確定申告の白色申告と青色申告の違い、メリット・デメリットまとめ

申告

確定申告とは、所得にかかる所得税の額を申告するというもので、経営者や自営業・フリーランスのような『事業所得者』、または本業以外に一定額以上の収入を得ている人は必ず申告しなければならないわけですが、

申告の方法には、『白色申告』と『青色申告』の2つがあります。

一般的なイメージとしては、『白色』は記帳は簡単だけど出来ること(節税対策)が少なく、『青色』は出来ることは多いけど記帳が大変、というものです。自動車免許でいうAT限定かマニュアルかのような違いのイメージですね。

しかし、何となくのイメージは分かっても、それぞれ具体的にどんなメリット・デメリットがあるのかいまいち理解できない人も多いと思うので、

今回は『白色申告』と『青色申告』のメリット・デメリットを簡単にまとめてみたいと思います。

これから確定申告デビューする人や、これまで白色申告しかやってこなかった人は参考にしてみて下さい。

 

その前に、確定申告というもの自体をまだよく分かっていない人は、先に以下の記事をどうぞ。

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そもそも青色申告するには条件がある

税金

まず2つを比較する前に、そもそも青色申告に関してはいくつかの条件があり、誰でも選択可能なわけではありません。

青色申告するための条件を挙げてみると、

  • 新たに青色にする場合、その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出
  • 新規開業の場合、業務開始から2ヶ月以内に、「所得税の青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出

となります。(事業を引き継いだ人はまた別の条件がありますが、ここでは割愛します)

要するに、青色申告したいのなら計画的に前もって申請書を出しとかないとノリでは出来ませんよ、ということです。

税務署長に提出する「所得税の青色申告承認申請書」とは名前こそ超絶面倒くさそうなネーミングですが、実際には「青色申告しまーす」と申し出るだけの書類なので、10分程度で書き終わります。

 

また、詳しくは後述しますが、青色申告の最大のメリットの1つである「青色申告特別控除65万円」を享受するには、もう1つ高いハードルを越える必要があります。それが以下の条件です。

  • 事業的規模であること
  • 賃借対照表と損益計算書を提出すること
  • 申告期限内に確定申告書を提出すること

このうち期限内に提出するのは当たり前とし、賃借対照表と損益計算書も後述するとして、

ここで大事なのは『事業的規模であること』という条件です。

この『事業的規模』とは、売上高いくら以上というハードルではなく、”それが本業である”かどうかというものです。

つまり、この時点で副業の人は青色申告を選択することが出来ませんのでご注意下さい。

 

以上の条件をクリアしている人が、青色申告を選択可能になります。

ということで改めて、白色申告と青色申告のメリット・デメリットを見てみましょう。

 

白色申告

まずは、誰でも申告可能で初心者に優しい白色申告についてです。

 

■ 白色申告のメリット

白色申告のメリットはずばり、記帳が圧倒的に簡単なことです(青色に比べて)。

まず、提出する書類がたったの2種類しかありません。『申告書B』と『収支内訳書』だけです。

申告書B

(申告書B)

収支内訳書

(収支内訳書)

(画像は 『会計ソフト de 確定申告』より引用)

見ての通り、1つひとつの取引を細かく記載する必要がなく、日々の合計金額をまとめて記載してOKという簡易な記載方法です。

趣味で家計簿なんかをつけている人は、ほとんどそれと変わらない印象を受けると思います。実際それくらい優しいレベルです。

必要書類も少なくすみ、青色申告のように事前の申請なども必要ないので、確定申告に抵抗感のある初心者のデビューには最適なのが白色申告です。

『なによりも簡単であること』が白色申告の最大にして唯一と言っていいメリットです。

 

■ 白色申告のデメリット

白色申告のデメリットも単純で、簡単であるがゆえに、青色申告だと利用できる様々な節税対策の”特典”が一切使えないことです。

事業規模がある程度大きくなってくると節税は死活問題になるわけですが、白色申告では上手く節税する余地がなかなかありません。

それに対して、青色申告の場合は節税に利用できる多くの”特典”が用意されています。

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青色申告

というわけで、続いては青色申告についてまとめてみましょう。

前述したように、青色申告については”事前の申請”が必要になるので、まず注意が必要です。

 

■ 青色申告のメリット

青色申告は、白色と比べて記帳がケタ違いに大変になるのですが、その分受けられる『特典』が多くあります。

細かいところまで見るといくつもあるので、ここでは代表的な3つの特典を書いてみます。

 

1)青色申告特別控除65万円

これは簡単に言うと、所得税を算出する際に、所得から65万分を差し引いてくれる特典です。所得を下げてくれるということは必然的に税金も安くなるわけですね。

勘違いしてはいけませんが、”65万円、税金が安くなる”わけではありません。税金は【所得 × 税率】ですから、税率がかかってくる所得の値を65万円分減らすことができるということです。

仮に、所得税を最低税率10%とすると、65万円の控除を受ければ6万5千円分も税金が安くなる計算です。さらに住民税は一律10%なので、同額の6万5千円。合わせて13万円分税金を安くすることができます。

 

しかし、前にも述べたように、「65万円控除」を受けるにはクリアしなければならない条件があります。

「事業規模であること」「賃借対照表と損益計算書を提出すること」「期限内に確定申告すること」の3つですが、問題は2番目の「賃借対照表〜」の部分です。

ここはデメリットで書きますが、要するに『複式簿記』という正規の簿記で記帳し、かなり専門的な書類を作成しなければならないという素人には厳しい条件がつきます。

一応、ハードルの高い複式簿記ではなく、白色のような簡易簿記でも提出できますが、簡易の場合は控除額が10万円に激減してしまいます。つまり、65万円控除の恩恵を受けるためには複式簿記は避けては通れません。

 

2)青色事業専従者給与

こちらは簡単に言うと、妻(あるいは夫)など事業を手伝っている家族に対して給料を払うことができ、その給料を経費として計上できるというものです。

給料を払う対象としては、①事業者と生計を一緒に立てている(つまり家族)、②手伝いなど事業に確かに関わっている、③15歳以上、という縛りがあります。

家族に払う給与額に限度はありませんが、これには事前に届出書を提出する必要があり(その年の3月15日まで)、そこに「どんな仕事をさせるのか」「給料は”上限”でいくらか」ということを前もって書かなければなりません。

この際に、支払う給与額が業務内容に対して著しく高かったりすると認められません。つまり、経費を高く計上したい目的で奥さんに(書類上で)バカ高い給与を与えるのはダメですよーということです。

またもう1つの注意点は、配偶者控除や扶養控除の対象となっている人には給与を払えません。もし配偶者や子供に給与を与えたい場合は、控除を外して、給料の中から自分で税金を払ってもらう必要があります。

 

以上のように色々な決まり事がある専従者給与ですが、上手く使えば非常に有効な節税対策になります。

税金というのは『所得(売上 ー 経費)』にかかってくるので、”経費をどれだけ増やせるか”が節税の肝になります。

仮に、奥さんに年間◯00万円の給与を与えるとすると、それを人件費として立派な経費に計上できることになりますよね。しかも◯の数字は自分で決めることができます(常識外ならNGくらいますが)。

奥さんの給与を増やせば増やすほど、税金のかかる夫(事業主)の所得を押し下げることが出来るうえに、

奥さんの方も『給与所得者』になるので、そちらは給与所得控除というのが認められて結果的に経費をさらに積み増すことができます。

つまり専従者給与を払うということは、”事業主の所得を押し下げるうえに、経費は押し上げられる”という、節税には非常に大きなメリットとなり得るのです。

 

3)純損失(赤字)の繰越控除

これは、事業で赤字が出た場合に、その赤字分を翌年以降の3年に渡って繰り越せるという控除制度です。

赤字を繰り越せるので、翌年に利益が出たとしても、その額に昨年の赤字分を差し引くことができ、結果的に税金を安くすることができます。赤字といえど有効に活用できる仕組みですね(とはいえ、赤字は出さないのが最善ですが)。

 

■ 青色申告のデメリット

青色申告のデメリットは、もう再三に渡ってでていますが、『記帳が大変』ということです。白色のような家計簿レベルとは段違いで、専門的な会計書類の作成能力が求められます。

複式簿記という正規の簿記で、「賃借対照表」と「損益計算書」を作ることが必要になります。

  • 賃借対照表……収入と経費を羅列して差引額を記す書類(取引記録)
  • 損益計算書……事業者が持っている資産と負債、利益の額を記す書類(資産記録)

会計知識のない人はこの時点で何のことかさっぱりだと思いますが、この複式簿記ははっきり言って会計ド素人である一般人の手に負える代物ではありません。

そのため税務署の関係団体が記帳の仕方を指導したりしていますが、やはり自分だけでこなすのは無謀です。

そうなると、最終的には結局お金を払って税理士にぶん投げるはめになります。せっかく節税のために青色申告にしたのに、むしろ余計な出費を伴うことになってしまうわけですね。最悪、青色の恩恵を受けるどころか税理士費用で損することにもなりかねません。

とはいえ、近年は会計ソフトやクラウドサービスがぐいぐいと進化を遂げ、今まで夏休みの宿題のように期日直前に徹夜でこなしていた確定申告の負担が飛躍的に軽減してきています。

素人には不可能と言われた複式簿記も、今ではコンピュータが変わってこなしてくれる時代です。

コンピュータ操作やITサービスに疎い方はこちらも高いハードルになるかもしれませんが、青色申告のメリットの方が大きいと判断される人は挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

白色申告と青色申告のメリット・デメリットを簡単に紹介しましたが、何となく理解できたでしょうか。

ここで書いてきたのは本当に表層の部分のみなので、さらに細かく詳しく知りたい方は国税庁のホームページなどを参考にしてみて下さい。税金の仕組みは本当にごちゃごちゃ入り組んでいて複雑なので、細部まで理解するのは相当骨が折れます。

世間的には、やはり青色申告は超しんどそうというイメージがあるせいか、個人事業主やフリーランスの人は白色申告が多いようです。

個人レベルの弱小事業主はそこまで深く考えず面倒そうだからと白色申告にしても問題ないと思いますが、

将来は法人化を目指している人や、事業の規模をどんどん上げていきたいという野心家の方は、どのみち将来は青色申告に立ち向かう宿命になるので、今から積極的に青色に挑戦していくのも一手だと思います。

【参考】フリーランス・個人事業主はクラウド会計の導入をお早めに!

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