャリアが持っている道路(回線)の、脇の自転車ゾーン部分だけを借りて、そこにユーザーを走らせている状態なので、当然狭いスペースにユーザー数が増えれば混雑して走りにくくなるわけです(速度低下)。

ただmineoは運営も優秀なので、2ヶ月後の8月には瞬時に設備増強して見事に速度を復活させましたが、この点の対応は各MVNOの力量が如実に現れます。

はっきり言って、ユーザーが混み出したら使い物にならないMVNOもありました。

ユーザー数が増えて速度が遅くなっているのに、いつまで経っても設備増強をしないMVNOなどなど。例えばDTI SIMなんかは「ネット使い放題」というプランを出したものの、速度が遅すぎて不評も続出しました。

今は誕生したばかりで回線がガラガラのLINEモバイルも、今でこそ爆速ですがユーザーが増え出せば必ず混雑してきます。その時に瞬時に回線を増強して増えたユーザーを捌けるか?

格安SIMのユーザー数が右肩上がりで増えているのは良いことですが、それに対する運営会社の対応力も今後のSIM選びの指標の一つになるかもしれません。

まとめ

以上、格安SIM元年となった2016年における、格安SIMの大きな変化を振り返ってみました。目まぐるしいスピードで進化・成長・改善した1年だったと思います。

本屋には格安SIM/スマホ関連の本がズラリと並んでいますが、もはや3ヶ月前の本だと参考にならないほどの変化スピードです。

総務省も推しているので格安SIM市場は今後も伸びていくのは確実だと思いますが、いかんせん今日までスマホ選びに8割が思考停止状態だった日本人が、自分で考えて、自分でスマホを選ぶようになるにはまだまだ年月が必要でしょう。

言い方悪いですが、モノやサービスは世の8割の「情弱」の手にとってもらえて始めて一般化するもの。格安SIMの増えすぎた選択コストが、情強の壁を超えて情弱にまで届くのはまだまだ先になる気はしますね。

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