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正社員の待遇引き下げは最悪。非正規との格差是正が悪い方向へ【同一労働同一賃金】

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”正社員と非正規社員の格差是正”を狙いとした「同一労働同一賃金」が政府の働き方改革として注目されていますが、つい最近話題になった記事を目にしました。

日本郵政グループが、正社員の待遇引き下げ(住居手当の廃止)に舵を切ったというニュースです。

廃止対象は、原則として転居を伴う転勤のない条件の正社員(約2万人)のうち、住居手当を受け取っている約5千人。毎月の支給額は借家で最大2万7千円、持ち家は購入から5年間に限り6200~7200円で、廃止で年間最大32万4千円の減収になる。

引用https://www.huffingtonpost.jp

え、正社員の待遇を下げるの!?!?

と、誰もが思わず声をあげたと思います。

「正社員と非正規社員の格差を是正する!」と言われたら、誰だって”非正規の待遇を改善する”方の意味だと思いますよね。でも、これが完全に逆な方、最悪な方に動いてしまった感。しかも、日本でも有数の大企業グループがです。

実際の私の周囲のサラリーマンでも、手当が減らされたという人を数人確認しています(上場企業です)。この記事を読んでいる読者の方も、すでに待遇悪化に迫れている人いるでしょう。

このままだと郵政グループに続いて、他の企業も追従し始めるかもしれない。もしかしたら、同一労働同一賃金の導入は正社員にとって都合の悪い方向に改革が進むのでは……? なんて予感を感じざるを得ません。

以前に書いた「残業規制の問題」に続いて、今回は同一労働同一賃金の是非について書いていきます。

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「同一労働同一賃金」とは、そもそもどういった働き方改革なのか?

安倍政権が掲げている「働き方改革」として、大きく注目されているのが、

  1. 残業の上限規制
  2. 同一労働同一賃金

この2つです。

残業規制については「なぜ?残業は減らないのに残業代は減るという惨状が起きる理由と対策」に書いているのでそちらを参考に。

今回考えたい「同一労働同一賃金」とは、”同じ業務内容なら、(正規・非正規問わずに)同じ賃金を与えようぜ”という概念というか考え方です。

言わずもがな、現在は「正規雇用者(正社員)」か「非正規雇用者」かという身分の違いだけで賃金水準に大きな隔たりがあります。

出典厚労省資料|雇用形態別の賃金

とくに男性であれば、正社員は年齢が上がるごとに年収も右肩上がりですが、非正規社員は定年まで横ばいで、年収が上がることがほぼありません。ピーク時の50代では年収ベースで2倍〜3倍にも格差が広がります。

さらに年収だけではありません。非正規社員は各種手当や福利厚生面でも正社員より薄いですし、もっと酷いと社員食堂が使えないとか、更衣室が別にされるなど「差別」に近い扱いを受けることもザラです。

欧米では「仕事」に給料がつく「職務給」が普通ですが、日本では「人(身分や年齢)」に給料が付く「職能給」が根付いています。これが年齢や身分で待遇さが出てしまう根源的問題。

こうした格差を是正するための概念として、「日本でも同一労働には同一賃金を」という声が上がっているわけです。

ただし、給料ベースも待遇も全てを「同一」にするかは別の話しで、例えば給料ベースでは正規・非正規で区別するけど、各種手当や福利厚生などは均一にする……といった柔軟な対応も視野に入れているのが現状目指しているところです。

非正規社員の給料・待遇を引き上げるのが難しい理由

結論から言うに、今の日本企業がすぐに非正規社員の待遇を正社員並みに上げるのはなかなか難しいです。

現実的なところで、現状【非正規3:正規7】くらいの格差だとして、【非正規4:正規6】くらいに互いに歩み寄らせるのが妥協点ではないでしょうか?  これを「非正規の待遇を上げるんだ!」と【非正規7;正規7】に持っていくのはかなり厳しい。

件の日本郵政グループも、正社員の居住手当を大胆に削る一方で、一応非正規職員には年始手当や病気休暇の親切など多少の改善を与えています。

……が、正社員からすれば非正規社員の待遇改善など知ったことか! ですよね。自分たちの待遇が引き下げられたという事実があるのみです。当然、納得いく人の方が少ないでしょう。

なぜ、非正規社員の待遇を正規並みに上げることが難しいのか?

それは簡単に言うと、日本の多くの企業がカツカツの薄利経営をしていて人件費を増やす余裕がないからです。

企業が持つリソースは無限ではありません。非正規職員の給料を上げるなら、そのぶんの資源を他のどこかから削って持ってくる必要があります。要するに原資の配分を調整するということなわけですが、ただでさえコストを極限まで削ってカツカツの経営をしている企業が多く、削れるところといえば正社員の人件費しかないわけです。

長らく「安く売る」ことばかり頑張ってきた日本のサービス業

「日本人の労働生産性が低い」という事実は知っている人が多いでしょう。

ただ、もう少し具体的に言うと、トヨタのような「生産台数(=量)」が基準となる製造業などの労働生産性は悪くなく、足を引っ張っているのは「売上(=金額)」が基準となるサービス業の労働生産性です。

日本のような裕福な(最低限の生活には困らない)国はサービス業を営む企業の割合が非常に大きく、そんなサービス業での労働生産性が海外に比べてめちゃくちゃ悪い。なぜかというと、今まで安売り合戦に明け暮れてきたからです。

「いかに付加価値を付けて高く売るか?」ではなく、「いかにコストカットして他社より安く提供するか?」という競争ばかりに消耗してきた結果生まれたのが、非正規雇用の爆増と違法な長時間労働です。

事実、日本企業の人件費は過去5年で増加しているのに、従業員の給料はほとんど変わっていません。つまり、業績が伸びて人を増やしても総人件費をあげず、同じ人件費を薄く伸ばしているだけです。

さらに最近はアルバイトの最低時給も引き上げられたおかげで、中小企業ほど人件費が強制圧迫されて苦しくなっています。なんとか人件費を削ろうにも、正社員は解雇規制でクビにできないし一度あげた給料は簡単に下げられない。となると、シワ寄せがくるのは派遣などの非正規社員というわけです。

企業にとって非正規社員はいわば人件費の「調整役」としても機能しているので、そう簡単に固定費として上げることができません。かといって現状で限界まで非正規社員を搾取している状況なので、これ以上下げると今度は社会がいよいよ許しません。

なので、今の総コスト(人件費総額)を変えないままで同一労働同一賃金を目指すのなら、正社員側の待遇を削るしかない……というのが実情です。

正社員の待遇を引き下げないためには解雇規制をなくすしかない

そんな八方塞がりな状況の中、正社員の待遇を守る、そしてさらに引き上げるには「正社員の解雇規制撤廃」が必要です。

今の日本社会は正社員のクビを簡単に切れないおかげで、大した成果を出さないのに給料だけはしっかりもらう「給料泥棒」がめちゃくちゃ多くいます。信じられないほど多いです。彼らを「カット(解雇)」することさえできれば、その分を既存の社員の給料アップや非正規社員の待遇改善に繋げることができます。

正社員の待遇アップのために正社員のクビを切れるようにするというのは何とも矛盾した響きです。もし解雇規制を撤廃しようとすれば、正社員から「正社員を守れ!」と反対意見が溢れるかもしれません。

ただ、(無能な)正社員のクビを過度に守ろうとする仕組みが、(有能な)正社員の待遇を圧迫しているのは紛れもない事実なんですよね。

ちなみに私自身も解雇規制撤廃には大賛成です。解雇規制がなくなれば人材の流動性が高まるので、転職がしやすい社会になります。欧米では転職10回も珍しくないほど「転職が当たり前」の社会なのに、日本社会では転職回数が増えるほどイメージが悪く採用されづらくなる始末……。

だから、一つの会社にしがみつく社員が増えるし、「この会社を辞めたらもう終わりだ……」みたいな呪縛に人生を縛られる人が多くなるんですよね。

解雇規制の撤廃は一見するとサラリーマンには不利益に見えますが、実際には転職市場の流動性が高まるし従業員の給料・待遇のベースアップもしやすくなるので、大きな視点でみればメリットの方が大きいはずです。

……ただ、解雇規制は年功序列・終身雇用と同じく長く日本を支えてきた強固なシステムなので、日本の社会システムを決定している高度成長期を経験したお偉いさんたちが全員入れ替わるくらいの時間が経たないと規制撤廃は到底実現不可能でしょう。

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非正規・正社員ともに待遇あげていかないと日本死ぬ

労働者の待遇をあげていかないと、このままでは日本の未来は本当に暗い。正社員ももちろんですが、とくに早急な改善が必要なのがやはり非正規社員の待遇です。

現在、日本が直面している最大の問題が「少子高齢化」なのは言うまでもありません。未来の労働人口の激減を止めるには今の若い世代が子供をどんどん産んでくれなきゃいけないわけですが、今の若者は出産どころか結婚すらしなくなっているのが現状です。

なぜか? 

最大の要因は、非正規雇用者が爆増したおかげで結婚できるほどお金がない若者が爆発的に増えているからです。

正社員の平均年収は驚くほど減少しているわけではないですが、年収が変わらないのに消費税は増税され、年金負担額も格段に増え、学費も増えたおかげで奨学金の返済負担も爆増しているわけです。

つまり若者はみんな収入が減っているのに支出は激増しているので、

とにかくお金がない。
だから結婚なんかできない。

これが現状。

実際の生涯未婚率について見てみましょう。「生涯未婚率」とは厳密に言うと、50歳時の未婚率(一度も結婚していない率)を言います。

内閣府の資料を見てみると、

見事に生涯未婚率は右肩上がりで増えていますね。

2020年には男性で23.4%(約4人に1人)、女性で14.1%(約7人に1人)が生涯結婚できずに終わるとされています。2035年には男性の3人に1人は結婚できずに人生が終わります。

今後20年30年で労働人口が崖を下るように減少していき、日本経済が縮小していくのはもう待ったなしです。ですが、これから成人していく子供たちが社会人になった時までにサラリーマン・非正規社員の待遇をなんとか改善し、彼らが結婚して子育てできる暮らしを社会が提供できれば、そのまた子供たちが労働世代になる50年後くらい先の未来を守れるかもしれません。

まとめ

最後に元も子もないこと言いますが、現在進行形で待遇に悩んでいる人は素直に転職を考えましょう。

イケイケのIT企業のように高付加価値でのサービス提供に成功している企業は利益率も良くて、良くも悪くも欧米的な能力給のところが多いので仕事がまぁまぁできればしっかりお金・待遇として還元されます。

最近IPOしたメルカリとか福利厚生スゴいですからね。

今後の時代に伸びていく業界としても、IT関連企業はやはり有望ですね。詳しくは下記記事もどうぞ。

関連記事今転職で狙い目の業界|今後衰退する職業・これから伸びる職種

関連記事なぜ?残業は減らないのに残業代は減るという惨状が起きる理由と対策

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【おまけ診断テスト】自分の「才能」に気づいていますか?

仕事ができるビジネスマンと出来ないビジネスマンの差は、意外と「自分の才能・資質を知っているかどうか」だけの差だったりします。

仕事ができる人ほど「自分が得意なこと」を仕事にし、仕事ができない人ほど「自分が好きなこと」を仕事にしようとします。

  • 仕事が非常にできる2割の人間は、自分が得意なことを仕事にしている人。
  • 仕事を普通にこなす6割の人間は、自分が得意なことを仕事にしていない人。
  • 仕事ができない2割の人間は、自分が苦手なことを仕事にしている人

「好きなこと」と「得意なこと」は違います。残酷なほど違います。一流と三流を分ける海より深い隔たりがあります。

世界最高のサッカー選手であるリオネル・メッシは、FW(フォワード)というゴール前20m四方のエリア内でのみ世界最高の選手でいられます。彼は誰よりもディフェンスをしません。なぜか? その仕事場以外では平凡な選手だからです。

つまり「仕事ができる人間」とは、「得意な場所で、得意な仕事をしている人」なのです。

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